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オカルトへの向き合い方

 ここから七不思議のお話。



「お二人さん、はよー。ってのんたん、頬っぺたどしたん?」

「おはよう。あはは、ちょっとね」

「はよ。マジごめん」

「気にしないで!驚かせちゃった私が悪いもん!」


 今日は朝から騒がしかった。

 何故か私のベッドに望がいたし、何でか抱き着かれていた。あたしが抱き着いてた?なんか手も握ったままだったし!それでパニックになって、朝っぱらから望に平手打ちをかましてしまった。そこまで赤くはならなかったが、左右を見比べると赤くなっていると分かるくらいには赤みが残っている。 


「朔~、今度は何したん?」

「何もッしてなくはないけど、不可抗力というか防衛本能というか」

「ほほーん?」

「とにかく!ちょっと朝から色々あって頬っぺた叩いただけ」

「色々とは~?」

「色々は、色々」


 望があたしのベッドの中にいてあまつさえ抱き着いて寝てました、なんて言えるかい!


「のんたん、何があったんだい?」

「ふぇ!?な、ナイショ」

「そう言われると勘ぐっちゃうぜ~?」

「ナイショ!ね?」

「ん」

「ぶー」


 結桜は未だ不満そうな顔をしていたが、それ以上聞いてくることはしなかった。まあ、これ以上絡まれても絶対言わないけどさ。

 










「さてさて、この学校の七不思議について教えてしんぜよう!」

「お願いします!先生!」

「うむ!」


 放課後、結桜から七不思議を聞くためにオカルト研究部の部室にきている。部室といっても変なグッズや水晶とかオカルトっぽいものがあるだけで、他の部員はいなかった。なんでもかなり自由らしく、オカルトに関係することなら法律の範囲内で、各々好きなことをやっていいことになっている。

 結桜がガラガラとホワイトボードを持ってくると、そこには学校の見取り図が書いてあった。伏守(ふしもり)高校は本校舎と多目的校舎に分かれている、本校舎は教室がメインで、多目的校舎は美術室や部活で使う部室が主なので別名部室棟とも言われている。

 結桜はペンを取り出し、まずは中庭に丸を付けた。


「一つ目は中庭の二宮金次郎像!夜になると目が動いたり、体の向きが変わっていると言われてるんよ。中には頭を叩かれたって人もいるらしい」

「二宮金次郎が頭叩くのか?」

「うーん、その人たち騒ぎ過ぎたんじゃないかな?静かにしろって」

「あーそれはあるかも。その話してた人たち、イキってる感じの陽キャグループだったかんね」


 それならうるせぇ!って感じ叩かれてもやむなし。

 うちの学校には高校にしては珍しく二宮金次郎がいる。しかも現代的な薪を置いて、座って本を読んでいるタイプだ。歩きスマホを誘発するとか何とかで、座っているらしい。第一に動く動かない云々よりも、何故うちの学校にあるのかが一番の謎だと思う。


「んで、お次は体育館!」


 結桜が中庭の隣にある体育館に丸を付ける。因みに校舎からは渡り廊下を伝って行けるが、中庭を突っ切っていくこともできる。


「ここは夜になると誰もいないはずなのにドリブルの音が聞こえてきて、中を覗くと45番のビブスを着た首なしの幽霊がでるって言われてるんよ」

「意外と外見がはっきりしてるんだな」

「そうそう。それが夜と言わず、遅くまで残っていたバスケ部員が見たって話があるからなんよ。それに昔はあったけど、今45番のビブスはないんだって」

「え、何それ?マジ?」

「マジマジ。この学校の昔の卒アルに45番のビブスつけた生徒の写真があったんよ。ちなオカ研がその証拠を見つけました」


 何でドヤってるんだよ、結桜が見つけたわけでもないのに。

 

「これで話は終わらんくてね。実はここの体育館、一回倒壊して建て直ししとるんよ。んでこの倒壊したとき自主練をしてて、運悪く一人だけ亡くなっちゃったんだ。この首なし幽霊はその子の霊じゃないかって言われとるね」

「…………なんか不謹慎じゃね?」

「怪談は結構事件とかを元にするから、そう思われるのは致し方ないとこはあるね~。ただ、うちらはそれを茶化したい訳じゃないんよ。どちらかというと忘れられないように、どんな形でもちょっと残しておきたいっていうのがあるんよ。亡くなった人に対してうちらがやれることって、忘れないことくらいだし」


 結桜はちょっと寂しそうな声で、眉をハの字にしながら話した。

 あたしが結桜の趣味を必要以上に咎めない理由の一つだ。好きな趣味を奪いたくないってのはあるけど、それだけじゃなく結桜の怪異や怪談への向き合い方が好きだからだ。


「結桜ちゃんってちゃんと考えてたんだね」

「のんたん!うちが考えなしのオカルト馬鹿だと思ってたん!?」

「そこまでは思ってなかったけど、怪談好きの人ってその場所とか人への配慮がかけてる人が多いって思ってたから………あ、もちろんそうじゃない人もいるのは知ってるけど!」

「んが~フォローは嬉しいけど、そういう人が多いってことは否定できないのが辛いところにゃ~。心霊スポットって私有地の廃墟が多いから、ちゃんと許可とる人は少ないね。でもでもいくらオカルト好きでもマナーを守ったり、他人に配慮することは大前提!他の趣味に対しても言えるけど、好きを貫くなら最低限のマナーは守らんと!」

「結桜ちゃん偉い!」

「でへへ~」


 結桜が言うことには大いに賛同するが、望にデレデレすんな。


「今回の深夜徘徊については?」

「顧問公認やで!」

「ウッザ。まあ、だろうと思ってたけど」

「ウザいはひどくない!?のんたん、朔に虐められた~!慰めてー!」

「えぇ?よ、よしよし?」

「のぞみ、やらなくていいから」

「じゃあ、朔がしてくれる?」

「何でだよ」

「うちを喜ばせて!」

「主旨変わってる」





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