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魔犬士  作者: チョコ
38/48

38 無価値な警告

竜輝が歩を進めている影で、ひっそりとある男も計画を進めていた。それは魔物を世間に伝えるということ



――おい!あそこの神社に妖精の死骸があったんだよ


――未確認生物って奴か。でも妖精って、虫の群れとか残像が光の加減によってそう見えただけなんだろ?


――だと思ったんだけどそれがマジなの。しかも俺と同じデカさなんだよ


――確かお前身長175cmだったよな。じゃあもうそれ人じゃね?


――でもね、蝶々みたいな羽が生えてるんだよ!とにかくついてこいよ


 

 

その男2人の会話を割って安西が話を聞きに行く

「あの〜すみません。私ネットニュース会社に勤めている安西と言います。盗み聞きしたわけじゃないんですけど会話が耳に入ってきてしまいまして…」


――妖精ならあそこの神社で死んでますよ。でも未確認生物と言われてた妖精が本当に存在しているとは…


「妖精ね……じゃあ情報ありがとうございます」




 ザッ…ザッ…

神社の敷地内に入る安西、辺りを見回すも魔物の姿は見当たらない

「無いな…あの人達が嘘をついてる感じはしないからな」

 

すると、安西は1つ床が血溜まりがあるのに気付く

 

「血溜まり…ここに死体があったってこと…… 待てよ、あの人が死体を確認したのは直近のこと。なのに死体がない」


安西は周りを見回した。

すると賽銭箱辺りで謎の魔物2体がスーツケースに何かを詰めていた。詰め終えるとケースを転がして神社を出ていく


「証拠隠滅ってことですか、ついて行ったる!」 


望月の追跡が始まる

20mほど先を歩く魔物2人、アスファルトの道をコツコツと歩いている

安西は民家の塀に身を寄せながら一定の距離を保つ

 



 プルル…プルル…

「(こんな時に電話…?!でも慌てたらバレる)はいもしもーし」

その場に止まって電話を受ける


――安西さん、今日いないんですか?


「望月か、そうなんだよ。ちょっとそこらを散歩でもしようかなって」


――珍し、安西さん普段そんなことしないのに


「俺は意外と身体を動かすのが好きなんだよ。まぁすぐ戻るから安心しなさい。はい切るよ」

携帯をポケットにいれるとすぐさま魔物2人の行方を確認する

魔物2人は左に曲がって小さい駐車場に入っていくのが分かった

「気づかれてる素振りは今のところなし、あえてそうしているのかどうかは分からないけど…」

怪しつつも後を追っていく



その駐車場に近づくたび魔物達の声が聞こえてくる

駐車場の出入口横で、車の影にしゃがむと、安西は慌ててカメラを回す



車のトランクにスーツケースを押し込む魔物2人

「いったん休憩しよう」


「いいな、火くれ」

魔法を使ってタバコに火を付ける

 

「遂に明日だぞ、覚悟出来てる?」


「そうだな〜明日か。でもホワイトウルフさえ気を付けておけばいいだけだし、覚悟もクソもないだろ」



安西は影でその様子を撮影しだす。"明日"という言葉に引っかかりその真相を聞こうとその場を粘る


「明日の………」


魔物達の会話を息を呑んで聞き入る

魔物達の言う"明日"の全貌を知った安西は、魔物達の車が発進するまで動けなかった

「このままじゃこの世界は終わってしまう…!」

車がいなくなったことを確認すると、安西は勢いよく走った


 


――1時間後

 

安西大急ぎで会社に戻ってきた

「みんなすまない遅れたよ…」


息が上がっている安西を見て望月は言った

「安西さん!いますぐテレビ見て!」


「テレビ?なんで…」


テレビに映るはファルの死体を囲むブルーシート

ホワイトウルフが現れたことを緊急速報で流していた


「この場所…!(妖精が死んでいたところとだいぶ近い。じゃあ妖精はホワイトウルフによって…?)」


「どうしたんですか?もしかして、さっきまであそこにいました…?」


「は、ははは…そんなわけないだろ。あの化け物達を調べるのは危険な事なんだ」

「それより俺は自分のパソコンを探していてね」

安西は机の上のパソコンを手に取りその場を去ろうとする


急ぐ安西の肩に置かれる望月の手 

「なんかしようとしてます…?」


「止めないでくれ」


「そんなこと言ったって…」


「俺は証拠を掴んだんだ!俺ならこの世界を救えるから!俺達がネットニュースを書く理由は世に真実を伝えるため、今までは謎の圧力におびえてたけど、望月が竜輝とコンタクトをとってくれたおかげでそれが魔物であると知れた。後もう少しだから」


「どうなっても…知りませんからね」


「覚悟は出来てる(後は君達を守りつつ暴くこと…)」 

安西は事務所から出ていった




自宅に帰った安西 


安西の手は震えていた。それでもキーボードをたたく手を止めはしない


正午を過ぎた頃、1つのネットニュースから明日起こることの記事と動画が放たれる



 明日昼12時頃、立之宮にて真泉に潜む魔物が一斉に襲いかかる。辺りは火の海と化し、その場にいる人は全員生贄となる。………



その記事を投稿して後、数分も経たないうちに通知が爆増する。だがその内容は否定的なものばかりだった……


  

【デマ確定】ホワイトウルフに便乗したイタい会社

騙される奴いる?加工臭

てかなにこの会社、無名過ぎて草www

なんか一定数こういう界隈あるよな、陰謀論ってやつ?

私には関係ないかな


 

やはりダメかと安西は項垂れた。AIが普及した今の時代、動画なんて簡単に加工できる。証拠の動画を上げたところで信じてくれる人などいない……


そのとき、流れの速いコメントの中に一つだけ、ふと目に留まる文字があった。



 あの動画は本物だ。貴方達は嘘をついていない



 ………………


真泉市民ホールに身を隠す聖犬達

手下の1人が安西の投稿した記事に気付く 

「聖犬様、このニュース記事をご覧下さい」

  

「闇を暴こうとするのが竜輝以外にもいるとはな…直ちに肯定的なコメントで埋め尽くせ!魔物のネット監視は竜輝によって破壊された。これも魔物との戦いのうちの1つ、情報戦だ!」

 


 俺はこのニュース会社を信じてる

 安西って、妖精の時の人?

 生贄が本当だとしたら他人事じゃないよね

 批判してる人って動画加工してるの一点張り、聞く耳を持とうとしない

 


 ………………


当然記事はマカル達にも知れ渡る 


「ネットニュースの記事に例のことが書かれていた? 」


手下がその内容をマカルに見せる

「魔物の会話としてその動画も記事に載っていまして…」


「直ちに解析して殺せ!!そしてその動画に映っている奴らも処刑だ!!」


「は、はい分かりました!」


「予言の通りになってしまった…邪神様復活の予言のはずでは無かったのか…?もしかして、最初から復活のしない予言を聞かされていただけ…?いや、」

マカルは自室から勢いよく出ていった



 

邪神を奉る祭壇に到着すると、マカルはすぐさま土下座をする

「邪神様すいません!!私のせいで明日の計画が世に知れ渡ることとなってしまいました」


「頭を上げろ、何をそんなに慌てている?予言の通りに進んでいる」


「予言の通りに進んでいる…?だからマズイんです。私たちの立てた計画が世に知られることがこちらのメリットになるはずがない。やはり予言に何か不備があったとしか……」


「どのようなメリットなのかは"明日の予言"にて分かることだ。予言の通りに行けば私が復活するのは絶対であり不備など起きない」

「予言は序章と過程を伝えるだけで結末は教えてくれない。だが序章と過程の辻褄を合わせれば結果的に結末も揃う」


「本当に大丈夫なんでしょうね…」

 


 キイィ……

扉が開き、祭壇場にマカルの手下が上がっていく

「マカルさっ……ひっ、これは邪神様の分身…!」


「私の手下か…どうした何を慌てている」


「ホワイトウルフが配信を始めました!用意をして下さい」


「分かった。ここを乗り越えて必ず明日を迎えよう」




 

 ホワイトウルフの配信が始まる

「はあぁ…だいぶ時間は経ってしまったが、ようやくこの時が来た」


ホワイトウルフの装甲には不思議な程の大量の血がついていた。それは4時間ほど前に遡る……

 

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