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魔犬士  作者: チョコ
26/48

26 潜入

聖犬から逃れた竜輝達、USBを持って集落まで戻ることが出来た。竜輝は体を休める潜入することを試みる


だが、謎の闇にて赤子の泣き声が聞こえてくる



 

闇に潜む部屋、ゆりかごで揺さぶられている1人の子供

そのゆりかごを囲うように2体の魔物がその場にいた 



そのうちの一体はスゥイル、長い爪を閉まってその子供をそっと抱き抱えた

スゥイルの顔を見た途端その子供は泣き始めてしまう

「そうか、俺と君は違うもんな。でも…」

低い声で言うスゥイルの姿は、どこか父親のようだった


「スゥイル、この事はバレてはいないだろうね」

もう一体の魔物の名前はィザァンプ

老人のような姿をした魔物


「あぁバレてはいない。ただ、アグルクとエゴロトに怪しまれだしてはいるがな」


「君は父親になった。だが、我らが人間との子を宿すとどうなるのか分かるよな」


「下級の奴らなら殺されて終わり、中級以上なら地位がワンランク落ちる」

「ただし許されているのは、女神との配合だけ」


「わしの空間移動魔法があれば隠せる。だが下級の奴らがどれだけ処罰されてきたか…まさかスゥイルがな」


「必ず隠し通す」


「それならここばっか寄らず、ちゃんと戦闘もしないといけない。第一に怪しまれないことが重要じゃ」

「その子供はスゥイルを大きく変えてくれる存在じゃの…」

 

「向かわなければならないようだ……空間移動で戻してくれィザァンプ」


「その意気だ」



 


 真泉下層集落 竜輝の家――

 


「ふうぅ…なんとか戻ってこれた。じゃあ早速取ってきたUSBを確認しましょう!」


「ちょっとだけ休憩してもいいか、傷が痛む」

家の中に入ると、竜輝はすぐに横になった


「そうだった!じゃあ…」

河井は着ていたベストを脱ぐと、ポケットから救急セットを取り出した


するとそこにマナが歩いてくる

「だいぶ無茶したね。じゃあ回復しておくよ」


「喋った…?」

河井の不思議そうな顔 


寝ながら竜輝は口を開く

「相手は聖犬、マナと同族の奴だ。聖化済みだからマナよりも何倍もデカいし、魔力の差も違う。そんな奴が市民ホールを占拠していた」


「聖化ね…」


「俺に構わず聖化出来るならしていいんだぞ。俺との記憶が無くなるったって、邪神の復活を阻止する方がマナは大事だろ?」


「……聖化はまだ出来ないかな。まだまだだよ」

 


  

一連の光景を見ていた河井

「このワンちゃん喋ってましたよね…?」


マナは河井の方を見つめて言った

「私はそういう生物なんですよ」


「聖犬ってことですか?ということは、あの聖犬と何か関係があるんですね」


「私が聖獣だった頃の仲間でしょうね」


「あなたは聖獣…?世の中分からないことだらけだぁ…」


肘を立てながら寝ている竜輝

「河井〜USBやっちゃっていいよ〜」


「……(傷が癒えたのかめっちゃくつろぎ始めたな)」

河井は治癒能力を目にして驚きつつも、USBをパソコンにさした

画面に現れた映像データにカーソルを合わせダブルクリックをすると、相田の顔が映った映像が現れる

「一緒に見ますよ」

河井は竜輝の目の前にパソコンを置いた


「ちょっと近い…!」


「それは自分で調節して下さいよ」


「ちょっと私も見せてくれ」


「ワンちゃんは僕の膝の上で見ましょうね」




 映像データ――


見どころがないところも飛ばさずに見続ける竜輝達

 

相田達がパスを使って門を通り抜け、魔物アジト内部に侵入したところまで見進んでいる



入ってすぐのアジトの地図が映される


竜輝は、映像を止めてその画像を自身のスマホで撮った

 

再び映像を動かし、相田達はエレベーターを使って武器庫へと行きだした

そして、武器庫での魔物の名簿、日記、謎の禍々しい箱の存在を竜輝達は知る


だがここからが悲惨だった。突如現れる邪神の幻影が彼らを襲い出す


仲間の悲鳴が聞こえてくる


二手を分かれて逃げる相田

必死に走っている映像を見て、急に竜輝は映像を停止しだした 

「なんか聞こえなかったか?」


「聞こえましたかね…?まさか…心霊現象とかじゃ?」


巻き戻してもう一回同じところを見る。すると


「くぅ……いど…」

確かに何者かの声が聞こえていたのだ


だが結局聞き取れはせず、何も特定できなかった


そして相田は迷いしものが行き着く女神の部屋に到着

女神の大きな腕によって潰されて死んでしまった



 



「映像が後になるに連れ情報量が多すぎて…まとめようか」


「僕は1回見たのでなんとなく分かるんですけど」

「まずパスはほぼ無意味、そして地図は写真撮りましたね。そして、魔物の名簿、日記、謎の禍々しい箱…この箱はあんま関係ないか」


「いや…ちょっと匂うな。なんかヤバそうな匂いが」


「そして謎の影が追ってきたり、デカい銅像が襲ってくる。後、心霊…?これは新たな発見ですね」


「それを聞いて分かった。潜入はだいぶ難しいってことに…まず最初の門をバレずに突破は出来ないだろ…」


「確かに…」

マナも河井も共感してしまう


河井が言った

「でも、これじゃあ竜輝さんがボロボロのズタズタになったのが無意味になっちゃいますよ。せっかくUSB取れたのに」

  

「ボロボロのズタズタって、俺はあんたのことを助けたんだぞ」 


「そう、実は竜輝さんは僕のことを助けてくれるんですよね。最初は助けないとか言ってたのに」


「次はホントに助けないけどいいのかぁ!?」

 


「まぁ一旦様子見るのもありですね」

冷静にマナは応えた

「明日にでも様子見しましょう」



 


 そうして朝になり――


寝ている河井を叩き起こす竜輝

「早く朝飯食って武器の用意しろよ河井」


「ここに来てだいぶリラックス出来てるからか、あの時よりも眠たいよ〜むにゃむにゃ」


「むにゃむにゃ言ってる場合じゃないぞ」

竜輝は河井を持ち上げ、食卓の椅子に直接座らせた

 

「はっ、いつの間に食卓に…!こうなったら仕方ないかぁ…いただきま〜す」

 

竜輝は自分の飯をかき込むと、すぐに武器の手入れを始めた。今日の戦いを想像しているのか表情は険しい


一方で河井は、まだ夢の名残が抜けない顔でパンを頬張っていた。

「ふぁぁ〜、眠気は残ってるけど……まあ腹が満たされりゃ戦えるだろ」


「お前な、敵の本拠に向かうって自覚あるか?」

竜輝が呆れた声を投げる


「わかってるって。ほら、ちゃんと銃の弾も込めたし」

河井は食器を片付けながら腰の武器を確認して見せた



 


そして、マナと二人は互いに荷を背負い戸口に立つ。

家の中に残る温かさを振り返ることもなく、扉を開けて朝の冷たい空気へ踏み出した



 

 


集落を抜けて中心部へと真っ直ぐ進む。目線の奥には中心部を守る門、そして微動だにしない魔物が2体立っていた


「やっぱりバレずに行くのは難しそうだな…」

竜輝は眉間にしわを寄せると足を止めた


「どうしようね…」


彼らは魔物の目につかないように、枯れている木に座り込んだ


「やっぱりバレるの前提じゃ……ダメですよね」

河井は、竜輝とマナの表情を見るとすぐに言い直した


「もちろんダメに決まっている。マカルが現れた時点で潜入は失敗になるからな」

「どこか抜け道を探して……いや、あの魔物が抜け道なんてヘマしでかすわけがないもんな」

竜輝は考えれば考える程、潜入することが出来ないと察してしまう



門の前に佇む魔物2体を見つめるだけでただ単に時間が過ぎてゆく。だが引き下がることはしたくはなかった



すると、門に向かって一人の男が歩いていくではないか

 ザッザッザッ

その男は手に刀を持っている。リュウガだ


たた、竜輝達はリュウガの存在を知らない。不思議な目でその様子を伺っている


 

そうしてリュウガは門番の目の前に立った

少しの静寂の後、リュウガは刀を構え、瞬時に1つの首をはねた


 スパンッ!!


「何奴…!?」

横にいたもう一体の魔物は血管を浮き上がらせ体を肥大化させる。その腕でリュウガに襲いかかった


 カキィン!

刀でその攻撃を弾くと、高く飛んだ。そして、刀を構えその魔物の首も瞬時にはねてしまった



  シュタッ…

華麗に着地すると、刀を鞘におさめ歩きだした。

向かう先は門を開閉させるスイッチ。人差し指で押すと、重厚感のある門が少しずつ開けていった

「ゆけ、竜輝達」

リュウガは呟いた



 ボロボロ……

中心部を囲う壁から所々瓦礫が落ち始める。無数の小さな穴が空くと、そこから防犯カメラが現れだした

「相手はリュウガ、戦闘モードにはいります」

壁から現れたカメラから6本の細い脚が生えだす。壁を伝って地面に降りるとリュウガをすぐさま囲みだした


「小物が…!数で攻めようとも俺はやられないぞ」

「さぁ、俺が囮になっている間にゆけ竜輝達…」

竜輝達の方に目線をやると、リュウガはカメラ達と戦い始めた


 


竜輝はその意を汲み取り、河井達と走った 



 

 


 アジト外監視施設――


「防犯カメラにて門前にリュウガが現れた。ただちに中級、もしくは四天王の派遣を要請します」


「何度も通信を試みていますがスゥイルとの連絡が取れません!こうなったら他の…」

大慌てで監視隊が動き出す



 ウィーン…

扉が開く音

 

急いでその場に現れるスゥイル 

「ふぅ、ふぅ…少し連絡確認を忘れてしまった。すまない、俺ならいけるぞ」


「スゥイル様、一体どこにいたのですか」


「そんなのどうでもいいだろ、早く侵入者の位置を俺に教えないか!」


「は、はい!侵入者は南の門を突破、今は監視部隊が応戦しているとのことです」


スゥイルは爪を鋭く構え、すぐさま南の門へと向かっていった


「スゥイルが向かっている間にリュウガはこの建物へと侵入しているかもしれない。念のためにィザァンプを用意しておこう」





一方で竜輝達はというと… 


 

 タッタッタッ…!!

「竜輝さん、あの人のおかげでバレずに侵入出来ましたね!」


「あぁ…(あの人の刀さばき、絶対に魔物だ。だけど助けてくれた。やっぱり俺みたいな魔物は存在するんだ)」 

「よし、ようやくアジトの入り口が見えて…ん?」



目の前にはアジト、そして巨大な入り口が見えてくる。だが入り口は開けた状態であった

これは北門、東門、西門を警戒するために多くの魔物が外へと出ているためだ


「あの人があそこの門を開けたことでアジトも大騒ぎしているのかな?でもいいチャンス」

 

「バレずに侵入するぞ!」

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