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おい!今度の行き先はサッカー漫画だってよ!?  作者: 赤星べお(※完全なPNにしました)
2章 スーペルゴレアドール!
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62話 芝生に寝転ぶ彼 まるで別人なの ~半死半生~

ブラジルではサッカーをミラクルボックスと言うんだ。

                   by ガリーニョのモデル

 

 な、なんでここに御大将が!?


 そんな当たり前の疑問も続いてやって来る顔ぶれが押し流していく。


 ――リ、リオナードまで!? 

 さっき、帰ったはずじゃ……?

 

 あとは嶺葉と古沢さんにバウジールGKコーチ。

 ついでにレジスとシャルロスというブラジル人選手もいるのだが、この辺の存在感は申し訳ないがあまりにあんまりなのでこれ以上は俺の口からは……。

 あと、遠くからはガラガラと何やら看板みたいなのを押してくる人も見える。


「言っただろ? 素敵なサプライズがあるって」

「い、いやいや? こんな大物、急に出されても……」

「対 富良都ふらと 奏良そら専用秘密特訓だね。君に恩を売りたいとガリーリョに相談したら快く引き受けてくれたよ」


 一点の曇りの無い笑顔で嶺葉が答える。

 

 なんだろう……。


 勿論気持ちは有り難いし、こんなビッグネームの協力をセッティングしてくれたのは本当に嬉しい。

 

 でも、流石にガリーニョとリオナードのダブルはなくないか!?

 新旧セレソンの10番だぞ。しかもうまい具合に右と左に分かれている。


『原付バイク欲しいなぁ』って言ってるやつにMoto GPエントリーさせられた位の暴挙だよ、これ?


「サテハジメヨーカ!」


 FKの壁をなぞらえたダミーの鉄板がセットされ、ガリーニョが笑顔を見せた。



 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★



「あ、ありえねぇー」

「『さぁ、どんどん行くぞ』って言ってる。あと『ボールだけじゃなくてキッカーの助走やモーションも周辺視野で拾え』って」


 ゴール脇で古沢さんがガリーニョやリオナードの通訳をしてくれている。

 

 二人が構えた状態でどっちが蹴ってくるか分からない上に、精度も威力も正直お手上げのクオリティだ。

 パサァパサァと何度もネットを揺らされる。

 

 リオナードはサイドネットマニアだが、ガリーニョに至ってはポストの内側に当てて決めてくるので一層始末が悪い。


 少なくとも30分以上は連続で嬲られた頃、バウジールが一度休憩を入れた。


「クスノォキー。ケッテカラダメ!ケルマエウゴク。デキレバケラセルヨーニユードーOK?」

「ケラセル? ユードー? パードゥン?」

「要するに自分のポジショニングや駆け引きで相手にコースを決めさせちゃえって事だよ」

「イエス! フルサワイエス!!」


 冷静な通訳と暑苦しいGKコーチの温度差が酷い。


「いや、でも……。あの二人に通用するとは思えないんですが」

「あぁ。それは当然だね。でも良い駆け引きが出来ればセオリー通りにやってくれるはずだよ。あの二人はそれだけの技量を持ってるからね」


 座って対策会議をしている向こうでは、笑いながらボールを蹴っているブラジル人達。


 ガリーニョがエリアの外辺りから蹴る。カーンって乾いた音を立ててリオナードに返ってくる。

 同じようにリオナードもやはりポストにカーンって当ててガリーニョに戻す。

 

『もはや人間業じゃないだろ?』というツッコミを押さえて、残りの二人を見る。


 レジスとシャルロスも同じ事をしたかったのだろう。が、レジスのキックは勢いよくゴールへと吸い込まれていった。


「ゴルゴルゴルゴルゴルゴルゴルゴォォォォォォル!!」


 それを見てシャルロスがレジスを指さしながら騒ぎ出す。

 うるせぇな。何回言うんだよ! 一個しか入ってないだろうが。


 しかも、からかわれて怒ると思われたレジスが声に合わせて踊り出す。


「ゴルゴルゴルゴルゴルゴルゴルゴォォォォォォル!!」


 シャルロスもご機嫌だ。


 そして何故かガリーニョとリオナードも踊り出した。


 多分だが、きっとサンバが恋しいんだろう。



 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★



 キックの前にフェイントを掛けたり、わざと片方のコースを少し多めに開けてみたりと猪口才な手は幾つか試してみたのだが……。


 結果、ガリーニョやリオは引っかかる事はなかった。おそらくは『そんなの駆け引きには入らないよ?』といった辺りだろうか。


 途中から疲れたガリーニョに変わって入ったレジスは良い感じで通用した……、と思う。

 シャルロスは一本入る毎に叫んだり踊ったりしてガリーニョに怒られていた。


 時間はかれこれ二時間位は経っただろうか?


 不意に本間さんの言葉が思い出される。


『疲れたら疲れたって言えよ? 無理なら無理ってハッキリと言えよ!』


 ……なるほどね。そういう事か。


 おそらく本間さんも地獄のシュート練習を数時間に渡ってやらされたのだろう。

 だが、こちらとしては世界レベルのキックを無制限に味わえるまたとないチャンスだ。


 逃すつもりは毛頭無い!



 …


 ……


 ………



「ぐへぇ。もうムリっす。」


 更に追加で嶺葉も混じった。シュートの雨あられ状態が1時間以上続き、流石にもう全身に強烈な重みがやってきている。


「いや、よく頑張ったと思うよ」

 

 古沢さんも苦笑いだ。


「じゃあ戻っておさらいと行こうか? バウジールも待っている」


 ……まだ続くのか。


 疲れた体を引き摺り、バウジールの待つコミュニティルームへと向かう。


『ガリーニョも後から少しだけ顔出すって。あと芝浦先生にも声かけてくるね』

 

 途中、嶺葉が嬉しそうに伝えてきては、またすぐに走り去る。


 それを優しい目で見送った後、俺たちは先にバウジールの待つ部屋へと足を運んだ。

 

*アーリンドとサンチスさんは先に帰った模様です。バウジールのモデルは82ブラジル代表のGKバウディール・ペレスです。原作楠のような扱いの可哀そうな評価をブラジルでは頂いております(´;ω;`)

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