コルオーン&ルザ戦①
「うおぉぉぉ」
ルザがハンマーを高々と掲げ、振り下ろす。モーションが大振りな攻撃だけに回避も難しくない。ボクは後方に移動して避けるとメイスをルザの横腹に直撃させた。
「うぅ…。そんなので殴るなんて、おまえ、ひどい奴!」
ハンマーで頭を砕こうとした奴に言われる筋合いはない。だけど、体は見た目以上に頑丈だな。一発くらいじゃ大したダメージにならないみたいだ。
「怒ったぞ、お返しだ!」
ルザのハンマーが再びうなりをあげるが、またもや難なくかわしてみせる。
「俺のことも忘れちゃいけねぇぜぇ!」
素早い動きでボクの懐まで詰め寄ったコルオーンのカットラスが沈みゆく夕日にきらめく。
キン!
甲高い金属音がする。間一髪だった。メイスでカットラスを受け止めることができた。
接近戦で二人を同時に相手するのは危険だ。後ろに飛び退いて距離をとる。
パン!
今度は銃声が響く。コルオーンが懐から取り出したピストルを発砲した。弾丸がボクの頬を掠めていく。
『銃火器を持ち出してきたか。これは防御をおろそかにできんぞ』
「みたいですね。ちなみに、今のボクが防御魔術で守りを固めたとして、直撃をくらえばどれくらいのダメージになりますか?」
『そうだな。あの程度の攻撃ならば多少受けたところで死ぬことはなかろう。だが、それなりのダメージは覚悟しておくんだな』
「うわぁ……やっぱり痛いのか…」
「おいおい、なに一人でぶつぶつ言ってんだぁ?」
コルオーンが銃口を向けたまま怪訝な表情を見せる。リバス様の声はボクにしか聞こえないのだから当然だ。
「ただの独り言だよ」
「…ふん、なんでもいいぜぇ。今さら怖じ気づいたところで遅ぇんだからよぉ」
不適な笑みを浮かべるコルオーン。余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)といった感じだ。
さて、どうしたものか。こちらから仕掛けるのも危険な気がする。だからといって、いつまでもこうしててもしかたない。
「おまえ、臆病。なら、おれからいく」
行動を起こしたのはルザだ。ハンマーをブンブンと振り回しながら猛進してくる。
「むん!」
気合いとともにハンマーを振り抜くが容易く避ける。しかし、攻撃を終えたルザの背中を飛び越えてコルオーンが姿を現す。ルザの背後の隠れてきたのか。間髪入れずにピストルが火を吹く。
「くっ!」
ギリギリのところで直撃を避けるも弾丸が右頬を掠める。着地したコルオーンはボクから距離をとると再び銃口を向ける。まずいぞ。今度は避けられない! 銃撃に備えて防御に徹する。だけど、撃ってこない。
『ばかもの!』
いきなりリバス様の怒声がした瞬間、ハンマーが勢いよく迫ってきた。凄まじい衝撃を受けて吹き飛ばされたボクは今や無人となった檻に背中から激突する。無意識にメイスでガードして抑えたもが大ダメージを受けてしまった。
「ルベタァ!」
レミィの叫ぶ声が聞こえる。彼女を守るためにもこんなところで倒れるわけにはいかない。
「お返しだ!」
ボクはメイスを強く握り直すと《俊足》でルザとの距離を一気に縮める。慌てて防御行動をとるルザだったが、それよりも早くみぞおちにメイスによる強烈な一撃がヒットさせる。弾け飛んだ巨体が地面に叩きつけられる。
「調子に乗るんじゃねぇぜぇ!!」
コルオーンのピストルが火を吹く。弾丸がボクの脇をすり抜ける。幸いにも攻撃は外れたようだ。
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