迫りくる恐怖
夜、僕はいつも通りラジカセで東部日本の放送を聴いていた。
ウーンウーン
なんだ?
ウーンウーン
『攻撃警戒警報発令!攻撃警戒警報発令!』
『市民の皆さんは敵からの攻撃に警戒してくだい!』
『攻撃警戒警報発令!攻撃警戒警報発令!』
え...外に出よう。
隣に住んでいる老夫婦も外に出ていた
「攻撃警戒警報なんて何年ぶりかね...怖いね...」とおばあちゃんが
「確か20年ぶりくらいじゃなかったかね?」とおじいちゃんが言う
僕は老夫婦に聞く「さっきのはなんだったの?」
おばあちゃんが「攻撃警戒警報サイレンだよ。あんたはまだ若いから知らんのねぇ」
おじいちゃんが「昔はよう鳴っとったわ。その度に怯えとった。」
おばあちゃんが「あんたのお母ちゃん、夜勤じゃろ?うちおいで。こんな怖い思いして今から1人で寝られんじゃろ。」
この老夫婦は僕を子ども扱いしてくる。
幼い頃から近所でよく世話をしてくれた。
ただ確かに正直怖い。今夜は大人しく老夫婦のお世話になろう。
おばあちゃんがテレビを観ている。
『米軍機と思われる戦闘機が我が共和国の領空に侵入!政府はおよそ18年ぶりの攻撃警戒警報を発令しました!今のところ攻撃を受けたなどの情報は入っておりませんが引き続き、お気をつけください!!』
おばあちゃんは呆れて「また、物騒な世の中に戻るんかねぇ」
おじいちゃんは「もう戦争も何も懲り懲りや」
『僕は今、歴史の転換点にいる』と気づくのはまだ後の話だ。
その後、1週間以上、すべての西部日本メディアは今回の領空に侵入したとされる米軍機や攻撃警戒警報のことについて報道し続けた。




