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1.まっさら
まっさらにしなければ、見えてこないものがあるなかで
しずみゆくようにみやる
しずみながらも浮かんでいる
水の中の浮力
**
引力がある
それは、
ひっぱりだすことをのぞむ、それ
**
そこに、違いなどなく
そこに、小説を書くことと、詩、絵、エッセイを書くこととの間に、
差など存在しない
創作することにおいて、
それは、きっと、ひとしく、必要とする
もの
**
無理やりに、それ を、あばきだそうとしたところで
それ は、きっと、顔をみせないもの で
それ は、きっと、嘘をついてしまうもの で
それらは、ひどく、感覚に素直で
それらは、ひどく、ゆるやかに うごめく
風にのるように
のどをひらくように
歌を裂くように
水を うえからした へと 滑らせるように