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魔犬士  作者: チョコ
11/48

11 真実の咆哮

突如としてマカルに闘技場へ連れてこられてしまった竜輝、そこで対峙したのは恐怖そのものであるロブだった






「孤児支援施設の館長、第4中級魔物のサソリを殺した償いはしっかりとしてもらわないとな」

 

「またあの時みたいにやられる…」

後退りする竜輝

「でも、やらなきゃやられるだけだ。あの時みたいにオーバーフローさせれば…」

竜輝は火炎弾を放った



ロブの顔へ一直線に向かっていく火炎弾

ロブは顔を少し傾けて避ける

「俺が学ばないわけないだろ。そもそも吸収なんか使わなくても、お前如きこの拳だけで倒せるんだからな」

ロブは拳を強く握ると、勢いよく走り出した


ロブの重い足が一歩一歩地面を踏みしめるたび、竜輝に振動が伝っていく。普通の人ならその場で立ち尽くしてしまうだろう


だが竜輝はロブを倒すために動き出す

「火炎矢!」

炎の弓と矢を生成させ、思いっ切り矢を引っ張った

 


 ドシンドシンッ!

「そんな攻撃は効かない!」

走りながらロブはその矢を掴んだ。思い切り地面に捨て、竜輝に殴りかかってきた

 

 バゴーーン!!

竜輝に命中、バウンドしながら激しく身体を地面に打ち付ける

 

 



 フゥ〜!!いけぇー!!ロブ!!


 なんだあの力は、圧倒的な力じゃないか!

観客からは物凄くロブへの声援が上がる



 お前ロブに賭けるか?


 こんな奴に賭ける馬鹿いるかよ。どう考えたってあの人間は勝てっこない。ほらみろよ、またロブに吹き飛ばされてやがるよ!


 そりゃそうだよな。賭ける価値もないって話だよ。まぁボコボコにされてるのを楽しんで見るとしますか!


 そうだな



ロブへの歓声に包まれる会場内、この場に仲間が1人もいないことから竜輝の心が大きく揺さぶられる

「所詮観客はただの魔物、動揺するのも馬鹿馬鹿しい…」

「はあぁ、早く立ち上がらないと…」




 ビュオンッ…!

猛スピードでロブが近付いてきた

「お前はもう立ち上がることは出来ない」

気付けばロブの拳は竜輝の目の前にまで来ていた


「くっ…!」

竜輝は急いで腕でガードするも、打撃を食らって再び遠くに飛ばされてしまった

「ぐあぁぁ!!」

腕の骨にひびが入ったことで悲鳴をあげる

「なんて威力だ…こんなの……くそ!」


「まだだよ!!」

ロブは再び近寄ると、次は拳を振り下ろそうと構えだした


竜輝は咄嗟に左に転んでその攻撃を避ける

そしてすぐに立ち上がり、火炎弾を放った


 

 バンッ!バンバンッ!!

3回ロブに命中するが、硬い装甲の前では無力

そしてロブは火炎弾を吸収し、空高くへと飛んだ

「ハッハッハ!弱い弱い」

飛行し、竜輝の真上から火炎弾を放ち返した



「吸収された分以上の火炎弾を放ち返せばいいだけだ…!かかってこい…」

竜輝も火炎弾を放つ体勢を取る

 


 ドンッ!! 



そして2人の攻撃がぶつかり合った

 バゴンッ!!バーーン!!

 


しかしロブの火炎弾は止まらない

 

「くそ…ロブのやつ、全然技を止める気配がない。こんなのどこから湧き出てくるんだよ」

  

「私の吸収術は、吸収したのちにその魔力を倍近く増加する。ハハハ!!だからまだ放てるってわけだ!!」

ロブは残る吸収魔力を使って特大の火炎弾を生成した


「増加するだか知らないけど、俺はこんなところで死ぬわけにはいかない!」

負けじと竜輝も特大の火炎弾を生成する。震える手を押さえながら竜輝も放った



そして互いはそれをぶつけ合った。轟音が会場中を包み、観客席もろとも揺れる

 ゴゴゴ……



飛行から戻ってきたロブ

「これで終わりだと思うなよ」



「はあぁ……はあぁ…があっ!」

燃えたぎる火炎弾の熱が竜輝の身体に傷を負わせていた

目を丸くしながら一点を見つめ震えている



 ザッ、ザッ、

「弱き者は喰われるのが運命、お前は邪神様の餌だ」

ロブが近づいてくる。そして…

 

 ブゥンッ!!


 バゴーン!!

思い切り繰り出された回し蹴りが竜輝に命中する




抵抗できぬままもろに受けてしまう

竜輝は仰向けになって倒れてしまった

「…………」

「はっ…?!俺は今いったい」


「俺の攻撃をくらって気絶したのか?それとも、俺という恐怖におののいて動けないのか?」


「お前が恐怖だなんて…」


「恐怖以外に何がある?お前に力はなければ、魔法は全て吸収され無力化、何一つ俺を倒す術がないだろうが」

「それともなんだ?奇跡が起きて最強の魔法技でも撃てるとでも?いいや、無理だよな!!」

竜輝に向けて2発の打撃をくらわせようとした

 

 ドガーン!ドガーン!

ロブの拳が振り下ろされる。

だが竜輝は咄嗟に身をひねって避けた。

重い拳は地面を抉り、土ぼこりが勢いよく舞い上がる。


「こんなところで…」

仰向けから起き上がるために竜輝は地面に手を着く


 ドガンッ!ドガーン!

再び避ける

 

「死んで…」


 ドガンッ!ドガンッ!


「たまるか…!」


 バゴンッ!! 

だが思いは通じなかった。ロブの一撃が竜輝の顔面に当たってしまう


「死ぬんだよお前は、私という圧倒的な"力"を持った絶対的恐怖に!グハハ!」

「ただの人間にしてはよく頑張った。お前の人生はただそれだけ、どうせ特に楽しいことなんて無かっただろ」


「うるせぇ…!!俺だって、お前らなんていなければこの世界を謳歌出来てた!」


「本当にそう思うか?めでたいやつだ」

「人間は堕ちるだけ堕ちるもんだ。俺らがいなくても他の国の人間がこの島国を侵略しようとするだろう。静かに侵略をするか、戦争を吹きかけるか」

「その時お前は戦うか逃げるか、それとも現実逃避をするか。この選択肢どれかを取ってどれが謳歌できると思う?!」


「そうなったら…」


「この世の中に真の平和なんて訪れない。まぁこれから死ぬような奴にこんな説教じみたこと行っても無意味だろうけどな」

「何にも変わらない。でも俺らにとっては好都合」

ロブは拳を構え出した

「死ねぇ!」


 

 


 おい止めろ!侵入者が入ってきたぞ

観客席から何やら不穏な声が聞こえてくる


「竜輝がいるのは知っている…どけ!!」

ボロいローブを羽織った男が観客席に侵入してきた

警備係の魔物をぶん殴って強引に入ってきた模様


 ぐはぁっ!!誰かこいつを…!




「なんだ?」

ロブは観客席を見上げ、観客の慌てようを確認した

「まさか、白犬が竜輝を助けに来たのか?ふっ、かかってきやがれ…」



 


「いた……竜輝!!」

突然、観客席からその侵入者が声を出す

「竜輝、お前自身に秘められている魔物の力を解き放て!」


意識が朦朧としている中、竜輝は思った

「魔物の、力…?訳わかんねぇ、まずあいつは誰なんだ」


 


その男は周りの魔物達に絡まれ出す。だが気にせず話し出す

「竜輝!!お前はただの人間じゃないんだ!それは自分自身も分かっているはず!何故魔法が使えているのか」



 

観客席からガラの悪そうな魔物が羽交い締めにしてきた

「竜輝の仲間かお前?結構試合いいところだったんだけど?おい、そのローブで隠された顔を見せやがれ!」


「お前は…黙ってろ!!」

羽交い締めにしてくる背後の魔物に肘打ちをお見舞いさせる





「あいつ何をしている…」

VIP席からその様子を見ていたマカルは怒りの表情を見せた



  



「俺が魔物…?」

ふと両手を見ると、そこには魔物化した竜輝の手が…

勢いよく目を擦って見間違いかを確認すると、そこにはいつも通りの竜輝の手があった。はたして見間違いだったのか、


ホッとひと息していると目の前にはロブがいた

「よそ見している場合じゃないぞ」


 バゴンッ!!


竜輝は殴り飛ばされてしまった

地面に叩きつけられ、大きな土ぼこりを上げた



「何が魔物の力だ!さっきと同じ様に吹き飛んでいっただけじゃないか」

「弱い奴は一生弱いまま!!そんな嘘で俺を欺けるとでも思ったのか!」



 

すると…

 ビュンッ…

土ぼこりから黒い槍がロブの硬い装甲に向けて飛んでいく

 ドガーン!! 

それが装甲に突き刺さると、大きなヒビを発生させた

「俺の装甲に初めてヒビが…なんだ、これは…」 

初めてのことにロブは立ち尽くしてしまう

 

 


次の瞬間――

 バァンッ!!

土ぼこりが一瞬にして消滅

そこに現れたのは一体の魔物だった



 

「誰だ…」

だがロブはその魔物の立ち姿からしてすぐに分かった。それが竜輝だということに…


 

「これが俺の本当の力…」

竜輝の身体を纏う薄く、トゲトゲしい、黒い装甲

竜輝は自身の手を恐る恐る見ると、手にまで侵食していった装甲が光を反射し、自身の顔を写し出した


それはまるで凶悪な姿だった



「お前が姿を変えようとも結果は同じ、くらえ…!」

ロブは走り出した

 


竜輝は姿勢を低く保ち、目にも止まらぬ速さで走った

そうして瞬時にロブの背後を取る。

「火力マックスで飛ばす…グラァァ!!」

竜輝の肘から炎魔法が暴発、そのパワーを利用して特大の一撃をお見舞いさせる


 バァーーン!! 


「ぐふぁっ!!」

衝撃によって転がっていき、ロブは壁に身体を打ち付けた

「なんだあの一撃は、今までの力を…遥かに超えている」  



 


 ………………



VIP席からマカルはその様子を見ていた

「これでようやく線と線がつながった。あの男と白犬使いはそう遠くない関係、あの時離れ離れになった2人ということか」

「こうして会えるなんて奇跡この上ないな。ハッハッハ………捕らえよ。あの男を直ちに捕らえよ。そしてすぐにアグルクを用意するんだ!!」

 

「マカル様、白犬使いの対応はどうするんですか?!」

マカルの召使いが言った


「あいつは俺とロブでやる。心配は要らないから早く行け!」


「はい、それならわかりました!」

マカルの召使いが大急ぎでその場から出ていった

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