第一章⑤~始まり~
読みにきていただいたこと、誠に感謝します。
ガキと一勝負を終えた俺達は、もうすぐ入学式を迎える。
「この世の中にも入学式ってのは恒例行事なんだな」
そんな事を思いながら俺は今、母さんと一緒に先程の外ではなく待合室にいる。入学手続きみたいなものを済ませるとこの待合室につれてこられた。
にしても、この待合室にいる人達は俺の知っている限りだと受付で「剣士」を選んだ人達しかいない。おそらく「弓兵」を選んだ人達は別の待合室にいるのだろう。
ちなみに、俺は家系うんぬんかんぬんは無く、好きにして良いと言われたので一切の苦もなく「剣士」を選択することが出来たが、さっきのヤスシのような人達はそうはいかないだろう。
「家系ってもんは何か子供の夢を壊しそうな気がするな」
まだ右左さえもちゃんと分かっていないような年齢の俺らに、この世界はもうこんな選択を迫らせてくる。
___バリバリのゆとり世代の俺にもうちょっと適した異世界はなかったのだろうか?
まぁそんなことはさておき俺がボーッとしてると、ヒロが俺を見つけて近づいてきた。
「シュン、やっぱり剣士を選択したんだね」
「当たり前だろ」
とりあえずヒロには負けたくなかったので猛者感を出しながら返事をする。剣士を選択した理由はまあ置いとくことにする。
「まぁ僕は家系的にも剣士を選択するのはほぼ強制的だったけどね。だけど、僕も剣士になりたかったからそこは何の障害にもなくてよかったよ。クラスの中には剣士になりたかったけど弓兵を選択させられた人や弓兵になりたかったけど剣士を選択させられた人だっていると思うからね。」
「そうか、それなら良かったと思う。」
「うん。やっぱりなりたい方に選択できない子もいるから、そういう子はかわいそうだよね…」
「そうだな」
ヒロも俺と同じことを考えていた。やはり、家系も大事だとは思うが、それ以上に自分自身の意見が一番なのだと思う。ヒロはさっきのガキと違って優しい心の持ち主で助かった。
___とはいっても俺にはどうすることも出来ないのだが…
「はーい、もうすぐ入学式が始まります。生徒の皆さんは今から言う順番に並んでもらって、保護者の方々は第二体育館に移動してください。」
教員らしき人からの連絡が入った。
今から入学式が始まるらしい。俺らは言われた通りの順番で並び、母さん達は一足早く体育館へ向かった。
そして、入学式が始まった。
入場の指示が入って俺達は体育館に入ってゆく。
第二体育館と言ってたので小さめの体育館を想像していたら、入ってみるとバカみたいな広さをした体育館だった。
おそらく俺が地球で通ってた小学校の体育館3個分はあるだろう。
「___この異世界、色々とぶっ飛んでんな」
と前にいる人も気づかないような小さな声でそう呟いた。
そんな感じで入学式は何事もなく着々と進み校長講話となった。
ぶっちゃけの所、俺は一番校長講話を楽しみにしていた。
例え「学校」といういわゆる子供の遊び場とはいえ、この世界は魔術が当たり前の世界である。
そんな所の校長は一体どんな姿をしているかを気にならないはずがない。
いかついゴリラのような体格をした男なのか?
それとも、美貌の持ち主だが、中身はスパルタの鬼である女なのか?
はたまた、必要なものを全て供え持ち、この世に降臨した神童なのか?
果たして結果は如何に!?
___は?
そこに現れたのはご老人だった。
その姿は「おじいちゃん」としか言いようがなく、決して特別なオーラを身にまとっている感じもない。
そこらへんのヤンキーに絡まれたら・・いや、今の俺でも普通に勝てそうなまさしくそこらへんにいそうなご老人である。
ん?おじいちゃん、迷い込んじゃったのかな?スーパーならここじゃないよ…
「それでは校長、講話をお願いいたします」
入学式の司会をやっている男がその老人に対して頭を下げた。
___ちゃんと校長だった…
嘘だろ!?こんな老人が校長?
あっ!もしかしてこれ何かのドッキリだったりする?テッテレーってやつか?
そう思って周りを見渡してみると・・
皆その老人を見て「すげぇ」なの「初めて本物見た」などといった感想を呟いている。
あのヒロやヤスシでさえも目を光らせながら校長らしきおじいちゃんを見上げている。
と、なるとだ。
・・この人が本当に校長なんだな
俺がド肝を抜かれているとその校長が話をし始めた。
「皆さんおはようございます。私の名は準1級魔術剣豪のカタシーと申します」
Oh...この人がさっきヒロが言ってた「剣豪」ってやつか・・
ん?それってバカ強いんじゃねーの?
俺の頭に浮かんだその疑問は周りを見れば明らかである。
俺以外の生徒達は皆キラキラと目を輝かせており、保護者さえもダイヤモンドでも見ているかのようにその校長に釘付けになっている。そんなに準1級というのは凄い階級なのだろう。
そーいやどこかで聞いた話によると、階級は7級からあり、1級だけは準1級があるそうだ。
うん、あの老人バケモンだな。
「人は見かけによらず、か」
今ほどこの慣用句に納得したことは無かっただろう。
すると、老人、いや校長は話を進めた。
「君達が新しく剣士、弓兵を目指す者たちか。まぁ人それぞれ、これからの生活に対する想いをもってこの選択したと思う。それはとても素晴らしいことだと思う。じゃが…」
ん?どした?
「さっき、君達が外で待ってるときにその横を通ったのじゃが、その時、俺は魔術剣豪になると宣言した子がおっての」
あっ、それ俺の事だ。
「先ほども言った通りそういう目標を持つのはとても素晴らしい事だ。じゃがな」
そういうと校長は口を荒げてこう俺らに言い放った
「お前らが何を目標にしようと勝手だが、そんな簡単に剣豪、弓豪になれると思うな!何年、何十年もかけ、沢山の人や体を犠牲にし、ようやくたどり着ける領域なのだ!!たかが5年しか生きとらんお前らのようなガキがそんな簡単に言ってよいものではない!!」
尚も校長のいきなり開幕した説教は続く。
「それに、その事を口にしたのはこれといった家系もない、ただのガキである!そんなやつが剣豪になるなど言語道断!そういうやつらはまず3級を目指せ!!最も、私の知る中でちゃんとした家系のない奴が準一級以上を取ってる所なんぞ見たことないけどな!!以上!この学校に来たからには本気で物事に取り組むように!!」
そういうと校長は狂ったように笑って話を終わらせた。
__なんだこいつ。ただのやばいやつじゃんか。4、5歳の俺ら相手にそんな本気でキレなくてもいいだろう。
しかし、こんなことを言ってしまうと4歳の俺でも容赦なく殺しに来そうなのでそっと心にしまっておくことにしよう。
そんなこんなで教師以外のその場にいた者達は全員一言も発することなく波乱の入学式は幕を閉じた。正直教師たちもこんな校長をもって可哀想だと思ってしまった。もう一度回りを見渡しても「オーラがすごかった」だの「俺も校長先生みたいになりたい」だのまるで校長にとりつかれているかのように褒め称えていた。
その後、生徒達はそれぞれの自分のクラスに向かう。
教室の前にそれぞれの組のメンバー表が書いてあった。
俺は1年3組、そしてヒロは...
3組だ、やった!
そう思っているとちょうどヒロと目があった。そして二人は顔を会わせてニヤリと笑い、もう一度高らかに宣言した。
「絶対に剣豪になってやる!」
おはこんばんにちは!白崎冬と申します!先週はTwitterへの投稿を忘れてしまってすみませんでした!!!後、私てっきり17時投稿かと思ってたんですけど、16時投稿でした!マネージャーさん。すみません。次こそは…(n回目)第一話以降一回も時間を守れていない白崎さんでしたとさ。
お読み頂きありがとうございました!!
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それではまた次の話で!!




