VSゼルブ戦①
改稿済みです。
「てめぇらか。俺様の下僕どもを皆殺しにしやがったのは。人間の分際で生意気な真似しやがる!! ……片方は魔族じゃねぇか!」
部屋へとやってきたボクと村長を待っていたのはホブコブリンだった。殺気をたぎらせた双眸がこちらを睨み付けている。片隅にはおびただしい血痕と動物の骨が散乱していた。奪ってきた家畜を殺害した残骸だ。それに匂いもなかなか強烈だ。
「問答無用で襲ってこられちゃ反撃するしかないだろ。それに、そっちだって他のモンスターを殺したり、チセーヌ村を襲ったりしてるじゃないか!」
「村の者は大切な家畜を失って困っとる。これ以上の被害をだすわけにはゆかんのでな」
ホブコブリンは鼻で笑う。
「ほぉ。家畜を襲うなって言うのか。だったら、人間なら襲ってもかまわねぇんだな」
こいつは何を言ってるんだ。そんなこといいわけないだろう。
「それも困る」
村長はきっぱりと言い切る。そりゃそうだよ。
「ふん、俺様の下僕を殺しておいてよく言えたもんだ」
だから、それは問答無用で襲ってきたからだと言ってるじゃないか。
「まぁ、俺様は寛大な心の持ち主だ。てめぇらが土下座して頼むのなら考えてやらねぇことないぜ」
なんてやつだ。これだけ性格の悪いのは初めて見たよ。ボクは戦う決意をして村長に視線を送る。
「わしらが言われた通りにしたところで結果は変わらんのじゃろう?」
ホブゴブリンは口許に薄ら笑いを浮かべる。
「わかってるじゃねぇか。そもそもてめぇら風情の言うことをきいてやる義理はねぇんだよ」
性格が腐りきってるな、こいつ。ボクはダガーを鞘から抜いて構える。
「一応は聞いといてやる。どうして村の動物をさらう? モンスターであるおまえたちは食事を摂らなくても大丈夫なはずだ。あと、自分たちより弱いモンスターを襲うのはなぜだ?」
ホブコブリンは床に唾を吐き捨てる。
「そんなことは言うまでもねぇよ。楽しいからに決まってるだろう。生きたまま喰われて死んでいく様は愉快なもんさ」
「そうか、よくわかった。これ以上は話したくもない。だけど、死ぬ覚悟はしてもらうよ」
「必要ねぇ! どうせ二人とも生かして帰すつもりはなかったんだ。このゼルブ様自らなぶり殺しにしてやるぜ!!」
ホブコブリンことゼルブは背中に背負った2本のメイスを片手に1本ずつ持って構える。その表情からは勝利を確信していることがはっきりと読み取れた。
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