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魔犬士  作者: チョコ
23/48

23 アジト潜入

アジトへの侵入を行う平華教団、相田、田上、賀川

相田が他2人に手錠をかけ、視察人に擬態した。そのおかげか、順調に中に入ることができた

だが河井は順調過ぎると事を怪しんでいる



舞台は飛んで、立野宮――


影で光の教団が魔物の脅威を押し留める中、

リュウガは単騎で戦っていた。人目を気にしフードを被り、マスクを着けて慎重に街を歩く

だが、負った傷の痛みを耐えるために歯を食いしばる姿が、マスクの奥にあった

 

「数を減らせている…ホワイトウルフはもう長くは続かないだろう。しかしだ、まだ俺の立ち入っていない場所がもうすでに何者かによって破壊されていた。ここに竜輝がいるに違いない」


無数のネオンと看板が光り輝く歌葛宿通り――


「一旦ラーメンでも食うか…いや、素顔が見られるからやめておこ」

 

朝方、ぼちぼちの通行人 

リュウガが歩いていると、通りすがりの2人組から、耳を疑う話し声が聞こえてきた


「あの時ホワイトウルフの首謀者を逃したが、仲間が言うには真泉にてその姿を確認したらしい」

 

「魔物たる者、やはりその身を真泉のアジトに隠すというわけか」



「ホワイトウルフ?真泉?魔物?何だと…」

通りすがった2人組を立ち止まって目で追うリュウガ

「だけど、人間…?」


 ドスッ!

前から人がぶつかってきた

「邪魔だな!」

酔った男の罵声、リュウガは即座に頭を下げ、走る様に逃げて行った

 タッタッタッ…

「はあっ、はあっ、ホワイトウルフの首謀者が真泉にて発見されたということは、竜輝は真泉にいるということか?まさかアジトに…?早まるなよ!」



 



 ………………

  

真泉市民ホール――

 


囲うようにして、平華教団全員で1つのパソコンを覗き見る


「佐武さん!潜入班のカメラが繋がりました」

相田からの、真泉中心部を映した映像がパソコンに映った


「おぉどれどれ…」

佐武が割って入ってくる



 ………………



門を超えた先は至って普通の町並み、ただ違うのは人間が魔物になっているだけ



「周りには魔物がうじゃうじゃといます…この状態ではまだ通信を取って会話するには怪しまれます」

「アジトに侵入次第ひとけのないところに移動して、その時に通信を繋げます。カメラは引き続き回します」


 


 ………………

 


「良くやってくれてるよ。こんな簡単に侵入できるなんて、魔物もこの程度か」

足を組んで、佐武は口角を上げた


潜入カメラをじっと見ていた河井

「こんな容易に潜入出来るなんて絶対におかしい…」

小声で呟いた


すると佐武は河井の方を振り向く

「また河井か、なんか意見でも?」


「もう少し慎重に行かせてあげてもいいんじゃないかって…思っただけです…」


「あぁそうだね」

だが佐武は上の空で聞き流した。

再びパソコンに目をやった 


  

 ………………


歩道を歩き、中央部へ近づくにつれて住宅街が豪華になっていく。車道には高級車がブンブンと走り回っている。そして中心部には巨大な魔物のアジトが佇んでいるのが分かる


「あんな奴らがいい車に乗ってるなんて…そんな金どこからやってくるんだよ。むかつく」

目だけを車に向け、舌打ちをする相田


すると目の前から3体の魔物が歩いてきた 

「おいなんで人間がこんなところにいるんだ?俺らとなんか関係ある奴らかお前ら?」


「見てわかる通り、学校破壊を計画した2人を捕まえてきたんです」


「それなら今ここで俺らが殺してやるよ。その2人を」


「この2人には事情を聴き出さないといけない…だからそんなことしたら上の者が黙ってはいないぞ」


「はあぁ、上の者って…嘘だよ嘘に決まってんだろ。早く行け!」

魔物達は無愛想に去っていった



「ふぅ、危ない。歩みを続けよう」




魔物からの視線に耐えながら、隠しカメラを起動し歩みを続けること20分程――


ようやく彼らの目線には巨大なアジトの入り口が見えてきた



アジトの入口前――


巨大な鋼鉄の門、人間の手では到底開くことの出来ない重厚感


相田は開くすべはないかと周りを見渡す。すると、扉の右横に何やら気になる機械があった

走って近づくと、それは扉を開けるための機械だということが分かった

 

相田は視察人から奪い取ったパスを専用の機械にかざすと、

 ゴゴゴ…

鉄の扉が自動で開いた

「よし、行くぞ」


内部は無機質で近未来な構造、中に入ってすぐの壁に内部の地図が貼られていた

1階から10階の構図が描かれており、その中で相田達は6階の倉庫室に目を向けた

早歩きでエレベーターに向かう。


だがもうこの時点で周りの魔物達は怪しがっていた



そうして相田達はエレベーターに乗り込む。7階のボタンを押すと、魔力によって瞬時に移動した



 7階――


エレベーターを出ると、左と右に分かれていた

地図の通りに左に曲がり、突き当たりを右に曲がった先にある通路、左側に倉庫室がある


「幸運にも魔物らは全くいない。通話をつなげてもいいかもな」


「そうだな」

相田の提案に同感した田上、

相田は田上と賀川に着けた見せかけの手錠を外した




倉庫室の扉が見えてくる。漆黒の扉、中央には禍々しい魔物の紋章が描かれていた

「入るぞ」


 ピッ、

パスを使って認証を通り抜ける

開いた先にあるのは手前に武器が飾られる棚、そして書類の散らばった机が左にあった。奥には天井まで伸びた鉄で出来た棚に荷物がびっしりと詰まっていた



扉をすぐに閉めた彼らは、それぞれ分かれて物色し始めた


武器を漁る相田と賀川、書類を漁る田上

 

何かを見つけたのか、田上は相田にカメラを映すよう言った

「どうした?何か見つけたのか?」


田上は1つの書類を取って言った

「魔物らの名簿だよ。印刷されたものかな?」

「ところどころバツ印がついてあるけど、殺されたことによる印だろうな」

 

 

マカル、スゥイル、アグルク、エゴロト

第1中級魔物 ギルゴス

第2中級魔物 シャド ✕

第3中級魔物 サイ  ✕

第4中級魔物 サソリ ✕

第5中級魔物 ゴッゾ ✕

第6中級魔物 フォル ファル

第7中級魔物 ィザャンプ

ガルイ、モムバ、ダリル、ササハ、ロブ、キコ、ファミル………


「この量1体1体名簿におさめてるのか?管理が徹底されている…」

 

メンバーの名簿、そして生贄の名簿までもがまとめられていた


相田は、ある日の日記が書かれたノートに手を取った



邪神の分体4体が地球に降り立つ、その小さな分体は小さいながらも20人なりの力を持っていた。

金も必要なく、我らは食料もいらないので思う様に利用されてきた

ただ、成長スピードの早い魔物にとって人間を支配するにはそう長いことではなかった


「コストの面で人間の代わりにマカルを起用する」この言葉がでるたびに私達の広角は上がりっぱなしだった


 

 ………………


佐武からの通話が繋がる


「面白い、非常に興味深い内容だ。他にも情報はあるか?例えば魔物の天敵というか、弱点のようなものは」


 ………………



「探り続けていますけど見当たりませんね。でもここにある武器は一目見ただけで強力だと分かる物ばかりです」

「そして、佐武さんの作った特別な銃、制圧は容易ですよ」 


「相田さん!なんか禍々しい箱を見つけたんですけど、もう誰かに開けられた様ですね」

その箱を発見した賀川、中の書をジッと見つめる

「禁術……?」 


 

           待て…


 ブシャッァ!!!

突如現れた邪神の幻影が賀川の背中に鋭い爪を振り上げた

「不審な電波を確認した。まさか平華教の生き残りとはな…」

目を怪しげに輝かせ物凄い勢いで襲いかかってきた


 

 ………………


 

「相田!何だそいつは!」


「佐武さん!だから言ったでしょ!」

河井は叫んだ

「上手くいき過ぎてるって!!」

 

「黙れ!!名簿情報、内部の地図情報は盗み出せた!何も無駄ではない!!」

佐武は通話を切った

「後はこいつらが逃げ切れるかどうか」


 

 ……………… 

 


「に、逃げないと…」

 ズザァァッ!!

賀川が幻影によって顔面を切り取られた


「逃げろ!!」

残った2人、相田はパスを使って総個室の扉を開け、必死に幻影から逃げた


 タッタッタッ…!!

走っていると、不思議と奥の方に二手に分かれる道が見えてくる


「あんな二手に分かれる道、地図にあったか…?相田、お前はどっちに行く?」


「右手に行く!田上は左に行って少しでもかく乱させるんだ!」


「絶対にここを抜け出して、俺ら2人だけだけど会うぞ」


「もちろん!!」



賀川を殺した幻影は倉庫室から出る

高速移動を行うと、田上の行った左の方へと向かっていった



「グァァァァ!!」


少し経ち、通路内に響く悲鳴

耳につんざくその悲鳴を相田はただ噛み締めることしか出来なかった


 



 

 トコトコ……

そうして、相田が走った先にあったのは謎の扉

相田は無我夢中になりながら手をドアノブにかけた


 キキィ……

涙で前がくすんで見える

だが目の前に巨大な何かがあるのだけは分かる



 ――ここは迷いし者が行き着く最終地点

女性の声が耳に響いて聞こえてくる


だが相田のカメラはきちんと映していた。目の前にあるのは巨大な女神像

そしてその女神は微笑みながら大きな腕を振り下ろす


 バゴーーン!!


  

 ………………


 ザザァ……

砂嵐になって通信は途切れた

「よし、切り替えようか」


 


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