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愛し方  作者: 越華
5/5

愛し方  第5話 (知らない恋)

前回までのあらすじ

親同士が仲が良く、お互いの家を行き来して育った二人。

優(吉野 優)23歳、時ちゃん(野田 秀時)26歳。

優、時ちゃんと呼び合い、秀時がゲイバーで働く時に、親の

反対を押して優は秀時の隣の部屋で暮らし始めた。

暮らしていく中に、自分で生活をしたくなり引っ越す。

その生活も慣れてきた時、バイト先の人からショキングな話を

聞いた、二人の場所であった秀時の部屋に、二人以外の人間を

秀時が入れたと言う事を聞き、秀時の部屋へ行く。



私が携帯を入れた時、時ちゃんは丁度マンションの傍に居て、

携帯を切ると走って帰ってきた。

走る音が部屋の中まで聞こえた。

鍵を開け苦しそうに息をする、時ちゃんスマイルの彼、

桜の花の上を歩きながら、彼の笑顔に近づいて、

「早かったけど、体の調子でも悪いの?」顔をほころばせて聞いた。

私の言葉にビックリして、ニャと笑うと呆れたと言う風に部屋に入り、

「あほ、今何時やおもてんの?」自分の時計を外しながら私に見せた。

時チャンの時計は午前2時で、私の3千円の時計は午後11時で止まっていた。

「あっ!電池が切れたんや。新しいの買わんとあかんわ」

時計をしている私の腕を持って、

「時計屋へ行って電池換えてもらったら、まだ使えるやん」

勿体無いと言いたげに言うと、私の腕を離した。

「お言葉ですが、この時計の電池を変えるお金で新しいのが買えるのよ。

使い捨てをご存知? 世間知らず・・・」反撃を期待したが、なかった。

顔を上げると子供を見るような目で私を見て笑っていた。

こういう時は嬉しくなるのだが、恥ずかしくて目を反らしてしまう。

「時チャン、桜かたずけるね」二人でソファに掛けながら言うと、

「お前に踏まれた桜は可愛そうやな、踏まれて蹴散らされてる」

確かに、あっち、こっちに飛んでいた。玄関近くのは、そのままだ。

「それにしても、部屋の中ええ雰囲気やね」琥珀色の灯りに桜の色。

「うん」彼は桜の上を優しく歩き、グラスに入ったビールをくれた、

私が、「ハイ!お疲れ様でした」と、グラスを合わせ一気に空けると、

「お腹空いてたのか?」と聞いてきた、お腹?「喉が乾いてたのか」やろ?

彼のグラスを見ると、ビールはイッパイあった。

「ビールは一気にグーと行かんと、それ飲まないの?」

彼のを飲み干した頃に、腹が立つことがあったのを思い出した。

部屋の雰囲気は最高に良く、感情のままに言葉を出したく無くて、

ゆっくり彼の肩に頭を倒し、小さい声で、

「昨日、吉田さんが泊まったて?」怒りを抑えて聞いてみた。

「うん、泊まったよ、酔っ払って住所も言えなかったし」

私の肩を抱きながら、何も気にしていない様子だ。

「ベッドで寝たんやね、二人。もう・・・私だけの場所はないんやね」

やっと気がついた様で、座り直し私のほうを見て、

「気が付かなかった、ごめん。」

「あのベッドに、二人で居るのが好きだった。」ゆっくり私は言った。

「シーツとか布団を変えるとかの問題じゃないよな?」

確認をする様に私に聞いて来た。

「この部屋は、私と時ちゃんの部屋で、この部屋で二人でいる時が

心の時間で外の時間は存在せえへん。部屋を出て外の世界に

一人でいる時はただの生活の時間。そう思ってたんやけど」

時ちゃんは、「分かってるつもりでいたけど、でもな」

そう言うと、ため息をついてソファの後ろにもたれた。

「時チャンのした事は正しい。でも私には辛いことや、この部屋にはもう

二人だけの時間は存在せえへん、三人の時間が出来て私の場所は無くなってしもうた」

前の私だたら、泣きながら言っていただろうが、今は泣かずに言っている。

「ごめん。どうしたらええ?この前みたいにお前と離れる事は出来へんで。あかんで」

両手を頭に乗せて強い目で私に言ってきた。

「私の居場所を作って」私自身解らない。

私の肩を倒して彼が膝枕を私にしてくれ、私の髪や肩を撫ぜながら無言が続いた。

「新しいマンションを見つけるわ、そこで一緒に住も」凄い答えが出た。

「そんな簡単なん」私は違うと思う。それにもう少し今の生活を続けたい。

「お前は今の生活をもう少し続けたいと思っているやろけど、俺は一緒に居たい」

でも、結婚は出来ないっていうんやろな。

「一生、話さんで済むんやったら、そうしたかったけど・・・優ともう一人の為に」

もう一人?この前言っていた告白の様な事かな、不安が広がり起きれなかった。

話を聞くと時ちゃんと離れてしまう事になる様な気がして。

「どうしても聞かなあかんこと?」

「怖いか?優やから、言わんとあかんねん。お前が俺の人生やから」

分からないが涙が出て止まらない。

膝が濡れて彼に分ってしまわないように袖で拭いた。

部屋の薄暗さが余計に話の深刻さを増すように思えた。

「どう話したらええのか、ずっと考えていたけど在った事を言うわな。

高三の時付き合ってた人がいた。優にも迷惑を掛けた吉川茜や、

髪の長い優しい子で、優にあんな事をする様な子とは本当は違うねんで、

ジョークが通じて、付き合ってくれて言われた時は、嬉しかった。

大学に入ってからも毎日のように会って。

深い付き合いをする様になって・・・・・

男女の仲になってから、どんどん俺にはまってくるのが分かってきだした。

少し怖いような気もしたけど・・・

独占欲のようなものが働いて気持ちよかったのも確かや・・・

彼女は俺の意見で動くようになって、自分で考えなくなった。

俺だけの為に生きているように・・・・・

彼女の人生に責任をもたなあかんなと思い出したころに、

ある光景を見てしまった。

本間に見てしまったと言う感じやった・・・」

私の心は嫉妬ではちきれそうで、時ちゃんの私の肩に置かれた手の感触

で何とか平静さを保っていた。

「制服姿の高校生の男女が楽しそうに、肩を並べて商店街を歩いてて

女の子のカバンを男の子が持って、女の子は買い物袋を抱き抱えてい

て。周りの人が見えへん様な感じで笑い会ってた。

ショックやった・・・

自分が汚く思えて横にいる彼女の手を取って逃げた。

次にその高校生の二人

を見たときには向かい合って喫茶店にいた。

学生服は着てへんかったけど、すぐに二人やと通りの向こう側にいても

分かった・・・

男の子が女の子の髪に触るのを見た時は自分のした事を後悔して、

自分自身に腹が立って、部屋の物をメチャクチャにした。

親はビックリして何が有ったのか聞くし、言えないし、苦しかった。

そんな俺の様子を見て、聞いてきたから・・・

自分の感情をぶつける様に相手の事も考えずに馬鹿正直に話した。

彼女にある女性をダブらせていた事。

いつの間にか吉川茜が俺の頭の中では、他の女性に変わってた・・・

それが誰かも話した。気が付かないでその人を愛していた事・・・

何度も誤って許して欲しい言うて、別れ話をしたんやけど、彼女に取っ

ては急な言いがかりみたいな感じやったんやろな、

何度も会って話してんけど分かってもらえへんかった。

理不尽な話やもんな・・・・・

暫くしたら彼女から連絡が無くなり、ホッとしたけど、気になって家

に行ったら、親は俺と一緒と思って何日も連絡が無いので、帰ってき

たら早く結婚する様に言う積もりで居たそうや・・・

彼女の置手紙にもそれらしい事が書いてあったし、

そや無いことが分かって大騒ぎになって、やっと居所が分かって迎えに

行ったら男の人と暮らしていた。

付いたその日に知り合った人で仕事もしてなくて彼女が働いて生活をし

ているということやった。

一度家に帰ろうと頼んだけどあかんかった。

自分はこれからどんどん落ちていく、これは俺への復讐やそうでもせん

と生きて行かれへんそう言われて。

彼女の家の人は、俺に申し訳ないて言うし、そんなん反対やのに。

俺の平常心はイッパイイッパイやった。

影に隠れてある人をこっそり見ることで、何とか正常でおれた。

あのころは本間にしんどかったな・・・・・

暫くして落ち着いた頃に俺自身に変化が起きた、女性が集まって居る

所へ行くと気分が悪くなって吐き気がするようになったり・・・

心が緊張してそこにおられへん様になったりして・・・

今はそんな事は無いけど。

その頃から女性より男性と居る方が落ち着くようになった。

そんな時や、死のうと思ったんは・・・・・

愛する人に、自分が起こした事とはいえ、愛も告げられず、

愛することも出来ず、一生傍に居ることも出来ない・・・

一人の女性の人生も変えてしまって、その償いも出来ない。

死んでしまえば楽やろなって、それで海に車で飛びこんでんけどな。

自分は正常やと思ってたけど狂ってたんやろな・・・

俺はどこまでアホなんやろな・・・・・」

長い音の無い静かな時が過ぎた。

私から声を出した。「時ちゃん、女子高校生って私の事?」もしかして。

「うん、そうや」当然という様に答えた。

「じゃ、ある人って誰?その人とはどうしたん?」

涙声で聞いた。神様助けて!

「・・・今、俺の膝枕で泣いている。・・・一生こうしていたいな」

ここにいたらあかん、帰ろう。

「時ちゃん、帰る」私の心の中は、神に対する失望感で一杯。

愛を打ち明けられても、混乱した頭では受け入れられない。

「うん、送るは、ええやろ?」優しい声で言ってくれた。

時ちゃん、私は汚い。

ソファから立ち上がって、座っている彼に、

「時ちゃん、凄い事があったんやね、・・・ありがとう、今も私の

傍に居てくれて。・・これが今感じている事で・・・時ちゃんギュウとして」

立ち上がって、大きな腕で私を包み込んで、

ギュウと力を入れ抱いてくれた。

その時急に吐き気がして「気持ち悪い・・はきそう」そう言って、

トイレへ駆け込み吐いていると、外で「どうしたん、大丈夫か?」

オロオロした時チャンの声が聞こえ、急いで出た。

「どうや?大丈夫か?病院行こう」貴方はどこまでも優しい、絶対に

他の人に渡したくない。その為だったら嘘も立派についてみせる。

洗面所で口をゆすいでいると、玄関のチャイムが鳴った。

時ちゃんが濡れたタオルを私に渡して、インターホンに出ると

「吉田くんや、朝から何やろ」そう言うと玄関へ行った。

私も洗面所を出ると、玄関に吉田さんが居て私を見ると、

ビックリした顔をして「ごめん、お邪魔した?」冷やかすように言い、

時ちゃんが「うーん、今はチョッと・・・」と言うと、私は急いで

「ううん、今帰るとこ、どうぞ」そう言ったとたん、又吐き気がして、

トイレへ飛び込んだ、ドアの向こうでは、

「どうしたんやろ、さっきからはいてるねん」困った様な時チャンの声。

「あっ! 妊娠か?・・そんなはず無いはな」吉田のアホの声がした。

笑ってしまうわ、アホやな。そう思った次の瞬間、そうだ妊娠だったら

すべての事が一気に解決するかもしれない。

時ちゃん以外の人と妊娠すればいいんだ。

私は時ちゃんの傍に一生居られればいい。其れだけが願いや。






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