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冬の女王  作者: 楸 椿榎
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第七話

「お待ちしておりました、皆さん」

 皆を引き連れて秋の女王様の屋敷に行くと、玄関先には秋の女王様が待っていました。

「ささ、早くこちらに」

 皆を手招きする秋の女王様の横に、二人の女王様が並びます。

「服屋さんや人形屋さんの姿が見えないようだけど?」

「ことがことになったから、店の材料を片っ端から持ってきてもらうよう頼んだのよ」

「ことがこと?」

「それがね……」


 春の女王様は、秋の女王様にも人形のことを話しました。


「なるほど、そういうことでしたか……。最後だからでしょうかね」

「わからない。けれど、みんなそれを込みで承諾してくれたわ」

「ありがたいことです」

「まったくよ」

「っと、言ってるうちに着きました。特設の作業場です」

玄関からずっとまっすぐに伸びていた廊下の突き当たりにある両開き扉を、秋の女王様が開けると、

「おお、これは……」

 中の部屋には大きな机が少なくとも十五個。おおかたの裁縫器具はそのすべての机に配置されていました。

「さすがは女王様」

「子供の頃からの裁縫好きなこの性格と、親の道具保管技術に感謝です」

 夏の女王様が小突くと、秋の女王様は得意げに鼻をふふんと鳴らしました。

「さて、本題はここからだ」

「ええ、忙しくなりますよ」

「頑張りましょう、みんなで」

「おう」

「ええ、春の」

 三人で笑いあっていると、服屋さんたちが到着しました。

「ありったけの布と材料持ってきた! これで最高の人形を作ろう!」

 服屋さんの言葉に、その場の全員が頷きました。

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