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魔犬士  作者: チョコ
24/48

24 聖犬の加護

アジト侵入は当然の失敗に終わった

平華教に不信感を抱く河井は今回のタイミングで決別する




邪神の幻影は、通路を歩いている魔物を見つけた

「おいそこにいる奴。この侵入者を祭壇につれていけ」


「はっこれは、邪神様!!一体何故こんなところに」


「平華教の生き残りを殺していた最中だよ。分かったら早く生贄に持っていけ」


「はい、分かりました」


「こいつらが放った電波のおかげで平華教のアジトが知れた。今夜中にマカルを向かわせよう」

幻影は冷たい笑みを浮かべた




 

 夜――真泉市民ホール


佐武と須川は、2人だけの秘密の部屋でくつろいでいた


  

「流れ星ね、佐武」

窓の外、夜空に見えた流れ星で思いにふける須川


「綺麗だな。俺ら平華教が魔物に勝てたらあれを誰にも邪魔されず見れる」


「平華教平華教って、私のことも見てよ」


「見てるさ、流れ星よりも君のほうが何倍も綺麗さ」


「そんなこと言って」

 

室内の窓から見える夜空

だが、須川の目にはその夜空を漂う1つの人影が見えた様だ

「何か人影が見える…見て佐武」


佐武はしぶしぶ須川の指差す方を見た

人影が見えたのだが、次にその人影の背後に光り輝く星が見える

「なんだあれは…」


すると、その星がだんだんとこちらに近づいてくるではないか

1つ2つと数も増え、流石に佐武は恐怖を感じ始める

「須川、いったん逃げるぞ」


「え、どういうこと?」


「魔物だ!魔物の奇襲だ!」

佐武は須川の手を掴んで部屋から出る

「くそ、潜入班がやらかしたせいで…!」

 タッタッタッ!!

必死に逃げる


 

すると、

 

 ボガーーン!!

真泉市民ホールの一部が破壊される


「この施設が狙われている。仲間の無事よりもまずは俺達が逃げ切るんだ!」

必死に佐武は須川と走って逃げる


 


 



 ………………



流れ星による真泉市民ホールの崩壊、平華教団は喚き叫びながら逃げ惑った


 

 

「み、みんなはどこ…早く外に出ないと…」 

マカルの魔弾が真泉市民ホールを壊し続けている中で、河井だけは1人逃げ遅れてしまった


 

男子トイレを出た先は、3方向に道が分かれている

左手と右手に行けば遠周りだが裏口に続く道がある

真っすぐ行けばすぐ近くにエントランスホールがあり、そのまま出口に出られる

 

河井は迷わず真っ直ぐに行った。だが、



 ゴゴゴ……

 ズシーン!!

天井の一部が崩れ、道を防ぐように落ちてしまった

「遠回りになるけど、反対の裏口から行くしかない…」

後ろを振り返って再び走り出した



 ………………



佐武達は3階から下に降りるまで時間がかかっていた

 

1階に着いてこのまま出口に行こうと思っていたものの、崩れ落ちた天井が道を塞いでいた

「くそ、こんな状況でどうすればいい」


「裏口があったはず、そこから逃げましょう」 



 ボガーーン!!

出口の方で大きな爆発音がした 


須川は息を呑んで立ち止まった

「この崩れ落ちた天井のお陰で…私達助かったかも…」

 

「まだ出るまでは助かったとは言い切れない。早く裏口へ行くぞ」


佐武と須川は裏口へと猛ダッシュする。隕石による衝撃波によって、建物が尋常でない程揺れているのが分かる



河井の逃げる道と同じ道を辿る。その先に裏口が見えたと思いきや、共に走る河井の姿が見えてきた

 


「河井!!お前も裏口へ向かっているのか?止まれ」


河井は走りながら後ろを振り向いた 

「一刻も早く抜け出さないといけない状況なんです!!私は先に行かせてもらいます!!」 


「命令を無視するな!!お前は俺に助けられた身だぞ」

「くそ、あいつ前から口答えするやつだと思ったら、本性表しやがったな…」



 ゴゴゴ……

上から何やら物音がする

すると、須川の頭上、天井がひび割れ、須川を覆うように瓦礫が落ちてきた


「キャアァァ!!」


「須川!!」


 

凄い物音を聞き、河井は走る足を止めた。再び後ろを振り返る

「一体何の音だ…?」

目線の先には自身の名前を大声で叫ぶ佐武の姿があった


「河井!!助けろ!!」


河井は一歩後退りをする。出口の扉に手をかけた

「俺は駒にはなりたくないんです…すいません」


 バッ!!

思い切り扉を開けて走り去ってしまった…


 

「河井!!河井!!!」

声が枯れるほど叫んだ

  


その横、瓦礫の中から須川の手が伸びる

かすれた声で須川の声は聞こえないが、その手で最後佐武を触りたかった

「ぃっ……て…」


 

 ゴゴゴ…… 

気づいた時にはもう遅かった。佐武も天井の瓦礫に潰されそうになる

上を見るその顔は諦めを悟っていた




すると、凄まじい光と共に、佐武へ落ちてくる瓦礫が吹き飛んでいった

 

そしてその光が佐武の前に降り立つと、物体化しだし、2m程の黄色い犬の姿に変わった

「平華教はほぼ破滅した。だから、我が教団に入って魔物を倒す活動を行え」

「何も怖がることはない。我が教団は光の教団なのだから」


「助けてくれたのか…」


「もちろん」


「会ってすぐ勧誘か?だが断らせてもらうよ、俺は平華教の教祖なんだ。俺がこの平華教を大きくしてまた再び…」 


「残ったメンバーはお前含めて2人だ。1人どこかへと行ってしまったがな。それでもそんな夢を語ってられるか」

「お前みたいな人間じゃあの魔物には勝てない。とはいえ私一人でも勝てない。だから私の力をお前ら人間に授けて共通の敵である魔物を倒そう。そういう提案なんだよ」


「絶対に嫌だ…こんな犬如きに…」


「じゃあ運命の通り、この女と同じく瓦礫で死ぬか?」 


「マジでこいつ何を企んでいやがる…」


「邪神の復活を阻止する。ただそれだけだ!!この建物が崩れるのも後少しだぞ」


「くそ、分かったよ。お前の望み通り仲間になってやるよ!」


「それでいい」

契約の光が佐武に入っていった。すると、佐武の身を白いローブが包んだ

「私は皆から聖犬と呼ばれている。君の名前は?」


「佐武といいます」


「じゃあ行こうか」

聖犬は佐武を掴んでここから脱出した



「君はここで待っていてくれ」

佐武を避難させると、聖犬の目はすぐにマカルを睨みつけた

「マカル、戦おうか」

そう言うと聖犬は光になってマカルの元へ向かった


 


 ………………


闇夜を漂うマカル


「綺麗さっぱり破壊っと、人間如きが私達に張り合えるはずがないんだよ。ハッハッハ!!」

「後ろ…」


 ガキーーン!!

聖犬の爪とマカルの杖が当たり、激しい火花が散る


「会えたなマカル、聖化した私に勝てるかな?」


「私に勝つには聖獣でないと無理だ!!まぁその力試させてもらおう」


「くらえ聖弾!」

聖犬は周りに光り輝く弾を無数に召喚し、それを放った


マカルは流れ星を放って相殺させる。爆発が起き、爆風が聖犬の体毛を揺らす


マカルは杖を上げ術を唱えた

「プリズンロック」


聖犬の横に現れた魔法陣から4つ鎖が伸び、足全てを拘束した


「私は今以上に強くなる為に禁術を行った」

マカルは闇の弾を生成する

「お前は俺と戦えているだけ喜べばいいものを!!」

最大値の闇の弾を生成すると、それを放った


風を切るその弾は瞬時に聖犬を貫こうと向かう


だが聖犬は拘束されながらもシールドを張った


 バゴーーン!!


「拘束してもなお私の攻撃を防ぐとは…」

「こうなれば手数で攻めるとするか」


夜空に輝く流れ星が聖犬の目の前に綺麗に煌めく

 

聖犬は力の全てを発揮して腕に力を入れる

4本同時に拘束が千切れた

「何が禁術だ!!」

再び光弾を放った


 ボバババ!!




 

 ヒュッヒュッ…

闇夜に漂うマカルの分身

「後は闇分身がやってくれるだろう」

本物は消え去ってしまった……



 ゴゴゴ…!!

無数の分身が聖犬に向けて闇の弾を放った


 

「グガァァ!!」

雄叫びとともに光の光線でその魔弾をかき消す


だが相手は無数のマカル分身、数体がすぐに背後に回る


 バゴッ!バゴンッ!!


「皆のもの、撃て!私に構わず撃て!!」



その時地上では綺麗に整列された光の教団達が現れた

腕を空に上げて光の弾で応戦する



聖犬は自身にシールドを張って、纏わりついてくるマカル分身を吹き飛ばした

「魔物は破壊しろぉ!!」




 

 ……………… 



「このまま集落に戻れば……」

だが、河井の足が止まる

「こんな今の俺を…誰が迎えてくれるんだろ。どうなってもいい、そんな思いでここに入ったんじゃなかったっけ……」


 ゴゴゴ…!!

河井の頭上から流れ星が降ってくる


「これから俺はどうすれば……死にたくないのに足が動かない…」

河井はその場でうずくまってしまう


流れ星は河井にめがけて瞬時に向かっていく。だんだんと光り輝く流れ星が辺りをきらびやかに照らしていく



 ザッ、ザッ、

黒い装甲を身に着けた魔物がこちらに歩いてくる

「お前何してんだ立て!」

拳を強く握り、向かってくる流れ星に構えた


 ボンッ!!

放たれたその一撃、爆発と共に流れ星は一瞬で粉々に粉砕した


「た、助かった…」


「立ち上がれ」

その魔物は河井に向けて手を伸ばした


その手を掴んで河井は立ち上がる

「あ、あなたは一体…」


「竜輝だ。そして飼い犬のマナ」


「ありがとうございます!」

河井は泣きついて抱き着く


「お、おい…!俺は魔物だぞ!」

  

「ん?」 


「お前、ホワイトウルフを知らないのか?」


「?」


「とにかく集落の方で話聞くから来い」


「集落は、戻りたく…ない」


「何があったか分かんないけど、ここは隕石圏内だ。いいから来い!」


 

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