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おい!今度の行き先はサッカー漫画だってよ!?  作者: 赤星べお(※完全なPNにしました)
2章 スーペルゴレアドール!
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58話 初めてのゾーンを覗いて

 どーして日本人は『精神論』という言葉に否定的なニュアンスを感じるの? 過剰ともいえる反応を示す意味が分からない。負けてもいいなんて言うんだったらサッカーなんてやらなきゃいいんダヨ! 

 カリオカさん


 試合は鹿島南が一点をリードした展開に変わり、後半の後半へと移っていく。


 残り時間とリードした現状から、川上監督が「四枚に戻せ! 和泉下がれ!」といつもの形へと指示が出され、試合をクローズさせる方針へと切り替わる。


 とにかく……、この作品において試合終了間際というのは鬼門なのだ。


 審判の気分次第……、というよりも作品のプロット次第でホイッスル間際のゴールは決めるか決めないかが振り分けられてしまう。


 主人公側にいればこその恩恵といえるシステムは確かに昔は作動していた。

 上手い具合に相手のゴールだけノーゴールにしてくれる夢のような判決は、何度も楠を戦犯から免れさせてくれたのだ。


 オリジナル楠の頼れる仲間だったゴールポスト君とタイムアップさん。だが、その頼もしい相棒の片割れは時代の流れによって取り上げられてしまう事になる。


 残念ながら今の俺に、ラストワンプレーという悪魔によって引き裂かれてしまう運命を変える手段など持ち合わせていない。


 パワープレーに来た相手を上手に受け流しながら、適度にカウンターをしかけタイムアップまで凌ぎきる――、


 これが今日最後のテーマでもあり、ミッションへと変貌する。


 統一されたミッションのもと、嶺葉にボールが回ると司が着く。

 嶺葉は引き付けて他の選手を使い、前に運ばせるといった具合にお互いの思惑のままに最後の時間を過ごしていく。

 詰め将棋の様な駆け引きの中で、読みを誤った方が力づくの結果を甘んじて受け入れなければならない。


 向こうのセンターバック堀川もトップのポジションへと上がってくる。両軍入り乱れての肉弾戦の舞台も整った。


 こちらとしては不破がいないのが何とも心細い。エリア内でのナイスバルクこそ、アイツの一番の見せ場だというのに。

 競り合いにおいて肩メロン不破がいないのは、高さ、強さ、マッチョさにおいて大きな痛手だ。


 どこからか聞こえる「僧帽筋が叫んでる〰️」や「グレートケツプリ!」や、ヘディングに合わせ「はい、ズドーン!」という謎の掛け声を送る12人目のサポーター達も寂しがるに違いない。


 ……個人的にはいない方がいいけど。


 ☆★☆★☆★☆★☆★


 嶺葉のヒールを受けた石川が左サイド深くにボールを配給する。オーバーラップしたサイドバックが早めに上げようとして、越野の対応を受ける。


 無理に上げたクロスは越野の身体に当たって、トップスピンを生みながらペナルティアークの方へと向かっていく。


 猛ダッシュの嶺葉を脇から司、前方からは西で囲みに行く。


 また、その回転かよ……という泣き言を言ってる場合ではない。だって、そういうモンなのだから。


「イジリー、クリア!!」

「おう!」


 正直、俺のシャウトに抜群の返事を返す西に期待はしてない。だって、西だもん。


 前を西が防いだ事で、司はシニョーリのマークへと対応を変える。

「やっぱり最後はコイツだ」という暗黙の了解を感じ取ったんだろう。


 無理くり足を出して外へと掻き出そうとする西。

 だが、それより一瞬だけ早く嶺葉の爪先がボールに触る。しかもご丁寧に回転を強くするような引っ掛け方で。


 ロブ状に再度上げられたボールの着地点には、案の定シニョーリが走り込んでくる。ダイレクトで右足で打つための歩幅の調整をしながら。


 合わせようとするシニョーリに向かってくる司のブロックが間に合うか……、と思いながら、膝下に力を入れた瞬間にシニョーリは打たないという選択を取った。


 完全に虚を付かれ、お約束の『なにぃ!?』と叫ぶ西と体を投げ出してしまった司。そんな二人を尻目に、左側にボールが入ってくるのを待ってから――、の……。



 ☆★☆★☆★☆★☆★


 

 ――不思議な感覚だった。


 シュートフェイントで司が振られた瞬間から、どうしてかゴール前の喧噪が遙か遠い所の様な気がする。


 西の『なにぃ』以降、シュートモーションに入ったシニョーリにフォーカスされた視点は、いつもより鮮明に、そして少しだけゆっくりに見える。なので、さっき西が『なにぃ』って言ってたけど、お前嶺葉に行ってたんだから関係無いじゃんと心の中でツッコミを入れて置くことにする。


 そして何となくだが、この先の展開を理屈では無く、本能が知っているかのように体が勝手に動き出す。


 ――右足で一歩前に。


 プレッシャーを与え、コースを狭めるため。


 シニョーリの左足が振り抜かれようとしている。角度を開いた足の振りはゴール左隅に真っ直ぐ貫かれている。


 左足を前へ――


 少しでも前で勝負すること。少しでもゴールの確率を下げさせること。


 そこへ無意識な静寂をぶち壊す全力のStromシュトローム Blitzブリッツの炸裂音。


 ボールが足から離れようとする間際、シニョーリの左足の角度が変化する。


(……知ってる)


 頭の中で勝手に浮かび上がる言葉。小出しにしてきた技は最後の段階で合体させてやってくるんだろう?


(だから二歩目はこっちも左足なんだよ)


 シニョーリの左足から右側に飛ばされるボールに合わせ、二歩目の左足をそのままバネとして右に跳ぶ。


 冬の乾いた空気を切り裂きながら飛翔してくるボール。角度を変えた分だけ威力は若干控えめだ。


 それでも……、


 右にタイブしながら左のオーバーハンドで殴りつける様に右へ掌底で打ち付ける。


 手首にやって来る衝撃の中、高く打ち上がったボールを視界に捉えることが出来た。


 残念ながら外へ出せはしなかったが、僅かな安堵感を胸にして受け身の態勢へと移る。

 左肩を丸めるように落ちて、クルッ、クルッ……、加速が尽きすぎたらしく三度目の回転を余儀なくされる。途中でボールを蹴った音が聞こえた。


 慌てて起き上がって、視線をゴール前に戻す。


 ……そこには、パサァという音と共に、たった今鹿島南のゴールへと収まったボールと仰向けでガッツポーズをしている嶺場の姿があった。

 

「な? ……なんだと?」


 そのまま何が起きたかを理解するまもなく最後の笛が鳴り響き、俺たちと嶺葉の高校最後の共演は幕を閉じた――。

 




「名古屋のランゲラック、マジ!神!」とダゾーン見ながら叫んでは嫁に怒られ、「磐田のカミンスキー、神ってる!」と興奮して怒られたりの毎日です。


 イニエスタやトーレスなどJリーグに久々の超ビッグネームが参戦して一段と楽しくなってきましたね。個人的には外人キーパーの試合を優先して楽しむというスタンスなので、オチョアとか来て欲しいなぁ、と思ってます。あと、おっさんなのでトーレスって聞くと、名古屋のDFの方を思い出してしまいます。


 オチョアと言えば、かなり昔に代表でアギーレに謎の干され方をして、メキシコでも議論になってたけどなんだったんだろう。そしてアギーレとは何者だったんだろう(日本的にも)。

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