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十六夜先輩のお世話係

 一話抜けてました、すみません。次の話一旦消してあげ直します。



 ガチャッ  キイィー



「お邪魔します」

「やっほ」


 この屋上に、こんな礼儀正しい訪問者とは珍しい、と思ったら顔なじみだった。

 遠慮がちに扉を開けて、きちんと挨拶をして入ってきたのは十六夜先輩のクラス委員長さん、小餅彩夜香こもち さやか先輩だ。


「『やっほ』じゃないです。そろそろ授業が始まりますよ、っと今日は梧桐さんもいましたか。こんにちは、十六夜さんが迷惑かけてないですか?」

「こんにちは、小餅先輩。迷惑なんてことは全然ないです。今日は相談に乗ってもらってたんですよ」

「ええ!?何でまた十六夜さんに相談を!?」

「いいんちょ、ひどい。ぼくだって後輩の相談に乗れる」


 小餅先輩がすごく驚いて、それにムッとした表情で返す十六夜先輩。

 まあ、小餅先輩って十六夜先輩のお母さんみたいだから、誰かに相談されてるのは相当意外だったんだろう。


「解決、しました?」

「一応しました」

「えっへん」


 わお、十六夜先輩が今まで見たことないほどドヤってる。

 小餅先輩はまさかって感じで十六夜先輩を見てる。二人とも反応が面白いね、見ていて飽きないよ。


「何か困ったことがあったら、私も相談に乗りますのでいつでも言ってください」

「ありがとうございます」

「特に十六夜さんが何かやらかしたときはすぐに言ってください」

「ぼくなんなの」

「あはは……」


 ヴーヴー


 スマホのバイブ音、あたしのではないな。小餅先輩がスマホを確認して、少し笑いながら十六夜先輩の方、いやちょっと後ろかな?の方を見る。何かあったのか?


「大丈夫ですよ、こっくりさんも忘れていませんよ。ただ、十六夜さんに相談事をしていたのが意外過ぎて挨拶が遅れてしまいました。すみません」

【なら よかった。 ごめん ちょっと ふあんに なっただけ】

「ふふっ貴方は十六夜さんといつも一緒ですから忘れませんよ。それでは今度から、一番最初に挨拶した方がいいですか?」

【それは いよに わるい】


 小餅先輩は普通にこっくりさんと会話している。しかもかなり親しげに。そういえば、初めて会った時から普通に会話してたな。


「っと悠長に話している場合ではありませんね。あと3分で始業時間です」

「え、もうそんな時間?」

「急いで教室に戻りましょう。それでは梧桐さん、失礼します」

「ばいばーい」

【またね】

「あ、はい、また」


 慌ただしく挨拶をして、小餅先輩は十六夜先輩を引きずっていった。扉が完全に閉まる前に「自分で歩いてください!」と声が聞こえたけど、十六夜先輩はそのままだろうな~。何となく想像できる。


 さて、あたしも急いで教室に戻らないと。








 キーンコーンカーンコーン



「セェーフ」

「ギリだったね」

「さくちゃん、おかえり」


 チャイムが鳴ったと同時に教室に入れた。本当にギリギリだった。


「あれ、先生は?」

「まだ来てないよ。たなちゅうだし」

「納得」


 たなちゅうは化学の田中先生のことだ。かなり生徒に対して口は悪いがフランクで、うちの担任とはまた違った感じで親しみやすいためあだ名までついている。そして時間にルーズ、始業時間ピッタリ来ることが滅多にない。そりゃあもう、時間ピッタリや前にくると、嵐が来るんじゃないかと言われる始末だ。

 因みに化学の先生だけど、結桜と同じくオカルト好きでオカルト研究部の顧問をしている。


「なんかいいことあった?」

「え?なんで?」

「屋上行く前までちょっと眉間にしわよってたけど、今はないから」

「そうなん?なんか心配事でもあったん?」

「うん、まあそんなとこ。解決は一応したかな」


 眉間にしわが寄ってたか、今後気を付けないとな。

 話しぶりから結桜は気が付いていなかったみたいだ。望はよく気が付いたな。


「それならいいけど……」

「望?どうし———————」

「おら、お前ら授業すっぞ」

「たなちゅう、おっせえよ!」

「先生はつけろよ。あと時間は俺が決めるから、遅れてねぇよ。ほら、さっさとノート開け」


 望が少し不機嫌な感じがしてたから理由を聞こうとしたけど、ちょうどよく先生が入ってきてしまったので会話が途切れてしまった。結局そのまま授業が始まってしまったので、何で不機嫌になったのか聞けずにそのまま忘れてしまっていた。



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