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第3章その3

「子供なのに元気がないなぁ、腹が減って声が出ないのか。何にする?」

サントクがハジメ達に注文を尋ねた。

「うーんと、壺煮込みとお豆のスープ。それに丸パンをたっぷり」

「はいよっ!」

ハジメが注文を終えると、サントクは威勢の良い返事を残して、厨房へと引っ込んだ。

 ニトリに案内されて奥の方の丸いテーブルに着くと、トムはハジメに質問した。

「ハジメさん、僕の目がおかしいのかな。あの人達の胸が光っていたよ」

「ああ、それは・・・」

トムの問いかけにハジメが答えようとした時、注文した料理の皿をお盆に載せたニトリが、お客の間を器用にスイスイ通り抜けてやって来た。

「はいっ、お待ちどう!」

ニトリは手早く、テーブルの上に料理や取り皿を並べていく。ホカホカあがる湯気に、トムのお腹が大きな音をたてて鳴り響いた。ニトリは大笑いした。

「うちの店の壺煮込みは、丸一日かけて作る自信作さ。たーんと召し上がれ」


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