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おい!今度の行き先はサッカー漫画だってよ!?  作者: 赤星べお(※完全なPNにしました)
最終章 Just like a wavin’flag
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69話 足跡の名前は希望

「学ばない者は人のせいにする。自分に何が足りないかを考えないから。学びつつある人は自分のせいにする。自分に何が足りないかを知っているから。学ぶことを知っている人は誰のせいにもしない。常に学び続ける人でありたい」 日本サッカーのキング


「ではオフェンス陣はこちらのレポートを。ディフェンス組はそっちのレポートを持って紺野先輩の方へと行ってください」


 芝浦の声が響き、部員たちはぞろぞろと談話室ミーティングルームの中で移動を始める。


 初戦の相手である『明応義塾』の調査と分析と書いてある。


「まとめて持ってきますね」


 内村が気を利かせてくれ、俺たちディフェンス組も部屋の後ろ側へと向かう。


 そこではビデオのセットもしてあり、紺野が準備万端の表情で待ち構えていた。




「さて、まずは最初のページを開いて下さい」


 何度もリハを繰り返したであろう紺野が明応義塾に対するレポートを読み上げていく。


 県予選の主な得点パターンは左サイドからの崩しが多いとか、次点はセットプレイだとか。

 その際の注意点を付け加えるのも忘れない。


 それが終わると相手の要注意プレイヤーにトピックが移る。


 左サイドの『サンドロ・ティシェイラ』のドリブル突破をどう押さえるかがDF陣(うちら)のテーマになっているらしい。右で相対する和泉なんかは目茶苦茶真剣な顔で話を聞いている。


 ……真面目な顔の紺野もいいもんだなぁと少し見とれてみる。


 ちらっとオフェンスのほうを眺めれば望月が熱く語っているのが見える。


「まず明応義塾の最終ラインは基本的にはフォーバックなんだけど……」


 ホワイトボードにマグネットを一杯くっつけては相手側の守備陣形の説明をしている。マグネットを線で繋ぎ、L字のバランスがどうとかの声が運ばれてくる。

 う~ん。向こうも向こうで大変そうだ。


「コラ、カナカナ!! よそ見しない」


 目ざとい紺野に見つかり注意されてしまった所で視線をビデオに戻す。


「直接対峙することはないかもしんないけど、クロスの種類や球筋は覚えておいたほうがいいと思うわよ?」


「お、おう」


「なぁ? ちょっといいか紺野。『クロスの種類』のあとから聞こえなかった。もう一回言って貰っていいか?」


 俺たちの会話に西が割り込む。


「ん? 球筋を覚えておくように、って言ったのよ」


「もっと舌ったらずで言ってもらえると。」


「モッチー助けて!! 変態がいる!!」


 紺野の嘆きに望月が反応する。


「あぁん? 西と楠? 終わったら待ってなさい」


「!? 俺も? おい紺野! 変態は西だけってちゃんと訂正しろよ!」


「うるせーぞお前ら!!」


 俺の必死の釈明は川上監督の一喝によって届くことはなかった……。





 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★





「まぁ、正直アレ見なくても何とかなると思うぜ」


「ほう……。言うわね西の分際で」


 すました顔の西に腕を組んだ望月が凄む。


「だって望月おまえも知ってるだろ? リカサンとかアンナシに比べたらよ?」


 リカサンとはリカルド・サンターナのことだ。アンナシとはアンチネス・ナシメントで二人ともジュニアユースで戦ったブラジル代表の不動のエースたちだ。


 最初はリカサンとアンナで呼んでいたが、近所の女の子みたいに感じられてきたので『アンナシ』に変更された思い出がある。


「比べる前提が間違っているわ。それに流石に十五歳の選手と比べるのは無理もあるわね。技術よりもフィジカル的なモノも含めて」


「そうだな。あの二人は並の十八歳なんかよりも化け物だったよな」


 望月の抱いているベクトルと西が二人にした評価の方向性が真逆になっている。


 例のその二人だが国内組といった形だがすでにA代表も飾っているエリート中のエリートでもある。

 

 俺はベンチから見てただけだが、それでもとんでもない化け物だった位は理解している。


 チーム一俊足の速水はアンナシには簡単にぶっちぎられた。

 沖野はリカサンに散々チンチンにされたし、西に至っては何回尻を着いたか分からないぐらいだ。

 

「サンドロって言ったか? リカサンやアンナシ程じゃないのもそうだが、ドリブル単品でもレーニャやトリーニョとか……、他のメンバーにも届いてないと思うぜ?」


 ついでに残っていた八神も相槌を打つ。


「うん。あれは今思い出しても獲れる気しないかも……」


 ジト目で見ている望月に西が豪快に笑う。


「まぁ心配するなって。こちとら一応世界取ってんだし。相手も代表なら話は別だが、そうじゃない奴らには絶対負けられないんだから。相手が何人なにじんだろうと止める。それが代表になった時から俺の矜持なんだしよ」


「ずいぶん難しい言葉知ってるのね」


「驚くのそこかよ? どんだけ俺のこと低く見てたんだ!?」


 少しだけ望月に同調してしまったのは内緒にしておくとしよう。


 とはいえ、西にこんな『意識高い』部分があったのは知らなかった。


 代表で世界を取った。もちろんレギュラーとして出ていた部分も大きくあるのだろう。


「ブラジル代表に勝っといて、ブラジルからの留学生に負けてたら話になんねぇだろ?」


「勝ったのは司のおかげだけどな」

「勝てたのは司君のおかげでしょ」


 ……また、嫌なとこで望月とハモッてしまった。


 困る俺を一度チラ見して軽く舌打ちする望月。


 そこまで嫌か……?


「で、そっちの話は分かったわ。あとは結果で判断させてもらうわ」


 望月のその言葉に西は大きく背伸びをする。

 つか、なんで俺まで残されているのが未だに不明なんだが。


「わかってくれたか! よし、じゃ楠行こうぜ」


 立ち上がろうとする西を望月が手で制する。


「まだ何かあんのかよ?」


 不満そうに口を尖らせる西に望月の目はさっきよりも温度を下げていく。


「それと女子マネージャーに対するセクハラは全くの別件ね。まずは土下座で言い訳するか国家機関を呼ばれるか選択しなさい」


「「ひぃ……」」

 

……


………


…………



「いやいや。カナカナは真面目にビデオを見てなかっただけで、変なことは言ってないよ?」


 ありがとう紺野。


 その一言を待っていた。


 本当に、本当に待っていたんだよ。俺を救ってくれるのは紺野だけだって……。


 誤解が解けたら、すぐに八神を連れて談話室を出る。


「でも、西が……「あきらめなさい!!」


 八神の言葉を途中で切って外に連れ出す。


「あ、おい? 待てって……」


「紺野さん? 警察に電話して」


 出がけに不穏な言葉が耳に入るが足を止める余裕はない。


「すいませんでしたぁぁぁぁぁぁ!!」


 閉めたドアの向こうからの大絶叫。


 ……結局、西が戻ってきたのは数時間経ってのことだった。




 某スポーツ雑誌で歴代外国人選手のランキングが特集されていました。一位は勿論、というか案の定でしたね。


 僕個人にしても、何の疑問を抱かない偉大な選手だったと思います。本当に日本に来てくれた事を今でも感謝しています。彼のTシャツもスポーツショップ〇茂で何枚も大人買いしましたw。


 90年代のワールドサッカー。古臭い感じもするようになってしまいました。

 それでもバッジオやミランの4バック、バティとルイコスタ、オランダトライアングルに落日のマラドーナ、ピクシーやジェニオなどユーゴ最後の代表、ガスコインにマッカ、若手のベッカムやオーウェンなど……、未だに僕の中では色褪せずに残っています。


 今と昔を単純に比較することはできないと思いますが、今では簡単に当時の映像を見ることが出来ると思います。時々、遡っても面白いと思います。


 みんなでお勧めの試合を紹介しあうとかもきっと楽しいでしょうね。

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