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魔犬士  作者: チョコ
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44 選択

邪神復活の日が訪れ、その地である立之宮に乗り込むも、スゥイルとロブの脅威が行く手を阻む。

その中で竜輝は未だに真泉にいた。それは真里を取り戻すため…




1人だけ立之宮にいなかった竜輝

彼は何をしていたのか――遡ること1時間前

 

聖犬が集落を去り、立之宮へ向かう準備が進められていた頃だった

 

武器の手入れを終え、魔剣を鞘に納めたその時――

竜輝の携帯が短く震えた

「……?」

 

違和感を覚えながら通知をタップする

開かれたメールを見た瞬間、竜輝の表情が凍りついた

 

――今ロブっていう巨体に追われてる。見つかるのも時間の問題、お願い、助けて

 

「真里……」

息を呑み、すぐに指を走らせる

 

――今までずっと逃げてたのか?

――怪我は?体調は大丈夫か

――今どこだ、真泉町か?

 

返事が来る前に嫌な想像ばかりが頭をよぎる

もし遅れていたら

もし、もう…

 

携帯が再び震えた

――真泉町のアジト、7階のVIPルームにいる

「くそっ」

 

拳を強く握りしめる

仲間、これから始まる戦い

分かっている。ここで単独行動を取れば計画は崩れるかもしれない。それでも――

「待ってろ真里」

 

竜輝は顔を上げ仲間たちの方を見た

 

「すまない。真里と連絡が取れた。先に真泉町へ行くから、必ず後で合流する」

返事を待つ暇もなく魔剣を手に取る

背後で誰かが何かを言った気がしたが耳に入らない。竜輝はそのまま走り出した

 


 


 ………………


竜輝はそのままアジトに侵入していった

 

 ビュンッ…

アジトを囲み守っている門を一息で跳び越える

 

「来たか、竜輝……早くマカル様に知らせねば……」

門の影に潜んでいたヘドロ状の魔物が慌てて通信機器を操作し始める

 


真泉中心部への侵入に成功した竜輝

アジトはもう目の前だった。だが――

「静かすぎる」

 

中に入っても異様なほど魔物の気配がない

嫌な予感が脳裏をよぎる

「真里……真里、どこだ!」

奥へ、奥へ、扉を次々と蹴破りVIP室へと辿り着く

 

「ここだ」

扉を殴り壊し、中へ踏み込んだ瞬間

部屋の奥に鎖に繋がれた真里の姿があった。

「真里!!」

目を閉じ項垂れる彼女へ駆け寄ろうとしたその時、

 

「やはり来たか」

重く低い声、床に滲むように広がる黒い影

そこからゆっくりとマカルが姿を現した


「マカル…!!」


「呼んだのはこの俺だ。これは単なる足止め…とでも言っておこうか」

 

「とでも言っておく?何か他の理由があるのか…!?真里をどうするつもりだ!」


「それは言えない。楽しみは後に取っておきたいので」


「何が楽しみだ…!ふざけるな!!」

竜輝は魔剣を構え走り出す


「この私にどう勝とうというのかね。ハァッ!!」

マカルの周りから無数の光線が放たれる


「うっ、くっ…!」

その光線はまるで雨そのもの、魔剣で防御しても避け続けても攻撃を食らう

だが竜輝は止まらず立ち向かっていった


 キィイン!!

マカルは杖で魔剣を弾く。光線が止まった

竜輝は強気に剣を振る。防御したマカルは壁際まで吹き飛ばされる


竜輝は真里のもとに近寄り鎖を外しにいく

「真里、目を覚まして」


「いけないな…」

マカルは手のひらに闇の玉を生み出しそれを竜輝へ放つ


竜輝のもとに落ちたその玉はマカルの分身へと変わる

分身は竜輝の懐へ潜り込み、腹部へ拳を打ち込んだ


壁へ叩きつけられ、床に転がる竜輝


「そんな程度の力で邪神様復活を止めようと…笑わせる」


 ヒュンッ…!!

真正面から飛んでくる魔剣


だが、マカルは杖で受け止め魔剣を床に叩きつける


それでも魔剣は独自行動を始める。マカルの周りを飛び回り斬撃を放った

 

「蝿と何ら変わりないな」

マカルは斬撃を全て受け切ると、魔剣の行動を見切り掴みかかってくる

 

魔剣はとっさに進路を変え間一髪で逃れる


だが、その先には分身が立っていた

 

分身は躊躇なく刃先を掴む。両端に力を加えて半分に折ろうとし始める

「この剣には魔力が込められている。我ら上級クラスの魔力すら感じる。だがこうやって抑え込めば発動は困難になる!!」

分身の笑い声が部屋に響く


  

 バッ…!

壁を蹴り、竜輝は拳を振り抜く

分身の顔面を打ち抜かれた。分身は音もなく砕け散った

 

「やはりマカルは手強い…この一瞬で魔剣の対処法を編み出すとはな…」

竜輝が魔剣を構える。

だが、マカルの方を見た瞬間その光景は地獄そのものだった


無数に現れるマカルの分身達


竜輝は魔剣を掲げ、叫ぶ

「ロックブラスト!!」


次々と突き刺さる岩粒が分身の動きを止める

だが、岩粒が突き通した跡が徐々に再生していく

「この程度で我らが崩れるとでも…?」 

無数の闇のエネルギーを1つに合わせると、竜輝に向けてそれを放った


 バゴーン!!

激しい爆発とともに竜輝は倒れた



 

 ヒュヒュッ…

竜輝の頭上に2つの闇の球がうごめく

その球から鎖が現れると、竜輝の両腕を捕らえた

「なんだこれ…は」


「こんなもんか」 


「どうして俺をここに連れてきた…本当の理由を吐けクソ野郎!!」

マカルを睨みつける竜輝


「確認だよ。今日はお前らの最終日だから、邪神様復活の阻止を選ぶかこの女を選ぶか、人間の愚かさを最後に味わおうとね」

 

「そんなふざけた理由のために真里を…?」


「女神になる前の最後の姿だ。目に焼き付けろ」

マカルは真里の頭を揺らしながら言った

「優しく思え」


「今日が最終日なら女神はもう必要ないはずだ。ただ単に俺のことを弄ぶためなんだろ!!魔剣!!早く鎖を斬れ!!」

独自行動した魔剣が鎖めがけて向かっていった


「またやられたいのかい」

再び闇のエネルギーを1つに合わせ放った


「オラァァ」

 ズバァッ!!

向かってくる魔弾を切り裂きそのままマカルめがけて剣を振るう


 ガキンッ!!

マカルは杖で竜輝の剣を防いだ

「お前に俺は倒せない」

そう言うと、マカルは念動力を使い竜輝を吹き飛ばした


 バゴーーン!!

 

「ぐっ…俺は、お前を殺さないといけない!!」

竜輝は立ち上がって再び走り出した


 タッタッタッ…!!

見えない念動力を避けながら疾走


「まだ来るか…」

マカルは地に魔法陣を張った


 ゴゴゴ…

地が揺れると、竜輝の足元から角が出てくる

 

竜輝は無数の角を避け、目の前に現れる角は魔剣で斬り落とした


「この一撃さえ、マカルに隙さえ与えられれば…!」


「真里が待っている。早くしてくれ」

マカルは手を突き出し、その手で魔弾を生成させる


「魔弾ときたか…かかってこい!!」

竜輝は剣を突き出しながら走る


だが、魔弾に気を取られている竜輝は足元に現れる角に気付いていない

そのまま角が竜輝の身体を吹き飛ばす

 

 バーーン!!

天井に身体を打ち付けそのまま地に落ちてしまう

 

意識がもうろうとする中、マカルは真里の鎖を外し、2人揃って消え去ろうとする


マカルは最後に竜輝に向けて魔法を放った


 ゴゴゴ……

竜輝の足元からワープホールが竜輝の身体を包んだ

「マカル、逃げるなマカル……殺させろ、殺させろ!!」


 ギュウウンッ……


最後に見たマカルは薄気味悪い笑みを浮かべていた……


 


 ………………

 


ワープホールでその場から消え去る竜輝と魔剣

集落の目の前に落とされる

「強大な力に捻じ伏せられるのが現実…か、最後に真里の笑った顔が見たかった」



 バサ…バサ…

上空を飛ぶマカルの姿、あえてその姿を竜輝に見せつけているようにしか思えない


遠くからでも竜輝はそれがマカルだと気付いた

「今の俺はあいつらを殺すことでしか気が済まない。必ずこの手で」



 バゴーーン!!


立之宮の方で地が揺れるほどの爆発音が聞こえてきた

「俺があの場のいたら…あの爆発を止められたかな…」


色々な感情が混ざり竜輝の体は震えていた

自然と足が立之宮の方面へ向かっていく

 

 


 

 

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