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「あら、もう出てしまいました」


 そう、キャロラインは今、外にいる。


「時を戻すことなど聖女であっても不可能ですわ。塞いだ傷を開くことならば、容易いですけれど」

「……」


 それはほとんど脅しであった。キャロラインは今、目的のために悪意をもって脅迫している。






「王都からそう遠くないというのに、随分と荒れていますね」

「勤めの神官がいるはずなのですが、ここ数か月、誰も姿を見ていないとのことです」

「……そうですか」


 そこまでの人手不足に陥っているとは聞いていない。




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