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魔犬士  作者: チョコ
4/22

4 真実は死と隣り合わせ

魔物の住処である真泉町に侵入した竜輝は、途中で望月という記者に遭遇した。一度は離れてしまったがこれがどの様な出会いになるのか




竜輝は中心部めがけてバイクを走らせる

「外側の方には人間の住まう集落、中心部へ進むと魔物達の住処が…」

進むにつれて徐々に視界に入ってきたのは、厳重な警備が敷かれた門だった

その警備員達は、中心部への侵入者を防ぐ警備を行っている様だ


 

竜輝は急スピードで止まった

「くそ…これじゃあ中には入れないじゃねぇか」



 

 

一方で望月は…

「篠原失踪事件、定期的に人がいなくなる事件について知りたいと思ってここに来たのに…一体あの犬連れた人はなんだったんだ。記者でもないなら何しに来たんだ?」

「まぁいい、何か手がかりがあったらすぐにでもSNSに投稿して真実を知らせてやるからな」


望月も中心部に向かっていた


 

だが警備によって追い出されてしまう

「お前みたいなやつが入っていい場所じゃないんだ!帰れ!」


「ぐはぁ…どうしてこんな目に」

散々な目に遭って悲しそうな顔をする望月、颯爽にその場から去っていった

だが彼はまだ諦めてはいなかった遠くから張り込みを続ける気だ


必ず何かを撮れるという直感を頼りに影に隠れて粘り続ける


するとトラックが1台門の前に止まる

警備からの厳しい審査を受け、最終的に中に入っていった



「あれは確かアリガト製菓のロゴ」

「あの会社は確か、政府の計画案不明の大規模工事に支援金を出していた会社…あっもう1台来た」


再び同じトラックが門の前に止まった


 

そして望月はあることに気づく

「運転席の人…あれは本当に人なのか?」

魔物の存在に気づいたのだ  

「これは大スクープだろ、こいつの顔を写真で撮ってやる」

シャッター音の無いカメラで1枚2枚と撮っていく


そうして審査の終わったトラックが中に入っていった

 

「私が見たものは果たして本当だったのか?いやでも私はこの目でしっかりと見たんだ。これはちゃんとした証拠になるはず。SNSに投稿しよう」

 

運転手の顔写真を投稿した数秒後、急に望月のスマホ画面が砂嵐に変わりだす




 


 

  真実を知る者は死を覚悟しなければならない

どこからともなく聞こえる声とともに、スマホから邪神の幻影が飛び出てくる


 

驚いて尻もちをつく望月…

「な、なんだお前は…」


「闇を暴こうとする奴を、その場で確実に殺すためにやってきた」

生贄を数人分消費することで現れた邪神の幻影


「じゃあつまり、私の見た事は本当だということになるな。これも動画に撮ってSNSに…!」


「知りすぎてしまったようだな!」

そう言うと幻影は腕を伸ばし望月の腕を殴った。持っていたスマホが遠くに飛んでいく


 

「お前みたいなやつは邪魔でしかないんだ。お前も生贄になれ…!はあっ!!」

望月の身体を透け、そのまま心臓めがけて腕を伸ばした


 グググッ…!!

ニギニギと心臓が掴まれる…


 

「あがっ…!」

望月は幻影に心臓を掴まれるという感じたことのない苦しさが全身に響き渡る

「つぶれ、る…うっぐっ…」


「ハッハッハッ苦しめ!潰れろ!」 


 グググッ…!

もうダメかと思われたその時…

 



 

そこにバイクに乗った竜輝が向かってきたのだ

 

「誰かと思えば望月か…今助けるから待ってろ」

そのままバイクをジャンプさせ、幻影に突っ込み轢いた 

 


「はあっ、あぁ…あなたは、あの時の…」

言葉が詰まりながら望月は言った


「1人で出歩くなんて危ないぞ。怖い物知らずだか知らないけどさ」

「お前のスマホか?落ちてたぞ」


「ありがとうございます…でもあなたも犬と2人で大丈夫なんですか」


「俺はまぁ大丈夫だ」

少し濁して竜輝は言った


「本当に、大丈夫なんですか…」


 


 ガサゴソ…

「まだだ…」

遠く背後から邪神の幻影の声が聞こえてくる

「邪魔者が入ったとなれば、そいつも殺すのみ」


「やるしかないか…」

竜輝は幻影に向けて鋭い眼光を向ける

腕に熱く燃えたぎる炎を纏わせ向かっていった



「お前、竜輝…」


「消え失せろ!!」

走って幻影に向けて拳を振るった


幻影は竜輝の拳を掴んで防御、反対の手で竜輝の顔面に拳を振るう


竜輝はその攻撃を避け、瞬時に幻影の腹部に拳をいれた



「ぐはぁっ!!」


「火炎弾!」

吹き飛ぶ幻影に向けて火炎弾を放ち続けた



幻影に当たる火炎弾が爆発する

よろけてその場に倒れてしまった

「このままではいられな…い」




その様子を見ていた望月

「一体何が起きているというんだ…」




「あいつだ…!せめてあいつだけでも亡き者に、くらえダークボール!」

望月に目を向ける幻影は、闇の力を解放させダークボールを生み出した

一人でも多くの生贄を増やすために




だが、

 バッ!!

望月に向かっていくダークボールの前にマナが立ちはだかる

マナの光り輝く牙がダークボールを切り裂いた


 

「あの犬め…」


「狙いは失敗に終わったようだな…」 

一気に間合いを詰めて幻影の背後に立つ竜輝

瞬時に攻撃の姿勢にはいる


「所詮私は幻影に過ぎない、勝ったつもりでいるなよ」


「黙れ!」

 バゴンッ!!

竜輝の拳が叩き込まれ、幻影は消え去った 

「ふぅ、なんとか追い払うことはできた」



 

 タッタッタッ…

望月は走って竜輝のところに向かっていった

「助けてくれてありがとう、と言いたいところなんだけど!あれは…何?」


「あいつらは魔物だ」


「うんそれもそうなんだけど、君も炎を使って戦ってたよね。魔法使い?それとも君も魔物?」


「そんな訳ない。俺は魔物じゃない」

「確かに魔法使ってたからこんがらがるとは思うけど、これはマナに教えてもらったものなんだ」


「マナ?」


「ほら、一緒にいる白犬のマナ」


「・・・嘘つけ〜!」


「いや本当だから…」



 

 ゴゴゴ……

すると、中心部を守っていた門が急に開き出した

そこから魔物達が数体出てくる


竜輝の様子を見ていた警備員達が通報したのだった



いち早くそれに気付いたマナは急いで竜輝に伝えにいった

「竜輝、門から魔物が5体程現れた。早めに撤退したほうがいい」


「犬が、喋った…?!」

マナが急に喋ったことで望月は驚いた


「そんなことどうでもいい、早く行くぞ」

竜輝は望月の手を引いてバイクに乗り込む

 

 

望月はマナの乗るはずの後部座席に乗った

マナは、竜輝と望月の窮屈な間ですし詰め状態になる

「なんで私がこんな目に…」



竜輝はバイクのエンジンをかけ、その場から逃げようとする



しかし…

「いたぞ!逃げるな人間!!お前らは破壊してやる!」

魔物達はダークボールをバイクに向けて飛ばした




竜輝はバックミラーを見ながら器用にその攻撃を避ける



「激しい、激しいって…!おち、落ちるぅ!」

望月は竜輝に掴まるのに必死、向かってくるダークボールが当たらないかが心配で怯えている

 

だが、なんとか逃げ切ることに成功出来た






 ………………


小苗村

2人はバイクから降りて竜輝の家へと入っていった


「改めて助けてくれてありがとう、名前は何だっけ」


「竜輝」

返事をしながらリモコンでテレビに電源をつける


「竜輝ですか、それより…さっきの魔法について教えてもらいますよ」


「あの魔法はマナから教えてもらったもの」


「犬が魔法を?」


マナが喋りだす

「私は魔物の長である邪神と戦った」


「犬がしゃべりだした!やっぱり慣れない…!違和感しかない」


「その時の相討ちのおかげで、邪神は肉体を消失し、精神だけが残った。だが私は力の源である聖なる力が損傷した」


「なんだかよくわからないけど…」


「君の事を襲っていたあの幻影は邪神によるものだ。あいつは今人間を生贄にして再びこの地に降り立とうとしている」


「まさか、私が追っている失踪事件の原因って…その生贄にするため?」

 

竜輝が言う

「だろうな。だだネットの規制によって情報を拡散することが出来ない。だから俺は邪神の復活前に魔物全員を殺す」




 

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