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魔王様の大冒険  作者: 美山 鳥
第10章 世界へ!
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リバス様は何歳?

 「すまなかったな、客人。お陰で助かったぜ!」


 ウォーターマンを撃退したボクとレミィにマーティル船長が握手を求めてくる。ボクとレミィはそれぞれ船長の手をとる。


 「ボクたちの力が役に立ってよかったよ」


 笑顔で答える。マーティル船長は少し間をおいて口を開く。


 「自分より弱い者のために力を振るう魔王が本当にいるとはな」


 船長の言葉に驚いた。ボクが魔王だなんて伝えていないはずだし、ウォーターマンとの戦闘でも魔王の紋章を使っていない。それなのに、どうしてわかったのだろうか。


 そんな考えを見透かしたように、マーティル船長が続ける。


 「実はな、フォラスの領主トゥナムにおまえさんたちをくれぐれもよろしくと頼まれていたのさ。かけがえのない友人だってな。その時に、おまえさんが魔王であることや弱者のために力を振るっていることを聞かされたわけだ。だがよ、正直に白状しちまえば、今の今まで半信半疑だった。そんな魔王やつが本当にいるのか?……てな」


 そこまで言って、マーティル船長はニッと笑う。


 「おまえさんたちがウォーターマンを撃退してくれてる姿を見て確信したよ。トゥナムの言ってたことは真実なんだってよ!」


 そうだったのか。トゥナムはボクたちのことを気にかけてくれてたんだ……。そのことが何よりも嬉しい。それにしても、マーティル船長もトゥナムのことを呼び捨てなのか。よほど親しいってことなのかな。


 「後始末は俺たちに任せて、二人は休んでくれ」


 マーティル船長に促され、ボクとレミィは船室へと戻った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 「リバス様、ヴィデルガラムは打撃武器ってことはないですよね?」


 船室に戻ったボクはリバス様に確認してみることにした。ウォーターマンとの戦闘にいて初めてヴィデルガラムを使用したが、斬るというよりは殴り付けるといった印象だったからだ。


 『当たり前だ、バカ者。ヴィデルガラムは流し込む魔力の量によって切れ味が決定される。貴様は魔力を流すことなく単に魔大剣を振るっていただけに過ぎぬ。魔王の紋章の力をヴィデルガラムに流せば凄まじい切れ味となる』


 そうだったのか。たしかにボクはただ単にヴィデルガラムで斬りかかっていただけだ。リバス様の解説に納得する。


 隣から視線を感じて振り向くとレミィがボクをジト目で見つめている。


 「ど、どうかした?」


 「リバスさんと話してたの? いいなぁ……なんだかわたしだけ除け者みたい!」


 腕組みしてそっぽを向いてしまうレミィ。


 「ち、違うよ、そんなつもりじゃ……」


 慌ててフォローしようとするボクにレミィの笑い声が聞こえてくる。


 「ごめんごめん! ちょっと意地悪しちゃった。しかたないもんね」


 両手の手のひらを合わせて謝るレミィ。まったく、変に悪戯いたずらなところがあるんだよね、レミィって……


 「ところで、ちょっと気になったんだけど……リバスさんって何歳なの?」


 レミィからいきなり妙な質問が飛び出した。そういえば、ボクも知らないや。


 「だそうです。いくつなんですか?」


 『……』


 「ダメだ、黙ってる。たぶん答えるつもりはないんだと思う……」


 ボクは肩をすくめる。


 「そっか。見た目はすごく若いよね。わたしたちとそんなに変わらない感じ?」


 「うん。でも、言葉遣いはおじさんっぽいよね」


 「うーん……まとめると、若作りの中年おじさん?」


 導きだされた答えにボクとレミィは笑う。


 『いい加減にせぬか!! 我のよわいで遊ぶでないわ! そもそも魔族は見た目で年齢の判断はできぬと知れ! 幼児期から見た目が変わらぬ者もおれば、老人になるまで変化し続ける者も珍しくないのだ!!』


 リバス様の怒声が響く。ボクの様子がおかしいことに気付いたレミィがこちらを見ている。


 「リバス様に怒られちゃった。魔族は見た目で年齢の判別はできないんだってさ。子供の頃から変わらない人もいれば、老人になるまで変化し続ける人もいるって言ってる」


 「へぇ、そうなんだ! それじゃあ、リバスさんは年齢不詳のままかぁ……」


 レミィが少し残念そうに言う。


 「さて、そろそろ寝ようか」


 「うん。おやすみなさい」


 「おやすみ」


 ボクとレミィはリバス様をこれ以上刺激しないうちに眠ることにした。


 (もうすぐカビラルの港町か。いよいよ、ボクとレミィの冒険が始まるんだ!)


 ボクは期待に胸に眠りにつくことにした。

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