第百話:計画
第十章は奇数日の十二時に投稿します。
区切りの百話です。ブックマークや高評価、毎回の「いいね」など、皆さんのご支援のお陰です。ありがとうございました。
『亜竜のレッサードラゴンであれ、竜種を単独で狩れたのですね』
儚げな少女が確認した。
『一年が経って漸く、第一段階へ到達したのです』
安堵はしても、まだまだ気を引き締める。
『もう一度、あのような災難に巻き込まれても、自力で脱け出せる身体能力を与えることにしました』
彼女は周囲の妖精達へ囁く。
『五年の準備期間を経て、成長期を迎えた成果です』
はにかむ姿は女神のように美しい。
『紋白蝶も赦してもらえました』
その身体を取り戻せたのだ。
『残りの四年間で、順調に育ってくださいな』
手鏡には厳つい少年が映っている。
『ちゃんと導きます』
少女は改めて計画を思い出した。
いつの日か、また少年と並んで眠れることを楽しみにしながら、独りでハンモックへ横になる。
穏やかな表情で微睡んだ。
◇◇◇
『レッサーでもドラゴンのお肉デスネ』
『色々と強烈だわー』
『薫りまで旨いでござる』
カークは仲間と、暢気に食事を楽しむ。
続く
第十一章も奇数日の十二時に投稿する予定です。