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魔犬士  作者: チョコ
31/48

31 禁術

女神と対峙したリュウガだったが、女神は妻である輝子の力によって動いていた。最終的にィザァンプの設置した爆弾が女神を奈落へと落とさせた。リュウガは悲しみに暮れる中、竜輝達と出会う。そしてロブとアグルクとも出会ってしまった





「お前らを必ず殺す!!」

アグルクは足を踏ん張り、怒りのままに刀を投げた

独自行動を始めた刀がアグルクへ襲いかかる――


たが、アグルクの槍さばきを前では刀は弾かれるだけだった 

「こんなものでは俺は殺せないぞ!はあっ!」

力強く槍を振り下ろす

 

刀をはたき落とすと同時に、リュウガへ槍を構え飛びかかってきた

 

リュウガは後ろに飛んでかわす。だが横にはロブの姿――

 

ロブの体当たりが直撃しリュウガを吹き飛ばした




その瞬間、竜輝が猛スピードで接近。

ロブの頭上に現れると回し蹴りを食らわせる


ロブは即座に腕を前に構えて防御を行う

蹴りの勢いで後ろに押されるも、足を踏ん張って耐えた

「今までの俺ではない。俺は変わる。お前を壊す為に」


猛スピードで再び猛攻を仕掛ける

少しずつロブの装甲が凹んでいくのが分かる


ロブは唸って言う

「もう1人は怒りにのまれ使い物にならなくなった。残りの2人も重度の怪我、お前さえ殺せば…!」

ロブは竜輝の脚に手を伸ばした。しかし、高く跳躍してかわされてしまう…

 

「俺にはまだこの刃が残っている」

竜輝は怨念の剣を掲げ、両手で力強く振り下ろそうとする


「只者ではない剣。だがこの気…奪える…!」

ロブは手のひらを前に突き出した


このままでは吸収されてしまう…

竜輝はすぐさま片手に持ち替え、横一線に剣を振る


 ズバァッ!!

ロブの右腕から血しぶきが吹き出す


黒い装甲を纏った竜輝の睨む目がロブを襲う。だが怖気づかずロブは睨み返す


「前の様に俺に怖気づけ…!ロブ!」

竜輝は拳を強く握った


 

 ヒュンッ…!


背後から風を突き抜けるような音

気がつくと、槍が竜輝の背を突いていた


血が噴き出し、竜輝の体が前のめりに崩れる

アグルクは飛びかかって槍を掴んで抜いた。槍を構えて再び襲いかかる


竜輝は槍からの攻撃を剣で受け続ける

疲労から隙が生まれ、そこへ一撃、二撃と苦しい展開を強いられる


そこへリュウガが唸り声をあげながら飛びかかる

アグルクを地面に叩きつけ、馬乗りなって殴り続ける


「どきやがれ…!」

アグルクは背中に向けて槍を刺し続けた


苦しい声が響き、同時にリュウガの腕が鈍くなる


そのタイミングでロブが竜輝を蹴り飛ばした

馬乗りになるリュウガを掴み地面に投げ飛ばす




「元からボロボロのお前じゃ、勝てたところで嬉しさがない。だがお前は我らに不要な存在だから排除させてもらう」

ロブは竜輝に近づいていった



だが次の瞬間、ロブの足元に稲妻が落ちる

「なんだ…」

上を向くとそこにいたのは聖犬、聖犬が空を漂っていた


「魔物の中でも腕のある奴らが2人と…いいタイミングか」




竜輝達は顔を上げて助けを乞う


「聖犬の野郎が来やがった。まずどんなものか見てやるかロブ」

アグルクは槍を構えて言った


「光の介入が新たな闇を生み出す。マカル様の言っていた通りだ」


「ん、どうしたロブ?」


「何でもない」



 聖犬の周辺に光のエネルギーが生み出される

 次の瞬間無数の光線が放たれる

 


「あの光線は俺が全て吸収する」

アグルクの前に立つロブ、手のひらを広げて構える


「オーバーヒートだけは気を付けろよ!来るぞ!」



「ふはは!吸収出来るとでも思ったか?」


 軌道のうねる光線がロブの手のひらを避けていく

 まるで生き物かのような光線はアグルクを襲い出した


 バーーン!!


 吹き飛ばされると同時に槍も飛んでいく

 無数の光線が槍を粉々に破壊させ、アグルクを襲った


「くそ、吸収しようもないし避けようもない…」

食いしばって悩むロブ

遂には光線の向かう先がロブへと、変更される


 バゴーーン!!


手も足も出ずにただ食らうのみ

その隙を見て竜輝達は仲間を引き連れてその場から去っていった




「所詮は生贄を連れて行くだけしか能のない邪神の奴隷、敵はマカルだけだな」


「犬め…」

ロブが立ち上がる

「どうして俺がここに来たと思う?見回りでもしていたと思うか?あの奴らを倒すため?全て違う」


「私に殺されるためか?勝利の女神はお前らに微笑まない。お前らに微笑むのはなんの実体も持たない邪神だけ」


「勝利の女神を殺し、高らかに笑い続けているのが邪神様。あぁ聞こえて来る、その笑い声が」

「俺は邪神様に力を頂くためにここに来たんだよ」


「時間稼ぎももう終わりだよ。その笑いは幻聴に過ぎない!ハアッ!!」


無数の光線が隕石かの如く降り落ちてくる


 


「邪神様!今こそその時です!禁術を始めます!」

ロブは天を見上げ、大きな声で絶叫した


アグルクはロブの方向を見て不思議がった

聖犬は怪訝な顔をして様子をうかがう

 

 


 ゴゴゴ……

空が暗くなり始める


おかしい雰囲気をいち早く察知した聖犬は、放った光線の進みを早める

「これは何かが起こる、いち早く止めるのが吉!早く落ちろ!」

 

 ビュオンッ!!

 

ロブは、ニヤつく顔で聖犬に睨みを利かす

「お前じゃあ止められない」


 

次の瞬間…

 ギュウンッ!!

ロブとアグルクの周りを何かが包んだ


 バーーン!!

聖犬の攻撃はその"何か"に当たるも傷は付かない

 

その"何か"は次第に巨大なオブジェへと変貌していく。だんだんと形づき、邪神の姿を形成させた


顔には宇宙の深淵を覗き込むような深紅の眼光が一点、そして腕の代わりに生えた翼が一本、二本、三本、四本とあり、その翼がロブを守る様に包んでいた


途中でオブジェは切れており、胴体の下半分からは確認できなかった


 

「邪神…何故邪神がこの世に!生贄が終わったのか?いやありえない、まだ不完全な姿」

 

聖犬は光線を放つ


 プシ…プシュ…

しかし、邪神のオブジェは壊れる様子もない



「邪神…!何故お前がこの世で実体を持てている!!」


 

 すると、邪神の声が聖犬の脳内に直接届く

 ――マカルの手引きによってこのように派手な演出をしてもらったまで、禁術が終わればこれもなくなる


「邪神!必ず俺はお前のことを殺す!」

  

 ――聖獣より下位の存在であるお前が私を殺すことは無理に等しい。だって、今のこの状態でもお前は勝てない

オブジェから闇の光線が放たれた


 ズザッ…!

その光線が聖犬の身体をかすませた

「このままじゃ…何が生まれてしまうんだ…!」


  



 

 ――オブジェの中は非常に混沌と化していた

 

  

「どこだここは…?!」

薄暗くなった周りをアグルクは見回す

「邪神様のおかげでなんとか逃げ切れたということなの…か?おい大丈夫かロブ!」

アグルクはロブの方を見た

 

しかしロブは一向にこちらを見ない

  

「お前は最高の仲間だった…でもそれはこの日のため」

ロブは意味深な言葉を吐き捨てた。そう言うとロブがこちらに視線を向ける

「来て下さい…」

そう言うと、アグルクの頭上に巨大な邪神の手が現れる


 

「なんだこの影は?」

アグルクが頭上を見ようとした瞬間…


 ガシッ!!

 

邪神の手がアグルクの片腕を掴み、宙吊りにさせる

「おいなんだこれは…!いったいなんのつもりだ!」


 ――これは生贄術、アジトに封印されし禁術をロブが解き放ってしまった

 ――生贄には力を受ける者の親愛なる仲間、家族を捧げなければならない。それ以外は何も必要としない

 ――そしてそれにお前は選ばれたアグルク!!


「なんで俺が…」

「俺はまだ戦える!邪神様の生贄になるには早すぎるはずだ!」

 

 ――そういうことじゃないんだ。お前は"ロブの"生贄として選ばれたんだよ。まぁいつもお前がやっていることだ 


「ロブの…?訳わかんねぇ!」

「まさか…急にすり寄ってきた理由はこのためだったのかロブ…なんでこんなことを!!」


「力のためだ…」

ロブはこちらを見ようとしない

 

「己の力で勝つことに意味があると言ってただろロブ!」


「お前の肉体を生贄によって、己の力に変えるだけ…あの時闘技場で負けて以来、魔造である俺に悔しさの感情を植え付けられた。白犬使いによって変わってしまったんだよ!」


「こんなことをしなくても俺等なら力を手に入れられる!こんなことしたって仲間が減るだけ、俺らの存続の衰退に関わるんだぞ!たった1つのお前の私情で!」


「聖犬相手に俺らはあのザマ、どの口でそんなことを言う。力の分散は意味がないということを気付け」

 

「許さない…許さないロブ!!」


「やって下さい」

その冷酷なロブの合図と共に邪神の手がアグルクの腹部に向かった。鋭い爪が傷をつけ多量の血を流させる


「ガアアァァ!!」

アグルクはあまりの痛みに発狂する。痛みに耐えながらも双刃槍を召喚し、邪神の腕を斬ろうとした。

しかし、パッと一瞬の内にその槍は消え去る

「なんで、なんでなんだよ!」


 

 ポタッ、ポタッ、

真下で構えていたロブにアグルクの血が降り注ぐ


ロブは無言でその力を受け入れる



 ミチミチ…

「アアアアアアア!!」

アグルクの片腕が握り潰される 


 ミチミチ…!

「アアアアア!!」

もう片方の腕も握り潰される


痛みによって失神したアグルクは次に脚を掴まれる

身体を絞られ、血を大量にロブに浴びせる

「あ…ぐっ…」


 

 ――力を求めし魔造に、アグルクの身体が生贄になる時、知性と強靭な肉体をもった存在が生まれる

 ――生贄というのは酷く残酷なものだ。だがその先にあるのは美しさ!さぁその姿を拝ませろ



オブジェ内にアグルクの悲痛な叫び声が響き渡る


だがその叫び声が止まり、一瞬の静寂が生まれる

  

その瞬間変わり果てたロブの姿がそこにはあった

 

トゲトゲしい装甲が身をまとい以前の面影は無くなっていた


 




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