日記「納豆と慣性の法則と重力」
エッセイというか、しょうもない話だが自分としては面白い事があったので、小ネタの様な日記を書こうと思う。
お暇な方はお付き合い頂きたい。
俺は毎日夕食に納豆を食べる。
納豆や漬け物なんかの発酵食品には善玉菌が含まれているらしく、腹に良いらしいので。
さて。皆さんは「慣性の法則」をご存知だろうか。
自然界には様々な力のベクトルが存在する。有名なものは重力。これが無いと日常生活がとても不便だ。マグカップでミルクココアも作れないよ。カップはプカプカ浮くし、ココアも霧状に広がるし、ミルクはマンガ風に水の玉になって、つつけば張り付いたりてんでの方向に散らばるだろう。飲もうとすると大きなものは顔に張り付いて来るという。なにそれこわい。
まあ、ミルクココアだけの話では無いのだが。そう考えると地球の重力すごいな。
では、「慣性の法則」とは何か。
袖をちょっと折り返してみよう。折った部分がひとりでに元に戻らないのは摩擦がある為。布同士がこすれ合って止まっている為だ。ほっぺを摘まんでみよう。痛い。摘まめるのは摩擦がある為だ。つるつるでつまめない、という人は摩擦係数が低いね。氷の上でボールをつつけば、スーッと滑って行く。氷は摩擦係数が低い為だ。
「慣性の法則」は、今回の話では、このボールの状態と思って欲しい。加えられた力が維持される。摩擦や重力に邪魔されなければ持続し続ける、というようなものだと思って欲しい。
では納豆の話に戻る。そう、納豆の話だ。
俺は納豆をよくかき混ぜる。昔はかき混ぜるのが面倒で、しょうゆをかけたら箸に刺してかじる様な乱暴な食べ方をしていた時代がありました。でもかき混ぜて空気を含ませた方が善玉菌が活性化するとか友人Aが言うのでかき混ぜる様になった。
俺は指先が不器用で、ジャムなんかの瓶は開かないと最後には俺に回った来るが、どうも指先にはあまり力が入らないのか、持ち方が悪いのか、手でつかんだものを落とす事が多い。加えて、左手親指は去年ちょっと切って以来あまり力が入らない。力を入れると痛いだけで、神経は無事なんだが。
ここまで書けばもうおわかりだろう。
納豆のパックが脱走したのだ。
よく膝に全力ダイブされて泣く俺だが、今回のヤツは一味違った。
フィギュアスケート並みのキレのある一回転を見せ、スタンッとテーブルに見事な着地を決めてみせた。
俺の腹筋が崩壊の危機でした。
隣の席に母が居る為、行儀が悪いだの注意散漫だのと、この歳になって説教を食らい、笑うわけにいかず。
しかし殊勝そうにうつむいてもぷるぷる震える俺に、母は益々ヒートアップ。
しかし俺の頭の中では納豆の華麗なジャンプがエンドレスリピート。
く、苦しい! 腹筋痛い!
堪えきれず、ぷふ、と噴き出す俺。
しこたま叱られました。
大体、俺は納豆に水平の回転と垂直の回転を掛けるんだが、垂直の回転を掛ける時納豆は中空にいるわけで、パックは当然軽くなる。なので、ちょくちょく失敗する俺はここを警戒していた。だが、それが油断になったらしい。水平にぐるぐるかき混ぜていた時に手からスポッと抜け、納豆に与えられた回転の力はパックをくるんと回したのだ。慣性の法則と重力の素晴らしいコンボでした。
ビデオ回してたら某番組に投稿してたと思う。
以上、しょうもない話を長々と失礼しました。