入院中
病院へと運ばれたボクは即刻入院となった。カットラスによる斬撃、ピストルによる銃撃、ハンマーによる打撃……そんなのを何度も受けたのだから当然といえば当然だ。
海賊たちを壊滅させたことで英雄に祭り上げられてしまったボクは、ピラックの人たちの好意で治療費が全額免除となった。
一部を残して崩壊しまっている壁を見る。それにしても海賊との戦闘で随分と派手に破壊されてしまったものだ。
「それか。一味の一人が爆弾を投げてきおったんじゃ」
隣のベッドに横たわっていた村長が話しかけてくる。そう。偶然にも村長と同じ病室に入院しているのだ。
「そうだったのか。でも、そのお陰で一気に港まで行くことができたんだけどね」
「ホッホッホ……。あの時は手荒なことをしてすまんかった。ああでもしなければ間に合わんかと思うてな」
「その判断は間違ってなかったと思うよ。だって、もう少し遅かったらレミィたちは海賊船に乗せられてただろうし。だけど、ボクが《飛行》を使えるなんてよく知ってたね」
「いや、そんなこと知らんかったぞ。まぁ、ルベタ殿ならば、なんとかなるとは思っとったがな」
『ジジイめ』
リバス様は文句がありそうだな。その気持ちは理解できるよ。
「あっ、そうだ。これを返さなきゃ。サンキュー、助かったよ」
ダガーを手に取って村長に差し出す。
「それはルベタ殿が持っておったほうがよかろう。遠慮せずに受け取ってくれ」
「いいのか?」
「うむ。チセーヌやピラックを救ってくれたことへの感謝の気持ちと思ってくれればよい」
「……わかった。ありがたく貰うよ」
村長は満足そうに笑む。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「オッス、見舞いに来てやったぞ!」
村長と雑談をしていると、ポポルが駆け込んできた。
「もう、病院内で無闇に走らないの!」
レミィも少し遅れて入ってくる。今日もかわいい。
「おはよう、ルベタ。具合はどう? 痛むところとかない?」
「うん、平気だよ」
安心したのだろう。レミィは笑顔になる。
「よかったぁ。ごめんなさい、私たちを助けるためにあんなに無茶をさせちゃって……」
「ボクが自分の意思でやっただけさ。レミィたちが気にすることじゃないよ」
「……うん……。でも、ほんとにありがとう!」
真っ直ぐに見つめられて照れてしまう。
そこへ村長がわざとらしく咳払いをする。
「いい雰囲気になっとるところ申し訳ないが、わしもおることを忘れとらんか?」
『我もな』
あっ、二人のことを完全に忘れてた。というか、レミィはリバス様の存在すら知らないんだけど。
「まっ、若者同士じゃから仕方なかろうがな。わしも若いころはモテたもんじゃぞ。そう、あれはたしかバナカの町で……」
「ストップ! じいちゃんのコイバナなんか聞きたくねぇって」
長話になりそうな気配を感じたポポルが強引に話を中断させる。ナイスだ、ポポル。
村長はブツブツと小声で文句を言っている。
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