突入
「ぬがぁぁぁ!」
牛に変化したガボがルベタが捕まっている屋敷へと続く道を走っていた。
「おい、牛が乗り込んできやがったぞ!」
「いい度胸だ。ぶっ殺してやらぁ!」
門番をしていた二人が剣を構えた。しかし、ガボは少しも怯むことはない。牛の姿のまま頭の角を向けて突進していく。
「げっ、ちょっと待て! 止まれ、止まれぇ!!」
スピードを緩める様子がないガボに門番が顔を引きつらせている。派手な音をたてて門扉ごと門番が弾き飛ばされる。
「お、お助けを……」
一人が地面で泡を吹いて気絶し、残った一人も腰を抜かして座り込んでいる。ガボはそんか門番等気にもとめることなく先を急ぐ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
門と屋敷の中間くらいまで来た時、おガボを取り囲むようにあちこちから人間が集まってくる。
「一匹で来るたぁ、いい度胸だなぁ!」
「生きて戻れると思うなよ!」
「へっへっへっ、悪ぃが手柄は俺のもんだ」
「あぁん、俺が殺るに決まってんだろうが! 横取りすんじゃねぇぞ!?」
どんどん増えていく敵の数に、先を急ぐガボは焦燥感ばかりを募らせる。
「うがっ!」
飛んできた矢がガボの右腕刺さった。変化を解いて矢を引き抜くガボ。
「こいつ、オーガだぞ!
「かまわねぇ! 殺っちまえ!」
周りを囲んでいた敵たちが一斉に襲い掛かってきた。ガボは前から襲ってきた男の顔面を殴り付けて気絶させる。続けて左側から飛びかかってきた二人を左腕で凪ぎ払う。二人揃って吹き飛ばされて気を失った。
「がっ!」
頭の後ろに衝撃を受ける。振り向くとハンマーを手のした男が後ずさっている。ガボはハンマーを取り上げて、自身の周囲を一回転させる。唸りをあげるハンマーが4人の敵を薙ぐ。
「うぅっ…」
今度はガボの右胸に矢が刺さる。ガボは持っていたハンマーを弓使いに投げつけた。
「ぎゃっ!」
短く悲鳴をあげた男は地面でバタバタとのたうち回る。
「死ねよ、化け物!」
声が聞こえてきたほうを振り返る。片手剣を持った男がガボの首を斬りつけてきた。防御魔術で丈夫になっていてもものすごく痛い。
「このぉ!」
おでの反撃を片手剣の男は左手に持っていた盾で防いだ。
「甘いんだよ、怪物!」
片手剣の男はジャンプして剣をガボの頭へと振り下ろす。ガボは大蛇に変化して男の攻撃をかわす。それからすぐに片手剣の男の体に巻き付いて締め付ける。骨が折れる音がして男の全身から力が抜けた。
「ぬがぁっ」
火の球がおでの背中に突き刺さる。火炎系下位魔術だ。魔術師が何人も集まってガボに狙い撃ちする。じっとしてたら的にされる。ガボは狼に変化して駆け出す。狼と化したガボの動きに翻弄されて狙いが定まらず、火の球や氷柱や雷球が外れては地面に当たって消える。一通り撃ち終えて攻撃の止んだ間に一気に近づいていく。
「ひぃ!」
ガボが近付くと魔術師たちは次の攻撃に備えて魔力を練りながら散り散りに逃げる。逃げ惑う魔術師の喉を噛みついたり、爪で切り裂いたりして一人ずつ倒していく。
その後も次々と襲いかかってくる傭兵を蹴散らしながら屋敷を目指す。全身が傷だらけである。しかし
、ガボは決して諦めようとはしない。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「やっと着いた!」
屋敷の正面玄関までたどり着いた。ガボの周りにはもう誰もいない。こんなに大勢の敵と戦ったのは初めてであった。身体は疲労困憊であったが、もう少しでルベタの所へ行けるという思いがガボを突き動かしていた。
ガボが屋敷の玄関扉に近づく。扉が内側から開けられる。斧を持った鎧姿の戦士がガボの前に立ちはだかる。
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