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魔犬士  作者: チョコ
45/48

45 壊れる理由

戦いが人を壊れさせる。それは魔物も同じ

だがある者はあえて残酷さを演じ壊れさせたいそうだ。これも邪神復活の予言を遂行させるためなのか



スゥイルの迷いのない一撃に圧倒されたリュウガ


魔力を纏った爪が振るわれる

反射的に距離を取ろうとリュウガは大きく後方へ跳んだ

 

スゥイルは歩みを止めない

爪を研ぎながら、淡々と口を開く

「長らく考えてみたんだけどな、やっぱり俺はお前を殺すことにした」


「そうか…そういえば聞きたかったスゥイル、そういえばお前の妻はどうなった」


一瞬の沈黙――


「かれこれ連絡は取れてないな。殺されてると思うよ」

 

聞こえてきたのはあまりにも平然としている声


「どうしてお前はそんなに平然としていられるんだ…こんなの…、絶対におかしい」


「それはお前のせいだ…お前がそうやっ初めて反抗の意思を示したせいで、それ以降、少しでも復讐を企てようとした奴らはみんな死んだ!!」

「手下達にバレてはいけないと俺のことはなんとかマカルが有耶無耶にしてくれた。四天王の座が譲られることはなかった。しかし、俺ですら復讐しようしたら殺されるんだよ」

スゥイルは走った

「良かったなリュウガ、お前が1人目で!!」


 キィンッ!キンキンッ!!

リュウガは刀で攻撃を防ぐ

「そんな…馬鹿な…!」


 ズザッ!ズバッ!

先に攻撃を入れたのはスゥイルだった

「お前だけ復讐だとか言って正義ぶってんじゃねぇ!お前だって魔物として、人間を襲ってただろうが!!」


 バンッ!!

リュウガは蹴り上げられた 


リュウガは空中で体勢を整える。刀を構え、斬撃を放った

 ドガーーン!!

その斬撃の一撃が地面に当たり、土埃が辺りに舞う


「どこいきやがった!」

スゥイルはその土埃を爪で割く


 ビュンッ…

魔力で行動するリュウガの刀がスゥイルの背後を取った


 ガキンッ!!

スゥイルは背後を向いて爪で刀を防ぐ

「お前の攻撃はもう知ってんだ。刀だよりの攻撃、こんな一辺倒では誰も倒せないぞ!」

爪を振り切り弾き飛ばした

 

「いいや、刀だけだと思うな」

 ビュンッ!!

土埃からリュウガが現れる

スゥイルの背後から、リュウガが足を伸ばして蹴りを入れ込む


スゥイルは気付いて片腕で防御するも、体勢を崩し倒れる

 ドサッ…

「やってくれるな…」


弾かれた刀が再び行動を始める

 

たがスゥイルの抵抗は終わっていない

自身の長い爪に魔力を纏わせ、纏う魔力を斬撃として、向かってくる刀とリュウガに放った


 ズバッ!!

リュウガの左腕が斬れ落ちる

「ぐっ…!あぁぁ…!」


「正義ヅラしてんなよ!!」

スゥイルは飛びかかってくる


リュウガは刀を魔力で手元に戻すと、飛びかかってくるスゥイルの攻撃を防いだ


「お前如きのせいで俺は復讐出来なかった。お前の気持ちなんて分かったことか!!」 


「正義ヅラなんてするつもりはない。俺はただ単に復讐をしたいだけだ!」

リュウガは刀に魔力を込め、斬撃を放つ


爪を前に構えて防御を行う。斬撃が目の前で爆発しスゥイルは吹き飛ばされる

「ぐはっ…!」

すぐに立ち上がり爪を研ぎ始めた


「邪神復活のために俺らはマカルに利用されている。俺らの敵はマカルだ!」


「そんなこと知っている!だが生贄術を受けたあいつに勝つのは無理なことだ!だから」


「難しいことは分かってる。だけど、お前の気持ちを晴らすにはマカルを殺すしかないんだよ!」


「お前のそういうところが正義ヅラしてるって言ってんだよ!!」

スゥイルは左爪を振りかざした

 

リュウガは刀の刃先を左下に向けながら斜めの状態で攻撃を受ける

スゥイルの爪は刀の刃に沿って下に落ちていく


そして、スゥイルの背後に回り込み斬撃を叩き込む


 バゴンッ!!

スゥイルは斬撃の威力で吹き飛ばされる

「はあぁ…はあぁ…」

身体だけを起こし呼吸を整えている


「自分を殺してマカルに従事することがお前の望んでいることなのか!スゥイルの子供なら俺らで守ってみせるから」


「綺麗事はよせ…!ィザァンプに守らせた方がどう考えても安全だ」


「ィザァンプ…?」

リュウガはその名前に引っかかった

  

「何だお前、ィザァンプのことを知っているのか?」


「あぁ、だってそいつ昨日の戦闘で死んだから」


「ィザァンプが死んだ…?じゃあ俺の子供はどうなるんだよ!!あいつが創った空間に避難させていたのに、あいつが死んだらその空間がなく…なる」

「リュウガ…やはりお前は許してはならない…リュウガ!!」



 ………………

 


とある車道――

そこは元々、片側三車線の幹線道路だった

高層ビルが両脇に立ち並び、昼間は人と車で溢れ返る場所だ

 

たが今は違う

周囲には逃げ遅れた車両が何台も横転していた

ロブの一撃によって周りのビルは倒壊、一瞬で周辺は荒廃してしまったのだ


 

「みんな今は早く逃げなさい、合図をしたら攻撃を仕掛ける。分かったね」

信者達は聖犬を残し去っていった

 

「あいつらを逃がしてあげたのか、何か秘策があるのか…まぁどちらでもいい、来い!」

ロブは静かに立ち尽くした


「望むところだ!」

聖犬は駆け寄って爪を振り下ろす


 ガンッ!

ロブの装甲に傷が付いた程度


ロブは拳を振り上げ聖犬を殴り飛ばした

「弱すぎる。少しくらい魔法くらってやるからさ、もっと本気で来い。事前にマカルから魔力供給してもらえなかったから楽しくないんだよね」


「こちとら本気だ、楽しんでる場合ではない…(高速移動で時間稼ぎでもするしかない)」

魔力を纏わせ光のエネルギーで高速移動を実現させる


各方位からロブへ突進していく


しかし金属音が響くばかりでロブの身体はびくともしない

しびれを切らしたロブは腕を振るって聖犬を殴り飛ばした


ビルの瓦礫に身体を打ち付けた聖犬をロブは追いかける。拳を振り上げ追撃をくらわせる


聖犬は颯爽と起き上がりその場から遠くへと逃げる。そして次の瞬間、瓦礫が粉々になる音だけが響いた


「マジでこいつ、どう倒せばいいんだ…」

流石の聖犬も頭を抱え始めた 


そこに政岡が走って近付いていくる

「ロケットランチャーの準備ができました」 


「まだその手がある、分かった。私が合図を出すからそのタイミングで放つよう指示してあげて」 


聖犬はロブを睨みながら立ち尽くした


ロブはニヤつきながら沈黙を楽しんでいた

 

「魔族のお前に魔力が通じないことは知っている」

 バッ!

聖犬は高く飛ぶ

 

その姿をロブは目で追う

「秘策とやらを見せてくれるわけか…ん?」

ふと目線を下にやると、奥の方にきらめく光が見えた



「放てぇ!!」

政岡の掛け声とともにロケットランチャーから弾が放たれる



「…!?これが秘策ね」

ロブは高く飛んで直撃を避けた


 バーーン!!

 

ロブは、爆発を自身を引き立たせる演出のように振る舞う

「これには少し焦ったよ」


「構わん!ロブを撃ち殺せ!」

政岡が叫ぶ


「まだ無駄な事をしようというわけ…か」

ロブはビルの瓦礫を掴み持ち上げると、それを前方に投げる


 ボガーーン!!

ロケットランチャーの弾は瓦礫に命中、瓦礫は爆散する

「お前らの出来る最高はこれだけか?」


「動体視力も凄まじい…これが魔造の力…」

政岡の無線に連絡が入る。諦めかけていた政岡に希望の光が差す

 


すると、ロブの遠く背後からロケットランチャーの放たれる音が響く


 バゴーーン!!

その弾はロブに命中する


「いつの間にロブの背後を…」

聖犬は政岡のところへ駆け寄って聞いた


「独断で行ったんでしょうね。しかしそれが良い方向にいったようです」



 ………………


「追撃を放つために早く弾を込めるぞ」

ロブにロケットランチャーを命中させたことで勢いをつけ始めたこの人の名前は坂田

他の仲間も勢いづいてそれぞれの武器を構えた

 

すると、その場に響く低い声…

「背後は見落としてたよ、お見事」


「坂田…!背後!!」


「えっ…?」

 ブシャッ!!

ロケランごと、その人は握り潰されてしまった


「坂田が殺され…早くロケランを放…て!」


「こ、こんな至近距離で撃ったら俺らもただじゃおかないぞ!」


「ランチャー持ちを狙うか」

ロブの標的はロケットランチャーを持った人間


「終わりだ…聖犬様、様…」

武器を置いて手を合わせ祈り始める


「降伏を選んだか、じゃあ気絶させてやるから生贄として連れられて来い」

ロブが腕を振り上げたその時…

 


どこかから怒りに満ちた声が聞こえてくる

「何諦めてんだよ!!」

その声は竜輝だった。ロブに向けて強烈な一撃を食らわせる


 バゴンッ!!


その攻撃を食らったロブは瓦礫まで吹き飛んでいく


「マカルはどこだ。今の俺は、お前らを殺なさいと気が済まないんだよ!!」

竜輝は叫びながらロブに走っていった


ロブも勢い良く立ち上がり拳を構えた



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