ゴブリンの洞窟④
改稿済みです。
「思ってたよりも奥行きがあるんだな」
洞窟に再潜入してけっこう歩いたはずなんだけど最奥にはまだ到着しない。
最初の潜入時にゴブリンと遭遇した地点からさらに進むと緩やかな下りになっていた。
「ゴブリンと遭遇しないね。もしかして全滅させたかな?」
「それはどうじゃろうな。我々が到着するのを待ち構えておる可能性もある。くれぐれも油断してはならんぞ」
「そっか。たしかにそうだよね。ゴブリンってさ、どれくらいの規模の群れを作るものなのかな?」
「様々じゃな。数体だけの小さなものもあれば数百といった大規模なものもある。そもそも群れを持たず単体で動く者もおると聞いたこともある」
「数百!?」
思わず声が大きくなってしまった。もしもこの群れが数百規模ならボクたちに勝ち目はないかも……。
「安心せい。この群れは大きくはない。それほどの群れならばチセーヌ村は既に滅んでおるよ。それに、この洞窟はそれほど多くのゴブリンが生活できるほど広くもない」
またしてもボクの不安を見透かしたかのような村長。さすがだ。
『まぁ、我ならば数百のゴブリンなど物の数ではないがな』
マジか。魔王ってどんだけ強いんだ!?
「あっ、灯りだ」
洞窟の奥は部屋になっていて、その入り口の両端に篝火が焚かれている。
「あそこが目的地のようじゃな。だとすればこの群れを従えとるボスもおるはず」
「やっぱりボスもゴブリンなのかな?」
「おそらくな。じゃが戦闘力は桁違いと考えたほうがよい」
「同じゴブリンでもそんなに違うの?」
「ホブコブリンが率いているケースも多いからの」
「ホブコブリン?」
「知らんのか?」
元モンスターのボクだけど、実は魔族のことはほとんど知らなかったりする。ここで知ったかぶりをしたってしかたない。素直に頷く。
『嘆かわしい。これほどに無知な者に我が肉体を乗っ取られようとは……』
リバス様の落胆がひしひしと伝わってくる。でも、知らないものは知らないんだ。ひとまず足を止めて勉強の時間となる。ここは敵地なんだけどいいんだろうか。
「これまで戦ってきた一般的なゴブリンは体長が30センチ程度じゃったろ?」
たしかにそれくらいだった。ボクは頷く。
「しかし、ホブコブリンは1メートルほどで知能も高い個体が多い。また、先ほども言ったように戦闘力も普通のゴブリンとは違うんじゃよ」
そんなやつが奥にいる可能性があるのか。気を引き締めて掛からないと危険だな。すごく緊張してきたぞ。
「なぁに、心配することはない。わしもついとるし、何よりルベタ殿自身もこれまでの戦いで成長してきとる」
『それ以前に我の肉体を使っておるのだ。ホブコブリンごときに後れをとることは許さぬ』
リバス様がめちゃくちゃプレッシャーをかけてくる。
「さて、勉強は終いとしてそろそろゆくとしようかの」
そうだよね。いつまでもここにいても何も始まらないんだ。ボクは意を決して歩を進めた。
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