VSゼルブ戦③
改稿済みです。
「無事じゃったか……」
ランツァ村長がボクが無事なのを確認して胸を撫で下ろしている。心配してくれるだれかがいるのは嬉しいものだ。
ゼルブの意識がボクに向いている間に、ランツァ村長は練り上げた魔力を氷柱に変えてゼルブの背中に放った。氷塊系中位魔術だ。
「くそがぁ!」
ゼルブは振り返ると同時にメイスで氷柱を粉砕する。
(今だ!)
ボクはダガーを握る手に力を込めて振る。ダガーとメイスが激しくぶつかり合う金属音が部屋中に響く。
「えぇい、うっとうしい!」
ゼルブはボクの攻撃を受け止め、メイスをそのまま強引に振り抜いた。ボクは弾き飛ばしてしまう。
「くたばれ、くそジジイ!!」
ゼルブは左手に持ったメイスをランツァ村長に投げつけた。
「ぬぅ!!」
「ランツァ村長!?」
ボクは叫んだ。
ランツァ村長の体ははね飛ばされてしまった。
『ふん……ジジイめ。防御魔術を全開にしてダメージを最小限に抑えたか』
リバス様の言葉に安堵する。
「ちっ、しぶといくそジジイだ」
ゼルブはよほど気に入らなかったのか、メイスを振り上げて村長に猛進していく。
このままやらせるわけにはいかない! ボクはダガーを手にゼルブの後を追う。
ランツァ村長は迫り来るゼルブを迎撃しようと魔力を練って炎の矢を作り出した。
『ほぉ……火炎系上位魔術か。人間のジジイ風情にしてはなかなかの魔術を使うではないか』
リバス様が少し意外そうに呟いている。
「往生際が悪ぃんだよ!」
ゼルブは放たれた炎の矢をメイスで叩き落とす。
「これならどうじゃ!」
ランツァ村長も負けてはいない。今度は炎の矢を3本作ると別の角度から同時に発射する。
「ぬがぁあ!」
炎の矢を受けて全身を炎に包まれたゼルブの絶叫が轟く。
「まだまだじゃ!」
今度は雷撃系上位魔術を放つランツァ村長。魔力によって作られた雷の矢がゼルブを射抜く。
「ぐうぉぉぉ!!」
ゼルブは再び絶叫する。しかし、倒れることはなかった。荒い息遣いをしてはいるが戦闘意欲にかげりはない。
一方、村長は大半の魔力を消耗してしまっているみたいだ。息遣いが荒くなっている。
「覚悟しろよ、くそジジイ!」
ゼルブはランツァ村長との間合いを一気に詰める。まだ走る体力があるのか!?
「簡単にはやられん!」
村長が雷撃系上位魔術を再び放つ。だけど、ゼルブにかわされてしまう。
「バカ者め! これならばどうじゃ!?」
ランツァ村長が魔術フレアアローを放つ。
「ぐぬぅ!」
炎に包まれて表情を歪めるゼルブ。
『あのジジイも終わりか……。魔力が尽きたようだな』
リバス様が他人事のように言う。そりゃそうだろう。リバス様にとっては、どちらが勝ったとしても興味のない話だろうからね。
だけど、ボクにとっては違う。こんなところでランツァ村長を失うわけにはいかない!
「いっけぇぇぇぇぇ!!!」
ボクは無我夢中で持っていたダガーをゼルブに向かって投げた。
「グフフ…、もらったぁ!!」
ボクが投げたダガーは、勝利を確信し、頭上に高々とメイスを掲げるゼルブの脇腹に突き刺ささった。
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