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魔犬士  作者: チョコ
47/48

47 愛の罪

第3生贄術のターゲットはスゥイル

邪神復活の予言がまた1つ進んだ



真っ暗の中スゥイルは倒れていた

スゥイルは顔を上げ上を見た


上空を浮かぶマカルの姿


スゥイルはか細い声で言う

「邪神なんか召喚して…一体何になるんだ」


「この惑星を我等のものに変える。邪神様がこの惑星を抜け出せるほどを力を蓄えることが出来れば、その時宇宙もろとも支配下におけるはず」

 

「そういう思想を振り撒いて人間との関係を持たせないように手下達を利用させた。しかしお前も邪神に利用されている…」


「それでいい、我らは邪神様の分体であり、この世に生を受けたのは邪神様のおかげだからだ。一生をかけて邪神様に尽くす」


「"邪神"なんだぞ、お前の崇拝しているものは邪を司る神だ」


「それでいいじゃないか。邪であるからこそ支配が出来る。そもそも俺らはその神の分体だと言っただろ、潜在的に我らにはその邪というものがあるはずなのに、何故そんなお前がこんな事を言うのか」


「もうお前には、何を言ってもダメだ」


「だからこそ、お前は術を受けるのだ」


上空に邪神の手が召喚される。そしてマカルは邪神の手に乗り移った

マカルは邪神の手の上に置かれていたスゥイルの子供の近くに寄った


スゥイルの顔が曇る

力を振り絞って立ち上がる

「やめろ!!」


 そのような瀕死の身体でどう私を倒そうというのか

 

邪神の声が空気を張り詰めさせる

 

恐怖でスゥイルの身体は石のように固まる

「うっ…動けない」


 愛は時に人を強くさせる。お前も例外ではないが。竜輝とリュウガを見てみろ、敵ながらにそれを証明させてくれた


「ィザァンプが俺の子を隠していることはいつ知った。いつから俺のことを泳がせていた…!」 

  

「少し前からなんとなく察していた。そして予言の内容で確定した」

「ィザァンプが死んだことによって分かったことがある。ィザァンプはスゥイル以外の魔物と人間との間にできた子供も魔力空間で保護していたと、見つけ次第その子供はロブが殺していったがな」


「なんでそんな事をするんだ…」


「お前の子供以外は利用価値がないからだ!お前は邪神様の分体、見た目は魔であるが地球に紛らわすために人間の形にしたはいいものの、心まで人間に成り下がったか!」


「違う、俺は成り上がったんだ!」


「邪神様の前で…お前と言う奴は…!」

スゥイルに向けて杖を構えるマカル


 待てマカル、術を行った理由を忘れたか?


「すいません…」


  早いうちに始めよう


スゥイルは叫んで必死に恐怖を紛らわせようとした

「始めてはならない…やめろ!」

少しずつ一歩一歩と進んでいく。しかし邪神の手は上空、辿り着けるはずもない

「ならば、最後の力をお前らに…」

スゥイルの爪を魔力が纏った


それを邪神に向けて放とうとしたその時、スゥイルの動きが止まる


「諦めたかスゥイル…」

マカルが笑みを浮かべたその時


 カパッ…

スゥイルは口を開きその中に爪を入れた


「くそっ…!あの野郎!!」


 ガチンッ…!!

スゥイルの足場から伸びる鎖が、彼の両腕を縛った


 ズザァッ!!

スゥイルの口の端が深く切れる

地面から垂直に伸びた鎖が両腕を左右に、下方へと引き絞る。腕はピンと一直線に張り、固定された

「マカル…!!後もう少しだったのに」


 抵抗すればこの術を受けた後、反抗する気持ちから暴走状態となってしまう。素直に諦める方がいいぞ


「構わん…お前達の復讐に自我などいらない!」


「ふぅ…では邪神様、始めましょう」

そう言うとマカルは邪神の手から降りた


身動きの取れないスゥイルの頭上に邪神の手が止まる

次の瞬間、潰れる音と共に流れる血がスゥイルの身体に落ちていく


スゥイルは発狂して暴れ出す。その姿はまさに狂乱

「ぐああぁ!!」





巨大なオブジェが崩れ落ちる

オブジェのあった場所には禍々しく変わり果てたスゥイルの姿があった


背丈の変動はなく、身体には黒い棘が生え、爪はよりいっそう長さと鋭さを増していた




「スゥイル、くそ…」

遠くからリュウガが悔しそうに近づいてくる


スゥイルはこちらを見て何も言わず爪を向けた


次の瞬間――

リュウガの全身に遅れて痛みが走る

「何が起こっ…た?」

そう呟いた直後、身体から無数に血が噴き出した

 

この技はスゥイルの魔力が対象の皮膚と皮膚同士を引き剥がし、あたかも切られたと錯覚するような傷跡をつける


 ドサッ…

リュウガはあまりの衝撃に気絶してその場に倒れる


スゥイルはリュウガに背を向けどこかへと去ってしまう…




 


オブジェ出現後のマナと河井――

繁華街近くで魔物を倒していたが、周りの建物がオブジェへと変わっていく様子を見て息を呑んだ

 

「ちょっとマナ、今の何?」

マナにしがみつく河井


「生贄術だ。これは大変なことになったかもしれない」


 

オブジェ崩壊後、マナ達は様子を見にいくために繁華街のあった方へと向かっていく

すると、急に魔物達が目の前に現れる。その数10体


マナは魔力を溜め込む

そして斬撃として魔物の集団に放った

 

 ドガーン!!


2体の魔物は仕留めたが、他の魔物達は散らばって何処かへと走っていく


「偶然遭遇した感じか、それにしても急に魔物が現れ始めたが気のせいではないだろうな…」


「生贄術が成功したから攻め時だと下級の奴らがなだれ込んでるのかもね」


「確かに、慎重に進みましょう」



繁華街の一部がごっそりと平地に変わり果てており、倒れている死体が可視化され、まさに地獄絵図だった 


その中で河井は魔物の死体を見つけた

「こいつさっき逃げた魔物だよ、マナ」


マナはその死体に近寄ると、身体の状況といつ頃死んだのかを考察し始めた


「凄まじい傷跡によって死んでいる。これも生贄術の奴が……いやでも同族のはずなのにこんな状況にまでする理由は何だ?だが血の感じからして標的は近い」


「例えばだけど、もしリュウガが術を受けたとしたらどうする?」


「そんなはず…ないと信じたいけど」


 

だが、少し歩いた先で河井が倒れたリュウガを見つける

「マナ!リュウガが倒れている」


「それは良かったけど…意思疎通は取れる?」

 

「いや、無理だな…うぅん…こういう場合の対応は…」

横に座り河井はリュウガの頬をビンタしだした

「目を覚まさないけどどうしよ」


「片腕を失い、多くの傷跡をくらっている。至急回復を行う」


「お願いします…」


傷跡が塞がっていく、気絶していたリュウガは次第に目を覚ましていく

「スゥイルは…あいつはどこに行った」

慌てて起き上がると視界にマナと、河井が見える


「そんなボロボロになって、一体ここで何があったんだ?」


「スゥイルが生贄術によって力を得てしまった」


「スゥイルは一体どこに行ってしまったんだ?」


「あいつは、確か…最後に見たのは」

リュウガは必死に思い出す

するとハッと何かに気づく

「あいつが向かってる方向は、立之宮を抜ける。隣の区に影響を及ぼす可能性がある」


ロブと竜輝が戦っているのは立之宮の東方面

リュウガ達のいる繁華街は西の端の方だったのだ


「なら早く止めないと…!方向はどっち」


河井の言葉に反応しないリュウガ

「止めたい、止めたいけど…」


「方向は分かるんだよね…?」


「あいつを殺しちゃダメだ。あいつは可哀想な奴なんだ」


「急にどうしたリュウガ」


「あいつには子供がいた。だが俺のせいで復讐することも出来ず、挙句の果てにマカルがその子供を生贄にスゥイルは変わり果ててしまったんだ!」


「スゥイルに子供がいた?」

河井とマナはお互い顔を合わせて驚いた


「そうだよ…」


「殺さないにしてもまずは止めなきゃいけない。だからスゥイルが向かった方向を教えてくれ」 


リュウガは立ち上がった

「分かった。スゥイルは俺の目線の先真っ直ぐを歩いていった」 


「それじゃあみんな行くよ…!」

マナは背中に河井を乗せ、リュウガとともに走った



 


下級魔物の"ヘノ"と"ピム"の会話

 

「近くにスゥイル様がいたけど、強化してより一層カッコよくなったなぁ」


「確かにそうだけど、今のスゥイル様には近寄らないほうがいい。何か失敗したのか暴走しているらしい。実際に仲間が無残にも斬り殺されたそうだ」


「自分が話下手で良かったぁ、もし俺が話上手で気さくな奴だったら今頃死んでましたね」


「それは俺もピムに同感です。あっでも…ロブの援護要請が来たじゃん。そっち行かないと」


「ロブって確か結構強かったよね?なのに援護って」


「なんかロブが起こした爆破、そして聖犬の手下達によって下級達が結構死んだらしいよ」

 

「ば、馬鹿だね〜何してんの」


「後、"新たに集団で人間達が向かってる"とかも言ってたな数百人とかうか言ってたけど…」


「通信で連絡くるじゃん?全然話聞いてなくて今聞いたのが初耳」


「あんたが一番お馬鹿だね。じゃあマンホールから入って安全にゆっくりと行きましょう」


「そうですね。よっこいしょ」

 ガタッ

マンホールを開けて2人はゆっくりと中に入っていく


 

その数秒後――

リュウガ達がその道を走り抜いていく

「今までは生贄術によって建物が一切なかった。しかしここからは建物がある以上スゥイルを探すのは困難」


繁華街に入ると真横にはカラオケ屋、飲み屋があるが誰一人としてひとけはなかった


「そういえばマナ、片腕の再生は出来たりするか?」


「半日かかるから無理だ」


「それは無茶を言ってしまったな。すまない」



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