6 孤児支援施設 楽々園
昨日作成するつもりでしたが諸事情で出来ませんでした。次は必ず時間合わせます
夜
望月は悩んでいた
「昨日のアレ見たら分かるだろ、あんなにネットが魔物によって規制されてたらどうやって真実を拡散すればいいと思う?」
「真実を拡散か…そもそも規制されてもされてなくても真実を受け入れてくれるのか」
「でもまずは小苗村近くの孤児支援施設の下見に行こう。あそこは確か…魔物に土地を買われたとかどうとか言ってたよな?」
「そうだ、私の調べによるとね」
「一気にやるんじゃなくて地道に魔物達が脅威に思う事をするしかない」
敷布団の用意しながら竜輝のは言った
「よし、じゃあ明日の朝にでも行こう」
「なら私、ここに泊まらせてもらってもいいですかね」
「めちゃくちゃ嫌だけど、命狙われてそうだもんな。仕方ない」
「めちゃくちゃ嫌というのは余計な気がするが、ありがとう竜輝!」
そうして次の日になり――
「下見に出ますか…」
外出の準備をし竜輝は外に出た。バイクを玄関前まで持って来た
すると向かいの真里の家から真里が走ってくる
「ちょっと竜輝、横の人誰?」
ちょうど玄関掃除をしていた真里と出会う
「ていうか帰ってきてたなら言っておいてよね」
「いや、言う必要ないだろ」
「どうも、記者の望月です。あなたは竜輝さんのお知り合いですか?」
望月は真里に自分の名刺を渡した
「知り合いっていうか、親密な仲っていうか…でも竜輝って友達いたんだね」
「なんだよそれ、でも望月は友達じゃなく昨日会ったただの記者だよ」
「何その関係…」
「私は頻発している失踪事件について取材をしているんです」
「失踪事件…?頻発?」
不思議そうに望月の顔を見る真里
「こいつは世の中のことを何も知らない奴なんだ。何言っても通じやしないよ」
「え〜?だってテレビでそういった事件聞かないし」
「聞かないからってそれが全てじゃないんだ。まぁ望月さんは後ろに乗って」
望月をバイクの後部座席に乗せ、そそくさと行ってしまった
マナは、望月が抱っこするように乗車した
「またどこか遊びに行こうね〜」
手を振りながら大きな声で真里は言った
………………
目的の施設に到着する
施設の周りには住宅街が少しある程度、あんまりひとけは無いけど田舎ともいいにくい様なところ
竜輝はバイクから降りて施設の中を確認しようとする
「ここだな…一応柵から中のことを見ることが出来るが、肝心の建物の中についてはよく分からない…」
「砂場で活発に子供達が遊んでますね。本当にここが魔物達の住処だとしたら恐ろしい程カモフラージュしてるな」
「あっそうだ、バイクに乗ってる途中にこの施設について調べたんだけど、ここの館長が1回変わってるらしくて…」
「まさかな、でもそいつが魔物の可能性があるぞ」
すると突然…
「あなた達!子供を外からジロジロと見て何してるんですか!警察呼びますよ!」
柵越しに1人の女職員が竜輝達に怒りつけた
「すいません…!」
望月は驚いて猛ダッシュ、
竜輝はバイクを押しながら急いでそこから去った
「ちっ、何やら怪しい連中がここに嗅ぎつけてきたようだな…館長に報告しなければ」
「バレたかもしれないぞ竜輝」
マナは後部座席に座りながら言った
「もっと遠くから慎重に観察しておけば良かったか、やらかしたぁ…」
「しかし、望月は驚きすぎだろ」
望月は逃げ過ぎて竜輝よりもだいぶ先に行ってしまった
「はあぁ…はあぁ…なんで竜輝はそんなに落ち着いているんだ…走りすぎて疲れた、竜輝のところに戻ろう…」
竜輝のところへ戻ろうと後ろを向くと、竜輝の後ろから誰かが走ってきているのに気づく
タッタッタッ…
「白い犬を連れた人!待って下さい」
施設から出てきた1人の女職員が竜輝を呼び止める
「ん?何だ?」
その声を聞いて竜輝は後ろを振り返った
「あなたは白い犬使いの人ですよね。少し聞いてほしいことがあるんです…」
「何故俺の事を知っている?」
「まずはここから離れてからお話しますので、近くの公園に来て下さい」
その女職員と竜輝達は公園のベンチに座る
「で、なんで俺のことを?」
「あの施設の化け物館長が誰かと喋ってるのを盗み聞きしたんです。その時に白犬使いと聞いて」
「それでですね、本題はその館長が職員を洗脳して自分の思惑通りの空間に仕立て上げていることなんですよ。しかも、新たな化け物を増やすために孤児をあの施設に何人も引き寄せているんです」
「洗脳が解けたから俺たちに声をかけたということですか?」
「はい、あなた達ならこの施設の本来あるべき姿にしてくれると思って」
「その館長についての詳しい情報を教えて下さい」
「鋭い牙があって…孤児を化け物に変えるための薬の扱いが長けていて…」
「すいません、あいつはあまり私達に素性を明かさないのでそんなに情報といったものがありません」
「薬使い…これが知れただけでもだいぶ収穫だろう。厄介な敵になりそうだけど、重要な情報をありがとう」
「私は洗脳から覚めて自由に生きていきます。私達の施設を取り返して下さい」
「分かった。必ず取り返すから気をつけて帰るんだ」
女職員は走っていった
望月が言う
「取り返すって言ったけど、いったい何をどうすんだ?」
「どうするって…乗り込むしか無いだろ。薬使いってわかれば戦い方もだいぶ練れるかと」
「じゃあ俺は戦いには参加できないから、いったん会社に戻るよ。なんとか魔物の記事を書けるか…だけど、またあんなことがあったら怖いしな」
「まぁ頑張って欲しい」
竜輝は望月ともここで解散する
竜輝は小苗村に戻り、望月はバスに乗って会社へと戻る
………………
午後8時頃
立之宮の街中にあるネットカフェに泊まっていたあの女職員
少しコンビニに向かうために出たが、完全に油断していた
トコトコ…
背後に静かに忍び寄る気配があった
振り返った彼女の目に映ったのはあの館長だった
「洗脳が解けて脱出…と。安心した気でいるつもりかい?」
館長の冷たい声が彼女を震わせる
「なん…で?」
「お前にはGPSが内蔵されているんだよ。逃げることは不可能だ!まさかだが、あの怪しい連中に情報を渡してないよな?洗脳はいつから解けていた?」
「け、結構前だよ…あの人たちが来たから今がチャンスだと思って抜け出した。当然あの施設の情報も言ったわ」
「ほぉ、殺されたいようだなお前」
「やめて!」
彼女は強引に口を開けさせられ少しずつ毒を飲まされる
毒の影響が効き始めたせいか意識が無くなりはじめる
「やめ…て、竜輝さん…助け…」
急いでスマホを取り出し、竜輝に"ありがとう"とだけメールを残しそのまま倒れてしまった
「ふざけた連中と連絡を取り合いやがって」
館長は彼女のスマホを奪った
スマホの光が館長の怒る顔を照らした
………………
家にいた竜輝はメールが来たのに気づく
「誰だ?なんかメールが来たぞ」
「こんな時間にメールだなんて、真里のいたずらですか?」
マナはからかうように言った
「いや違う、あの人からだ…ありがとう?急にありがとうって」
関わるな
するとその後に警告のメッセージが送られてきた
「まさ…か、遅かったのか」
「このくそ野郎、こうなったらもう今向かってやる。この夜で終わらせてやる」
「俺もついていくけど、夜で本当に大丈夫か?」
「大丈夫だ」