チセーヌ村③
改稿済みです。
「ガボの事件を目撃した人ですか?」
墓地か戻ると既に昼食の準備は整っていた。手料理を食卓に並び終えたレミィが一瞬だけ驚いたような表情を見せる。が、すぐにため息をつく。
「ポポル、ルベタに話したのね?」
レミィにジト目で見つめられて言葉をなくすポポル。生意気を言っててもやっぱり子供なんだな。レミィに叱られるのは苦手なようだ。
「違うよ。ボクが掘り下げて訊いたんだ。ポポルが悪いわけじゃない」
フォローしようとするボクにレミィはニコリと笑みを見せる。
「勘違いしないで。べつにポポルを叱るつもりはないの。それより、当時の事を調べてどうするの? ルベタのことだから興味本位で探ろうとはしていないのはわかるんだけど……」
「そのガボっていうオーガが急に暴れだしたのには何らかの原因があったんじゃないかと思うんだ。だって、一緒に暮らしてる時のガボにはそんな様子はなかったんだよね?」
ボクが切り出すとレミィは目を伏せてしまった。
「そうね。すごくおとなしい性格だったわ。それなのに、どうしてあんな事になったのか……」
レミィやポポルにとって余程辛い出来事だったんだろう。二人とも目を涙を浮かべている。
「……わかった。私も真相を知りたいし、協力はする。でも無理はしないで! もしガボと戦うことになったらすごく危険だと思う」
「そうだぜ。あいつ、めちゃくちゃ強いもんな。一対一だと勝てないかも……」
『戯けたことをぬかすでない! いくら強かろうが所詮はオーガ。我の敵ではないわ!』
ボクを気遣うレミィとポポルに対してリバス様が猛反論する。もちろん二人には聞こえるはずがない。でも、リバス様の言葉は頼もしい。正直なところオーガの相手をするのは怖かったんだ。
「それで、さっきの質問なんだけど」
「事件の目撃者だったわね。リゲックと警備隊の人たちよ。彼らなら詳しく知ってるんじゃないかしら」
リゲック? そうか。ポポルが言ってた領主がそんな名前だったな。
「リゲックって、ピラックの近くの丘の上に住んでる奴だったよね」
「ええ。あの日、お父さんとお母さんの帰りが遅いのを心配して、リゲックが警備隊の人を連れて捜索に出てくれたの」
「でもさ、あいつ、絶対に姉ちゃんに対して下心があったからだぜ」
「ポポル! そうやってすぐに人を疑っちゃダメ」
「姉ちゃんが信用し過ぎなんだよ!」
「とにかく、そのリゲックに一度会ってみるよ」
ボクは、おそらく決着がつかないであろう論争の流れを断ち切った。
「そうね。ここで言っててもしかたないわよね。それじゃ食事にしましょうか」
レミィの言葉にボクとポポルは着席して食事を始めた。
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