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おい!今度の行き先はサッカー漫画だってよ!?  作者: 赤星べお(※完全なPNにしました)
最終章 Just like a wavin’flag
97/105

81話 贅沢な夢を着たモラリスト

人を敬う気持ちはサッカーでは邪魔だ。厚かましくどんどん前に出ていけ。何も怖がるな、敬意を払い過ぎるな、遠慮を捨てろ。カルピン

 

 邪悪な笑みを浮かべた内村が何かを伝えながらボールを司に渡す。

 司は何事も無かったかのようにセンターサークルから再開を行う。


(すげぇな。あの闇落ちした内村相手に平常心とか、すげぇメンタルだわ)

 

 見れば森山なんか、可哀そうなくらいにビビってるし…。

 ボール持ってきた後輩に、普通にお辞儀とかするのホント止めて欲しいとは思うが、今日の内村なら仕方がないのかもしれない…。


 まぁ、客観的な見方ではあるが、試合展開の方の心配はほとんどしていない。

 正確には、する必要が無いと言った方が良いのかもしれない。


 少しポジションを前目に取るために、エリアの外に出ようとした所で足を止めて振り返る。


 次の瞬間、


 『ピイィィィィィィ!!』

 

 大きなホイッスルが鳴り、主審がセンターサークルを支持する。


 あっという間の同点劇。


 簡単な事なんだよ。フィニッシュワークの最後を司がやればいいんだから。

 今までは、最後の2つか3つを司を経由しないでも出来るように、ってバイタルから司が斜めにやっていた。

 それを縦に入るようにするだけ。


 こう言ってはなんだが、三連覇を目指す強豪で、しかも控え組多いとはいえ代表揃えたDF陣をたった一人で毎日の様にズタボロにしてきた奴だぞ? 

 いくらシミュレートしてきたって本物を目の前にして、本気出した司の相手出来るヤツなんかいるわけないじゃないか…。


 いたとしたら、とっくに代表で沖野とスタメン争ってるっていうか、奪うだろ、それは。


 そしてあっという間の同点劇に呆然とする富良都に、わざわざボールを手渡ししながら帰ってくる内村。

 

 慣らしを終えた『T-BOX』の本格的なお披露目が、今まさに始まろうとしていた。




★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 ~仙台育亮ベンチ~



「切れ!切れ!ゲームをするな!!」


 仙台育亮の監督三上が、今日何度目かの怒号を上げる。 

 あまりに早く変わりすぎる状況に、なんら具体策を出せず、ただ敵の流れを切らせるような指示しか出せていない。


 予想外の相手のフォーメーションから始まり、後手を踏んだが何とか凌いで、少ないチャンスから先制点を取るまでは良かった。


 ただ、そのあとすぐに同点にされ、5分もしないうちに逆転を許す羽目に陥ったのだ。


 前半も残り数分となった今、最小の点差で後半を迎えられるようにすることだけが、彼に出来る唯一のプランでしかなかった。




★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



 ~鹿島南側・ベンチ~


「前半、残り5分切りました。ロスタイムはあっても3分ぐらいだと思います」


 ストップウォッチを見ながら、望月が監督である川上に声をかける。


「どうしますか? もう、今なら変更行けると思いますが…」


「後半だな。ここでチャレンジする必要はないな。リードして折り返す、それでいい」


 三点目を狙うかどうかの確認にセーフティが選ばれた事に、少しだけ望月は表情に出さずにイラっとする。


(圧倒的に勝つ、とか言ってた割に、この状況でも追加点狙わないとか…。完全に向こう前半は攻撃捨ててるのに…)


 最後に勝つことが最優先の指揮者には、前半で勝負を決めさせたい望月の願いは届かなかった。





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― 新着の感想 ―
[一言] 全然本人も周囲も触れてないけど、先制点でゴラッソ決められたのに、平然としている楠くんのメンタルも振り切れてますよねえ。
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