表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔犬士  作者: チョコ
5/22

5 裏のアルゴリズム

邪神の幻影により、ネット上で容易に魔物について書くことは難しいと知った竜輝達は一旦家に戻った


ネットが魔物によって支配されたこの世界において、真実をどの様に取り入れなければならないのか?


 


竜輝はマナを風呂場につれて、戦いで付いた汚れを洗っている

「マナ、どこが痒い?」


「背中全体かな、特に下の方…」


「オッケー、じゃあ下の尻尾にいきます!」


「やめ!尻尾はいつもやめと言っているだろ」




 

外から竜輝の声を聞いている望月

「なんだか楽しそうだなあの2人」

「あっ、そういえば投稿した内容どうなってんだろう」 

望月は魔物についての投稿を確認した

しかし確認しようにも見当たらない、消されていたのだ



 

だが消されるまでの間に望月の投稿は少しだけ拡散されていたのだ



魔物って何?

失踪事件には魔物と呼ばれる存在が関わっていた?


様々な憶測がネット上で飛び交う



だがここに…

―これ普通にデマだよ。このアカウントの人は現記者だからその知名度稼ぎしたいだけだよ


このコメントに無数のいいねがつく


 


ただ、そのコメントを書いたのはマカルの手下

いいねもマカルの手下達が大半を占めていた

「マカル様、ネットの反応は落ち着きつつあります」


「政治的、陰謀的話題は拡散されないような設計にしておいたが、それでもなおこんなにも拡散されたか」

「だが良かった。一度"デマ"として結論づけてしまえば後からそれが真実だったとなることは難しいからな。しかし早々に始末しなければね」 


  



………………



さっぱりとしたマナ

「よし、綺麗になったところで望月に真泉町について教えてもらおうかな」


「犬が喋るのにはまだ慣れないが…いいでしょう」 

「元々真泉町は色んな宗教が集まる町であまり人が近寄ってこなかった。その中でも平華教は一強みたいなものだった」


「平華教って、今の総理とズブズブな関係だった宗教」


「そう、それがバレるとその宗教に批判がいってたよね?そこで裏で暗躍していたのが邪神を崇める魔物達」

「平華教が勢力を弱めたタイミングで潰し、そこを拠点にし始めたんだ」


「そんなことがあったとは…だけどなんでここを狙って来たのか」


「あまり政治に関心のない場所を狙ったんだと思うよ。平華教との関係がバレたのも30年してようやくなんだから」


「早くにもこの情報をいろんな人に伝えなければならないが、一旦やめといて、前言ってた真泉町から抜け出した魔物が土地を買い占めていることについてだ。まずそこから考えよう」




 


 ………………



 

 シャキンッ…!ズザアァ!!


「があっ!!ガァッ…」

何者かによって斬り殺される魔物


刀についた血を拭い、刀を鞘に収める

「復讐のために戻ってきたぞ」

そう言い、首につけたペンダントを手に取り語りかけた

「必ず敵はとるから」

そのペンダントには女性の写真があった


そして単身で、ある魔物のアジトに乗り込んでいく




 

 ズザァッ!!

「魔物を生み出すのはこれでおしまいだ」

M5ラボという魔物を生み出す基地に忍び込んだ様だ


「マカル様、リュウガが…リュウガが乗り込んできました!」

無線を使ってマカルに連絡を取る魔物


そして単身で乗り込んでいったのはリュウガだった


「マカル!まだ生きているのか。まぁ来る前に終わらせばいいだけ、はあっ!!」

 

 ズバッ!

「ガアッ…!」


その場にいる魔物を斬り裂き、魔物を生成するための大型カプセルを次々と破壊していく

 



身を挺してリュウガを止めに入る魔物達

「必ず止めるんだ!みんなであのカプセルだけは守り抜くんだ!」

特定のあるカプセルだけは必ず守る、その一心で謎の人物の周りを囲む

そして集団で襲いかかった


8体程の魔物から殴られ蹴られるが、リュウガは刀を構え直し横一回転に振った


 ズザァァ!!


8体一気に吹き飛んでいった

「マカル…様は、必ずお前を始末する…覚悟しろリュウガ」


 

「覚悟しなければならないのはお前らだ」


 

少しすると吹き飛ばされた魔物達は息絶えた




 ゴゴゴ……

すると、リュウガの背後に闇のゲートが開かれる

そして、そこから闇の弾が放たれた


 

 シャキンッ…!

すぐさま後ろを向いて刀を構える

3発中2発は刀でブロックできるが、1発がリュウガの腹部に当たる

「ぐっ…!来やがったか」



「あまり私達の邪魔はしないで頂きたい」

杖を構え、そのゲートからゆっくりと出てくるマカル


「お前ら、隠れてこそこそと人間のことを利用しているみたいじゃないか」


「人聞きが悪いな、これは共生だよ」


「SNSに都合の悪いことを書いたら抹殺するくせにか」


「SNSはデマだらけ、だから私達が整理してあげているだけだ」

「みんなはテレビの言うことだけを信じて生きていればいいんだよ。そうだろ?テレビが勧めるものだけを買って、コメンテーターが批判していれば同じく批判してればいいんだよ」


「舐めてんのかお前…」


「舐めてないさ、テレビはいつも娯楽を与えてくれる。だからそれ以外は一切目を向けなければいいんだ。表面上の平和を感じ続けていればいいんだよ」

「そして君はその計画の邪魔になる。死んでもらう以外の選択肢はない!はあっ!!」 

マカルは闇の弾を数発放った


リュウガは全て刀で弾き、素早く接近する


 

「カオスフィールド」

マカルは室内に闇のオーラを漂わせた。辺り一面が嵐のように荒れ出す

マカルに近づこうとすると稲妻が何本もリュウガを襲いかかっていく。マカルに近寄ることが出来ない

 

それを良いことにマカルは追い打ちのごとく闇の弾を放ち始める


 

リュウガに何発もその弾が当たり、吹き飛ばされ倒れる

「マカルに近づこうとすると稲妻に狙われる。こうなったら…」

リュウガは刀を鞘に入れ、辺りにいる魔物の死骸を掴みマカルのもとに走り出した



「何をするのやら、無駄な抵抗だと言うのに」



 ヒュンッ…!

マカルのもとへと近づいて行ったリュウガ

何をするのかと思えば、リュウガの手元にはさっき倒した魔物の死骸があった

「稲妻は全てこいつらのもとに落ちるだろう」

リュウガは死骸を頭上に高く放り投げた


すると…

 バーーン!!

全ての稲妻がその死骸を撃ち抜き爆散、辺りを光が包んだ

その隙にリュウガはすぐに刀に手を置いた

素早く刀を抜き斬撃をマカルに与える


 

 ズザァァッ!!

その斬撃によってマカルの胴体が半分に斬れる


「マカル、さようなら」








 


だが…どこからかマカルの声が聞こえてくる

「それは私ではないよ」



すると…

半分に斬れたマカルの分身が闇の弾に分裂しだした

それが全てリュウガのところへ向かっていく


 バンッ!バンバーン!!

「ぐがっ…ぐあっ!!」

その攻撃を食らい吹き飛ばされていくリュウガ…


  

「私の生み出した闇分身にまんまと騙されてくれた」

マカルの本体がリュウガの目の前に現れる

「ふふふ…私には勝てない」

追加で2体の分身を自身の横に出現させる 

「いけ!あいつを捕らえろ」




マカルの分身2人がリュウガの両腕を掴む

分身が身動きを取れない状態にし、マカル本体はリュウガに近づき身体を殴り続ける

「アグルクの攻撃を再生出来るほどの実力はある様だ。しかしあんたは敵、しっかりと実験体にさせてもらうよ」


 



「ぐはっ、ぐあっ…!くそ、こんなんで死んでられるか…!」

リュウガの魔力が刀と共鳴する。次第に刀は独自行動をし始めた

何の音もせず静かに1体目、2体目、とマカルの分身を貫いた

そのままリュウガの手元に戻る

「はあっ!!」

そしてマカル本体に向けて斬撃を放った


 

マカルは杖でその斬撃を消した

大きく後ろに下がり、闇の弾を連射する



リュウガは刀で闇の弾を斬り裂き、魔力の込めた特大の斬撃を放った


 

 バゴーーン!!

衝撃により爆煙が室内に立ち込む…






 

  


「逃げたか…」 

爆発による煙で身を隠し、リュウガはその場から去っていった







「はぁ…はぁ…なんとか半壊くらいには出来た。隠れ家に戻ろう」

リュウガはどこかへと走っていった

 




 ………………



戦い終えたマカルはM5ラボの奥の部屋に行く

厳重に閉ざされた扉、4桁のパスワードを押して開ける



「お前は私達四天王に入れるほどの力を持っている。もっと育成しておきたかったが…リュウガが現れるとなるともう解放しておいたほうがいいかもな」


マカルは巨大なカプセルの開閉装置に手を合わせ、認証させた


そのカプセルからは白い煙とともに謎の魔物が登場する

「私を生み出したのはお前か」


「これから君は存分に暴れられるぞ、ロブ」


「破壊させてくれ、あんたが目的をくれるなら俺はそれを破壊するために行動する。そうだ、名前を教えてくれ」


「マカルだ、ロブにはやってほしいことがたくさんある」


「それはなんだ」

黒光りの装甲を身に着けた新たな魔物が誕生した




 ――――――




芸能人がよく利用する裏のバーにて

ある男先輩(中田)と、ある男後輩(大輝)が話をしている

「お前最近調子はどうだ?」

 

「ぼちぼちですかね。まぁ最近は新人推しの流れになってしまっているのでここを耐えるしかないかと…」 


「耐える言ったってな…」

「あくまで噂だぞ、もう最近は俺らはテレビで活躍できなくなってんだよ」


「それはどういうことですか?」


「俺の先輩は過去の事を掘り起こされてそれが原因でネット上で炎上した。ニュースで見なかったか?園上さんのやつ」


「見ましたけど、あれはあの人が不同意に淫らなことをしたからじゃ…」


「それはそうだけどあんなこと昔はみんなやってたんだ。でもそれが順々と暴かれ出している」

「お前も聞いたことあるだろ、そういう芸能人のスキャンダルが出た時に国会で物議を醸す法案が通過されているとかって、俺らはそういうの隠すための道具になっているかもしれない」


「でも俺は炎上するようなことはしてませんから、大丈夫ですかね」

大輝は一瞬黙り込んだ後、笑ってグラスを傾けた


「だといいけどな、今は何が火種になるか分かんないからな!まぁ今日はパッと飲もう大輝」


「分かりました!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ