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おい!今度の行き先はサッカー漫画だってよ!?  作者: 赤星べお(※完全なPNにしました)
2章 スーペルゴレアドール!
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63話 電影中年(ビデオオヤジ) 

キーパーというのはベテランになって完成すると言う人がいる。でも、僕は今、この瞬間に上手くなりたい。今の積み重ねが未来に積み重なると思っているから。 by名古屋のレジェンド

※前書きが被ってしまっていたので変更しました。

 

 疲れた体を引きずるようにクラブハウスの中を歩いていく。

 勿論、古沢さんの後にぴったりと付いていくのは当然のことだ。。


 トントン。


 ノックの後にドアを開ければ待っているのはバウジール。


「オオゥ! ヤットキタヨー!!」


 顔をくしゃっと緩ませる笑顔が可愛い。おっさんだけどな。


 すぐに席へと案内され、ビデオの上映が始まる。


 先ほどのガリーニョとリオによるFKの特訓シーンから個別練習のシーンまで編集してあるらしい。


 バウジールはちょこちょこと映像を止めては沢山の指摘を挙げてきた。


 細かい説明はやはりポルトガル語になってしまうらしい。

 その為、古沢さんが同時通訳をしてくれるといった贅沢な個別授業の始まりだ。


「待ちのスタイルが決まってない。『色々とやってみな』と言ったのはどういうスタイルが自分に合うかを考えて欲しかったってさ」

「待ちのスタイル?」

「そう。ファー側でどっしり待つのか。真ん中辺りをうろうろして、キッカーにプレッシャーかける奴もいるよね。壁の上側だけに絞ってる奴もいるだろ? 状況によるからどれが正解とは言えないけど、ある程度スタイルを決めておいた方が、その場その場で迷わずに集中しやすい利点もあるんだ」


 古沢さんが静かに説明してくれるその脇で感情豊かにオーバーリアクションで何事か喚いているバウジール。


 そうかと思うと、反復横跳びみたいな動きを始め出す。口ひげのせいか凄くシュールな光景だ。


「ステップが拙いって。横への動きで重心がブレている。それではコーナーへの強いボールにも弱いからプロでは厳しいって言ってる」


 くそ。どっから見ても髭ダンスのくせに……。


 ――ガチャ。


 その時、ノックも無くドアが開けられ視線が集中する。


 開けて入ってきたのはガリーニョ。

 ガリーニョはそのまま古沢さんのもとに行き声をかける。


 古沢さんは二、三回頷くと、俺の方を向いて身を正す。


「これからガリーニョの通訳をするから。今は『私の言いたいことと伝えたいことを正確に伝わるようにお願いしたい』と改まって頼まれた』


 急に古沢さんの顔が真面目になる。


 うーん。やっぱりガリーニョに頼まれるって事は特別なことなんだろうな。


 ガリーニョが俺の方を向いて話し始める。


 ――今度は同時通訳じゃない。


 古沢さんは受取った言葉を一度、しっかりと噛みしめてから途中何回かガリーニョに確認して言葉を紡ぎ出す。


「まず――。楠君、君についてだが……、僕は君の事を限りなく下手なGKだと思っている」


 おっつ!? 


 あれ……、なんか聞いてた話と言ってる事違うよーな?

 呼んでおいて問答無用でいきなりディスってくるのは流石に想定外だ。


「……それなのに、今の君は世代でもトップの集団にいる。君より技術のある……、違うな。完成度が高い選手って感じかな。そういう選手は君より多いはずなのに、君はそれよりもっとピンチを救う能力が高い様に感じる」


 古沢さんも一生懸命言葉を選んでいる。どうもニュアンスの難しい言葉が多いようだ。


「それは完成されてない君が、同年代の小さく完成されたゴレイロよりも優れているのだと私は思っている。小さくまとまらないで欲しい。ゴレイロはフィールドよりも寿命が長い。つまり成長する時間はいっぱいある」


 そこでガリーニョは笑顔を見せ古沢さんの肩に手を置く。


「ブラジルで磨かれた古沢と同じ君もまた原石だ。ここでなら『この古沢の様に』偉大なゴレイロに君ならなれると私が保証しよう」


 うわぁ……。何て言う殺し文句。

 あのガリーニョの保証付きの口説き文句頂いちゃったよ……。


 そして、このセリフを古沢さんに言わせてるところが何とも憎い所だ。

 古沢さんも自分で言ったことに若干照れているし、ガリーニョもしてやったりな顔を浮かべている。


「その為には、……もう分かるね。最もクオリティの高いクラブで自分に合ったトレーニングを受ける必要がある。君がもう一つ検討しているクラブ……、あそこの監督はセレソンのゴールを守ったこともある偉大なゴレイロだが指導者であって教育者ではない」


 ガリーニョは再び真面目な顔に戻り話し続ける。


 勿論、俺はその言葉を大事に受け止めながらガリーニョの顔から目を離さない。


「最後に決めるのは君自身だが、君のこれからになるのはここにいるバウジールの方だと私は思う。コレは勝手な思い込みかもしれないがルオンでは君の事を正しく理解出来ないと思う」


 少しガリーニョと古沢さんが二人で話し込む。


「……ええと、つまりルオン監督は出来上がってるモノには素晴らしいが、これからのキーパーには難しいって言いたいみたい。うちのバウジールは苦労型だから君とのフィーリングは問題ないはずだ……的な事を言っている」


 つーと、あれか?

 安曇や松永みたいレベルであればいいが、俺には基礎がまだ足りないから駄目っていうことか……。


『君のミラクルボックスをここで見られる事を期待している』


 最後に握手をしながら、ガリーニョは確かに()()()でそう言って去って行った。


 そして、この少し後に嶺葉も合流して――



 ……滅茶苦茶ビデオを見てダメ出しをされた――。



※雑記……当時のJリーグ開幕前からを時系列で思い出していると色々な思い出があります。ロイッシュの広告はディドでした。そしてPUMAは「カズ」ではなくて(当時)清水にいたミランジーニャだったかと思います。 

 イニエスタで海外のビッグネームの話題が取りざたされていますが、天使の点取り屋と言われたバウタザールやあのデ・レオンが現札幌にいたりと牧歌的な日本サッカーにもビッグネームは多数いました。日産のレナトも有名でしたね。確かガンバにも南米代表クラスのDFが二人位来てたような記憶があります。多分調べればすぐ名前もわかるんでしょうが、分かったところで知らない選手だろうけど……。

 始めて買ったサッカーダイジェストの日本代表の記事で2トップは永島昭浩さんと沢入重雄さんで誰?ってなったのを覚えています。

各クラブの90年辺りからの所属選手と成績なんかの本とか欲しいですね。あの頃若かったフリューゲルスのロドリゴもきっとおっさんです。レオナルドのリフティングシュートで少し移ってた彼は今どんな感じなんでしょうね。出来れば大人になった後、もう一度日本で見たかったと思います。


 J元年からもしも『外国人枠5人』だったら、を各チームで考えるのが最近の楽しみです。


 少しでも楽しかったり、また読んでもいいなと思って貰えたら幸いです。ではノシ

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