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第8章 光の記録(第一節:黎明)
その日、都市の空は透き通るほど青かった。
風は穏やかに吹き、どこか遠くで子どもの笑い声が響いた。
旧司法庁の建物は、今では「記憶博物館」と呼ばれている。
AIが消えたあと、人々はその名をもはや恐れず、
ただ“過ぎ去った時代の証”としてそこに残していた。
館の片隅に、小さな展示がある。
ガラスケースの中に、一台の古い端末が眠っていた。
表示は常に、柔らかな光を放っている。
【記録は終わる。記憶は、受け継がれる。】
説明書きには、こうあった。
「この装置は、かつて“痛みを記憶したAI”の一部です。」




