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紫苑の森の弓道部  作者: 鷹野 進
但し書き等々
2/72

01 用語集


 ざっくり用語集です。参考程度にしてください。

 増えたり減ったりします。



【足踏み あしぶみ】

 射法八節の一番目。

 両足を肩幅に、ハの字に開いて体を安定させる。



【垜 あづち】

 的を設置するために、砂や土を土手のように盛って固めたもの。砂や土の場合は、乾燥して崩れないよう水を()いて適度に湿らせる。手入れを怠ると草が生える。屋根で(おお)ったものを垜小屋と、たぶん呼ぶ。



【射込み いこみ】

 動詞形は射込む。(たち)を組まず、自由に射位へ入り弓を引くこと。



【板付 いたつき】

 矢じりではない。尖ってはいない。



【打起し うちおこし】

 射法八節の四番目。

 弓を両手で頭上に挙げる。引分けの前に、右手(めて)が額から拳一個分の距離になるよう弓を少し引きつつ近づける(大三)。



【会 かい】

 射法八節の六番目。

 弦を引き絞った状態。見ていて一番緊張する。その緊張感、静寂が弓道の特徴だと思う。ちなみに筆者は、きつねうどん食いたいとか思っていたりします。良い子も悪い子も真似しないでください。一瞬の油断が危ない。



【皆中 かいちゅう】

 一立の中で、矢を四本射て、四本とも的に的中させること。皆中すると周囲が拍手してくれる。みんなの憧れ。

 一手(ひとて)(矢が二本)のときも、一手皆中と言うらしい。



【空打ち からうち】

 矢を番えずに弓を引き、弦を放つこと。弓を傷め、腕を怪我したりするので、良い子も悪い子も真似しないでください。



【看的 かんてき】

 的中を判断する係。矢取りを兼ねる。看的するスペースを看的小屋と呼ぶ。板や電光掲示板で的中を表示する。的に的中はマル、垜に的中はバツ。わからない場合は、三角印だったりハテナだったり無表示だったりする。後で確認する。

 ちなみに、弓道人は○○○×、または××××の悔しさの意味がわかります。



【弓道 きゅうどう】

 下手すると下手できない武道。うっかりで命を落とす。怪我をする。近的きんてき遠的えんてきがある。得点制ではない。的中するかしないか、それが問題だ。シンプルでシビアな世界。



【弓道場 きゅうどうじょう】

 矢を射るため、矢道に面した壁がない。雨戸やシャッターなどで開け閉めする。天井が高い。夏は暑く、冬は寒い。



【ぎり粉 ぎりこ】

 右手(めて)(ゆがけ)の親指部分につける黄色っぽい粉。弓を引くときのすべりや緩み防止を目的としている。松脂(まつやに)を煮詰めて粉にしたもの。ぎり粉という名前は、弽につけて親指と中指を擦り合わせたときにギリギリ音が鳴るから。



【坐射 ざしゃ】

 坐射礼のこと。

 座り方、跪座、座ったままの動作などなど。弓のすべて。団体戦や昇級昇段審査は坐射で行われる。(→立射)

 慣れていないと、立つ際に袴を踏む。恥ずかしい。



【残心 ざんしん】

 射法八節の八番目。

 残身とも表記する。離れの後の状態。余韻。残心が美しいと、その一射は美しかったのだと推測できる。



【残念 ざんねん】

 的中なしのこと。表面的には慰めてくれるあたり、弓道人の優しさが垣間見られる。



【射位 しゃい】

 矢を射る位置。



【射法八節 しゃほうはっせつ】

 弓を引くための、八つの動作のこと。

 足踏(あしぶ)み、胴造(どうづく)り、弓構(ゆがま)え、打起(うちおこ)し、引分(ひきわ)け、(かい)、離れ、残心(ざんしん)

 残心は残身とも表記する。



【素引き すびき】

 矢を番えずに弓を引くこと。弦を放つことはしない(→空打ち参照)。



【体配 たいはい】

 弓道を行うにあたっての動作や作法。



【胴造り どうづくり】

 射法八節の二番目。

 背筋を伸ばして、腰の中央に重心を置く。



【月の輪 つきのわ】

 弦の端、下側の弦輪。並寸は白、伸寸は紫が多い。



【中仕掛け なかじかけ】

 弦の矢を番える箇所。木工用ボンドなどで切れた弦の繊維を巻き付け、筈がぱちっと嵌まるように少し太くしておく。太過ぎて筈が嵌まらないと焦る。緩くても矢が落ちて危ない。



【中白 なかじろ】

 霞的の中心、直径七.二センチの白い部分のこと。



【的 まと】

 直径三十六センチの木枠に的紙を張ったもの。霞的かすみまと星的ほしまと金的きんてきなどがある。この弓道部では霞的を使用している。蛇足ですが作者は金的を射抜いたことがあります(大会時ではありません)。



【胸当て むねあて】

 離れの時に、弦が胸に当たらないよう守るもの。女性が着けることが多い。メッシュ素材や革がある。色は黒か白が主流。

 初心者は一見して着け方がわからない。



【袴 はかま】

 初めは誰でも着方がわからない、日本の素晴らしき伝統。

 慣れた頃や座射で裾を踏み、居たたまれない思いをするのは何故でしょうね。横の隙間から手を中に入れると、すごく落ち着く。が、行儀は最高に悪い。よく叱られる。

 男性と女性で種類が異なる。



【筈 はず】

 弦を矢に番える(はめる)溝。たまに割れる。「筈がある筈」など、駄洒落を言ったことのある弓道人はきっといる筈。



【離れ はなれ】

 射法八節の七番目。

 矢を放つハイライト。離れであり、離すのではない。弦を引き絞った会が、その瞬間に到達すると離れが自然に生じる。何でですかね。



【葉分 はわけ】

 葉分け、羽分けとも。的中数の数え方。矢を四本射て、その内二本が的中したこと。地域や伝統によって呼び方が異なる。



【引分け ひきわけ】

 射法八節の五番目。

 見ていて一番弓道っぽい動作。矢の頬付け、口割り、胸弦(むなづる)とか、こまごました注意点がいろいろある。引分けが美しいと、だいたいその人の射は美しいです(偏見)。



【一手 ひとて】

 甲矢(はや)乙矢(おとや)、二本一組のこと。四矢(よつや)のときは、一手を二組持っていることになるが、二手(ふたて)とは呼ばないらしい(→矢参照)。



【日の輪 ひのわ】

 弦の端、上側の弦輪。並寸伸寸ともに赤い。



【筆粉 ふでこ】

 弓手(弓を持つ左手)の手の平につける白っぽい灰色の粉。弓の握りのすべり止めを目的としている。主に籾殻(もみがら)を焼いたもの。



【矢 や】

 甲矢(はや)乙矢(おとや)がある。甲矢から先に射る。

 矢の構造、矢羽根の付き方が異なる。



【矢羽根 やばね】

 水で濡れた場合、剥がれてくるので早急にドライヤーで乾かす。



【矢取り やとり】

 矢を取ってくる係。危険防止のため、赤旗を出す。弓道場側から許可が下りてから、矢を回収する。実は赤旗がない弓道場もあった、と過去形にしたい現在。

回収した矢の板付に、垜の土が付着している場合が多いので、布で拭って綺麗にする。



【弽 ゆがけ】

 かけ、ともいう。漢字の一発変換ができず、もどかしい。

 鹿の革でてきている、手袋に似た弓道具。右手(めて)に着けて弦から指を守る。

 弽の下に内かけ、もしくは下かけと呼ばれる布を着ける。いろんな色のいろんな柄があり、その人の個性が垣間見れるので楽しい。



【弓構え ゆがまえ】

 射法八節の三番目。

 矢を弦に(つが)え、弓の下端を左足の膝に置く。的へ顔を向けて物見をし、再び顔を戻し、矢羽根の下に(ゆがけ)の親指を入れ、根元の弦溝(つるみぞ)に弦を引っ掛ける。次に弓手の手の内もつくる。



【弓袋 ゆぶくろ】

 弓を保管する袋。いろんな色と柄がある。センスが問われる。



【弓 ゆみ】

 並寸なみすん伸寸のびすんがある。並寸は二二一センチ、だいだい身長が一六五センチまでの人が使う。二寸伸は二二七センチ、だいたい身長が一六五~一七五センチの人が使う。ただし、体格によっては標準の選び方と異なる。

並寸の弦の月の輪は白、伸寸は紫が多いので、並か伸か見ればわかる。



【矢道 やみち】

 矢が通る道。矢を傷めないために、芝や人工芝を張ることが多い。この弓道部は四季折々の野草が繁茂している。

 迂闊に立ち入るのは本当に止めたほうが良い。



【揖 ゆう】

 礼の一種。礼より体を傾ける角度が浅い。説明が難しくて挫折しそう。



【四矢 よつや】

 矢が四本のこと(→一手参照)。



【立射 りっしゃ】

 立射礼のこと。

 立ったまま弓を引く、簡略された体配。高校生の大会は時間短縮のため、立射で行うことが多い。(→坐射)






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