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第2章その1

 トムが出会った若者の名は、ハジメと言った。トネリ村では聞き慣れない響きの名前である。

 ハジメに促され、トムは彼と並んで森の道を歩き始めた。自分の置かれた状況に順応してきたトムは、子供らしい好奇心を発揮しだした。

「ハジメさんは、森の中で何をしていたの?」

「ああ、森の恵みを頂戴しにね」

ハジメは、自分の背負っていたカゴの中身をトムに見せた。中には色とりどりのキノコや木の実が八分目まで入っている。食べ物を前に、トムのおなかがグーッと鳴った。自分のへその辺りを押さえて、トムは耳まで真っ赤になった。

「丁度いい。ニトリさんの店に行って、食事にしよう」

ハジメが笑いながら言った。

 トムとハジメが村にたどり着いた頃には、日も大分落ちかけていた。

「ここが僕の村だよ。『感謝とおもいの村』というんだ」

そうハジメが教えてくれた。

「ふうん、面白い名前だね。長いし」

無遠慮に自分の感想を口にしながら、村の通りに目をやったトムは、行き交う村人達の姿に驚愕した。人間のそれではなかったのである。

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