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心の鍵

 サブタイトルが、内容と違うような気がしなくも無い。そして、話が進まない。

 目が覚めると夜になっていた。頭に柔らかい感触がある。上を見るとスルトの顔があった。なんか、生前よりも役得な目に会ってるような気がする。

 ボクが起きたことに気が付いたのか、笑みを浮かべ頭を撫でる。ん?なんで?ボク、雛乃以外にも子供扱いされるのはなんでかねぇ。身長か?155cmしかない身長が悪いのか!?それとも中性的な顔が悪いのか?


『お目覚めですか主様』

「ん。…ん?あれ、誰?」


 少し体を起こし足下にいる五つの影に目を向ける。人の形をした影はボクに跪いている。五つの影という時点で誰が跪いているのかは分かっているのだが、気絶する前に見た姿とあまりにも違いすぎるため一瞬誰だか分からなかった。


『あれは、主様に名を貰い進化したオーガとゴブリンキング達です』

「あぁ、やっぱりそうなんだね」


 オーガ達はもとの大きさの二分の一程度の大きさに小さく、より人に近付いた形になっていた。オーガ達は白っぽい色の肌に名を付ける前よりも小さくなった角。体格は小さくなったというのに、一層怖くなったと言った方がいいかも知れない。ほんと、ボクよりも絶対に此奴らの方が強いよね。これが進化って奴なんだろうね。

 あ、ちなみにゴブリンキングの方は進化前よりも筋肉質になっていたよ。肌の色は僅かに緑色だったけど、筋骨隆々で正直気持ち悪かったよね。


「なんか、本当にボク、ただ足を引っ張りそうだよね。この異様なメンバーだとさ。今思ったけど、このメンバーで人間、ボク一人じゃん」

『主様が足を引っ張るなんてあり得ませんよ。主様は強いですからね!』

『あるじが弱いわけ無いよ~』


 二人の声に頷く五人。…ボクにはその期待は重すぎるよ。ボクは弱いんだ。諦めて逃げてしまうほどにはね。誰かに期待されるほどにボクは逃げてしまう。だからこそ、期待されないように逃げて逃げて逃げて駄目になる。駄目になったからこそ、期待されても上を行き続ける彼等を妬む。くだらねーって割り切っていければよかったのに。


「そっか、そう思ってくれてるなら嬉しいね。じゃあ、その期待に応えられるように頑張らないといけ無いよね」


 ボクは嘘を吐いた。嬉しいだなんて思ってない。ボクに期待なんてしないで欲しい。ボクなんて所詮その程度の人間で、誰かに期待されていいほど出来た人間なんかじゃ無い。その期待は別の誰かに向けて欲しいね。


「さて、結構いい感じの夜だけど、早速【リングル】に向かおうか。全然近付いていないだろうしね。…うん、まだ10kmしか歩いてないよ。あの化け物といい、ゴブリン駆逐といい、凄く道草食っていたからね。夜のうちに動き始めないと何日掛かるか分からないからね」

『仰せのままに』

『それじゃあ、早速行こうか~』


 人型からスライムの状態に戻った二人を頭の上にのせると、【全地図(マッピング)】を開き、現在地から目的地に向かうためのルートを確認する。…ふむふむ、現在の場所から東側に進めばいいのか。進化したオーガ達と歩くのはともかく、ゴリゴリの緑肌のゴブリンと歩くのはちょっと気が引けるって言うかなんて言うか。…要は、あいつ一人を見ただけでみんな逃げそうな気がする。


「さて、準備も出来たことだし早速行こうとするか。取りあえず、護身用にファイアーブレットとダークブレットを五つずつ展開しておくとしようかな。…二人とも、つまみ食いはしないでね」


 ボクの言葉にサッと目をそらす二人。ボクが作った魔力は基本的にこの二人の食料になってしまうことが多いため、事前にきちんと注意をしておかないといけない。ちょっと面倒くさい気がするから、一度言ったらもう言わなくて済むようになってほしいものだけどね。それおきちんと出来るようになるのは人間も難しい事を知っているから何度も注意するけどさ。

 五匹の僕を率いながら、町に向かって歩みを進める。誰も何も話すこと無く歩くだけなので、このちょっとした旅のような物の中に楽しさといった物は感じない。折角なので、この暇な時間でボクのステータスと、五匹のステータスを確認しておこうと思う。ボクのステータスはスマホに書かれてある物を、五匹のステータスは歩き出す前に写真を撮った物を。


☆ステータス☆

名前:工藤 和那

Lv.23

STR:0

DEX:320

DEF:1830

AGI:520

INT:970


パシップスキル:【空間倉庫Lv4】【痛覚耐性Lv8】【融合Lv2】

アクティブスキル:【火魔法Lv2】【闇魔法Lv2】【契約魔法Lv1】

固有スキル:???

契約スキル:【火焔Lv3(スルト)】【闇黒Lv3(メトゥス)】【破壊Lv2(ガイスト)】【氷結Lv3(リーベ)】【影渡Lv4(ナーダ)】【封印Lv5(ナイトメア)】【特化Lv5(ゼーレ)】

契約:スルト、メトゥス、ガイスト、リーベ、ナーダ、ナイトメア、ゼーレ

呪い:【永続的攻撃力0】

称号:【異世界人】【多重契約者】【呪い持ち】【ゴブリンキラー】


名前:ガイスト

Lv.1 (レベル初期化済み)

STR:2280

DEX:170

DEF:740

AGI:780

INT:300


パシップスキル:【空間倉庫Lv1】【痛覚耐性Lv1】【破壊Lv2】

アクティブスキル:【剣術Lv3】【火魔法Lv3】

固有スキル:???

契約:工藤和那(破壊の加護)

加護:【破壊の加護】

称号:【壊神の大鬼】【覚醒者】【超越者】【種族の壁を越えた者】


名前:リーベ

Lv.1 (レベル初期化済み)

STR:370

DEX:1890

DEF:10

AGI:850

INT:300


パシップスキル:【空間倉庫Lv1】【痛覚耐性Lv1】【氷結Lv3】

アクティブスキル:【水魔法Lv3】【補助魔法Lv3】【体術Lv3】

固有スキル:???

契約:工藤和那(氷結の加護)

加護:【氷結の加護】

称号:【水氷の大鬼】【覚醒者】【超越者】【種族の壁を越えた者】


名前:ナーダ

Lv.1 (レベル初期化済み)

STR:580

DEX:2860

DEF:100

AGI:3180

INT:570


パシップスキル:【空間倉庫Lv1】【痛覚耐性Lv1】【影渡Lv4】

アクティブスキル:【闇魔法Lv4】【暗殺術Lv3】

固有スキル:???

契約:工藤和那(影渡の加護)

加護:【影渡の加護】

称号:【影の大鬼】【覚醒者】【超越者】【種族の壁を越えた者】


名前:ナイトメア

Lv.1 (レベル初期化済み)

STR:200

DEX:3170

DEF:40

AGI:370

INT:4260


パシップスキル:【空間倉庫Lv1】【痛覚耐性Lv1】【封印Lv5】

アクティブスキル:【拘束魔法Lv3】【光魔法Lv3】

固有スキル:【先見の魔眼】

契約:工藤和那(封印の加護)

加護:【封印の加護】

称号:【封眼の大鬼】【覚醒者】【超越者】【種族の壁を越えた者】


名前:ゼーレ

Lv.1 (レベル初期化済み)

STR:6890

DEX:0

DEF:20

AGI:40

INT:20


パシップスキル:【空間倉庫Lv1】【痛覚耐性Lv1】【特化Lv5】

アクティブスキル:【ゴリ押しLv5】

固有スキル:???

契約:工藤和那(特化の加護)

加護:【特化の加護】

称号:【変態】【覚醒者】【超越者】【種族の壁を越えた者】【イロモノ】


 ……なんだこれは。ステータスに新たな欄が増えていたり、みんなのステータスがキチッてたり、称号に変態が憑いている奴がいたり。いや、本当にみんなの能力値が高すぎないかな。ボクなんてDEFしか高くないじゃないか。Lv23の一般的なステータスを知っているわけじゃ無いからよくわからないけど、Lv1の時には5存在したSTRが0になっている。呪いと書かれているし。…なんで呪いなんて物を受けているんだろうね。称号にある多重契約者って言うのが問題なのかも知れない。


『ダンナ、早く行かないのか?』

「ん?あぁ、行くよ」


 ボクが先頭を歩いていたはずが、気が付けばボクは誰よりも後方を歩いていた。スマホを見ながら歩いていたからなのか、それともAGIが低いからなのか。後ろを振り返りボクを見る彼等のもとへ駆け足で近付く。

 小さな出来事は、ボクの中で大きく膨れ上がる。誰かに気付かれるのが怖い。人にどう思われているのか、知りたくない。期待なんてされたくない。誰にも見て欲しくない。…でも、誰かに置いて行かれたくない。

 無邪気に笑い、頭の上で跳ねる二人とはきっとボクの気持ちに気が付かない。彼女たちの前ではボクはへらへらと笑っていられるから。

 ボクの前を歩く五匹は気付かない。契約しているが、感情を繋いでいるわけでは無いから。故に、気付かれない。

 むしろ気付かれてはいけない。失望されるのは怖い。期待されるのも怖い。ボクの領域を侵されるのも怖い。心を知られるのも怖い。


「……十分な鍵は掛けた。これで大丈夫」

『どうしたんですか、主様?』

「何でも無いよ。さぁ、早く行こうか。もうすぐ夜が明けちゃうからね」

『ダンナ、いきなり走り出してどうしたんだ!?』

「何でも無いよ。さっさと行こうか。まだまだ遠いんだから」


 ガイストの背中を軽く叩くと地図を見ながら走り出した。

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