表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/33

第5章その1

 寝袋の中でトムが目覚めた頃には、日はすっかり昇り切っていた。目をこすりながら横のベッドを見ると、とっくにハジメは起き出していて、ベッドも整えられていた。

 隣りの部屋からカタコト音が聞こえてくる。トムが起きた気配を感じたのか、ドアが開き、ハジメが顔をひょいとのぞかせた。

「おはよう、よく眠れたかい?」

「うん、眠れた」

「じゃあ朝食にしよう。顔を洗って・・・あ、寝袋はたたんで、ベンチの中に片付けておいてよ」

そう言い残すと、ハジメは台所へと引っ込んだ。トムはしばらく寝袋の中でぼんやりとしていたが、もう一度ハジメに声をかけられると、慌てて起き出した。

 家では部屋の片付けなどしたことも無かったが、何とか寝袋をまとめると、ベンチの下にある収納箱に押し込もうとした。なかなか上手くいかない。トムが四苦八苦していると、またハジメが顔を見せた。

「あぁ、ダメダメ。まず表面を整えて、寝袋の端と端をきちんと合わせて、箱の大きさに畳まないと」

ハジメがお手本を示して、寝袋を小さなスペースにきれいに納めた。トムはただうなずくしかなかった。

「君には、たくさん教える事がありそうだ」

ハジメがにっこりと笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ