表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/33

第5章その2

 朝食には、カリカリに焼いたトーストに、ハチミツとバターを塗ったもの。薄く切ったチーズ。そして熱い紅茶が準備されていた。いつもよりずっと質素な食卓であったが、今のトムにはものすごいご馳走に思えた。

 トムがもりもりと食べる様子を楽しそうに眺めながら、ハジメはこう切り出した。

「トム、君は元の世界に帰りたい?」

トムの動きが一瞬止まる。ゴクンと口の中の物を飲み込むと、大きくうなずいた。不安気にハジメの方に視線を送る。

「君が元の世界に戻るためには、自分自身で答えを見つけないといけない」

「どういうこと?」

「僕は、こちらの世界に迷い込んだ旅人を、何人も世話してきた。そして気が付いたんだ。二種類の人がいるってことに」

ハジメの話は難しかった。しかし、辛抱強くトムは聞いていた。そんなトムの様子を見て微笑むと、ハジメは説明を続けた。

「たまたま、この世界に迷い込んだ人と、この世界に共鳴して、招かれた人がいるんだ」

「招かれた?」

「そう。そして、君は招かれた人間だと思う。だから、招かれた理由わけが分かった時に、元の世界に帰るための道が現れる」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ