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魔犬士  作者: チョコ
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1 白犬使いの竜輝



もし自分の国の国家が、国家として「機能していない」としたらどうする?

国民が一斉に立ち上がって変えていくしか無いだろう


だがその情報源が絶たれていたら、その国家が「機能していない」と感じることは出来ないだろう



 

表面的に見えるものだけが全てではない。何が嘘で何が本当かを見極めなくてはならなくなつた


 


 


俺の名前は竜輝――

6歳くらいに親から捨てられたことによって色んな場所を旅しながら生きている。その際に出会った白犬のマナと6年ほどだ


最終的に、10歳くらいから小苗村という小さな村に住み着くようになりマナと暮らしている



 


日曜の昼間―― 

 ブーーン

バイクをふかし、竜輝はマナとともに行きつけの店に向かっていった

 





 キキィ…

「到着っと、マナも降りるよ」


「ワン!」




いつもの亭主が竜輝を出迎う。竜輝が「いつもの」と言うと、亭主はすぐに料理場の方へと向かっていった



すると、外にバイクの止まる音がする

そのバイクを乗っていた人は、竜輝めがけてそのお店に入ってきた

 タッタッタッ…

「何してんの〜」


「何してんのって、どっからどう見ても昼飯だろ」


「私もここで食べていい?1人で寂しいでしょ」


「いいよ、俺にはマナがいるから」



「そこの姉ちゃん、何食べる?」

亭主の声が料理場から聞こえる


「そうだな、竜輝と同じやつで」

この人は真里という女、小苗村出身で竜輝と知り合い




 数分経ち――

「はい、2人一緒に味噌ラーメンどうぞ。お代は食べ終わったら置いといて500円」

「後、マナにもご飯あげようか。チャーシューの欠片どうぞ」


「ワン!」

マナはそれをもらい食べ始めた

 


 

「いただきます」

竜輝は手を合わせ、急いで箸を掴むと、味噌ラーメンの麺をガシッと掴み美味しそうにすすった


「ちょっと、よくそんな出来立てのラーメンすぐに食べられるね」

「ていうかさ、これ気づいた?」

食い気味に真里は首に付けているネックレスを見せた


「何だよそれ」


「テレビでやってた超可愛いトレンドグッズ」


「流行ってる?なんでそんなのが流行ってんだ?」

 

「さぁ?でも可愛いし、みんな持ってるし」


「みんなって…それで本当に満足か?本当に自分のやりたい事をしないと」


「そういう竜輝はやりたい事あるの?」


「やりたい事…まぁ1つだけあるな」 


「何?教えて教えて!」

前のめりになって聞こうとする真里


「この国を脅かす魔物をぶっ倒すんだよ」


「魔物って、そんなの存在するわけ無いじゃん。テレビ上のエンタメに過ぎないんだから」


「いやでも本当に存在するんだよ」


「竜輝君は面白いね、そういうところも好き」


 

「ズルルル!」

ラーメンの汁を勢いよく飲み干す

 ドンッ!

「どうしたら信じてくれるものなのか…ごちそうさま」

机に五百円玉を置き、席を立った。そしてマナを連れて外に出ようとする


 

「早すぎでしょ、ちょっと待ってよ〜」





バイクにまたがろうとする竜輝…


店内では会計をしようとする真里の姿があった


だがそれをよそ見に竜輝は走り去っていった





竜輝が去った後、真里のことを影で見ている謎の存在が現れる

「あいつ、丁度いい」







 ――――――

 

 ブーン…

赤信号に変わり、竜輝は強くブレーキをかけた

「信号待ち…真里に追いつかれるよ」

後ろを振り向くと、バイクに乗った真里がこっちに向かってくる。こっちに手を振っている

「早く信号変わってくれ…ん?」

竜輝は何かに気づいた


 

真里のバイクの後ろから猛スピードで走ってくる何かが…

そいつが近づくにつれて、その姿が禍々しいものだと分かってくる



「あいつ、魔物だ…!」

竜輝が気づいた時にはもう遅い


 

「グガァァ!!」 

真里は、魔物に背後から襲われたことで気絶

そのまま真里をさらって、バイクを奪い竜輝のいる方とは逆の方へと逃げてしまった

「お前は生贄になってもらう。ハッハッ!!」



「マナ、追うぞ!」

バイクをターンさせ、竜輝はその魔物を追う


 

「くそ…追ってきやがる…」

「それならこれでもくらえ!」

魔物は手に火炎弾を生成する

「喰らえ…!」

魔物は後方に手を振り上げ、燃え盛る火炎弾を一直線に竜輝のもとへ放った


だが、竜輝は避けながら追い続ける

「仕方ない…やるしかない」

竜輝はその魔物と同じ様に、手に火炎弾を生成する。そしてその火炎弾を上手くコントロールして魔物に命中させる

 

 バァァン!!


  

 ドスッ…バタッ…

魔物はバイクを転倒させてしまった。結局乗り捨て、真里を担いで走り出す



「人質みたいにしやがって…それならこれだ!」

 

 ビュンッ! 

竜輝の生成した炎の矢が魔物の左腕をかすむ

魔物はその痛みで真里を持っていた手を離し、その場に倒れ込んでしまった

「うぐっ!こうなったら…」

腕を前に構え、戦闘態勢に入った


 

「生身で戦おうってか」

竜輝もバイクから降り腕を構える

先に攻撃を仕掛けるのは竜輝 

「はあっ!!」


魔物は攻撃を腕でガードするもその猛攻に押され続ける

だが魔物もやられてばかりでは無い

「ウインドブレス!」

魔物の口から鋭い風吐き出される

それが激しく竜輝を襲う

「炎技だけだと思ったら大間違いなんだよ!」


「もう一回…!」

竜輝は魔物の顔めがけて一直線に炎の矢を放った


 ビュンッ…!!


瞬速で魔物の口に刺さった

「アガッ…」

次の瞬間…


 ボガァァン!!


魔物の顔面が爆発し、はじけ飛んだ


だが、頭のなくなった魔物はまだ立ち続けている

 グチャ、グチャ、

何かと思ったら、湯気を立たせながらその魔物の顔面が再生されていく

「まだだ!!ウインドブレス」

再生した瞬間から再びブレスを吐き出した


しかし魔物の目の前から竜輝の姿が消えていた


そして足元に倒れていた真里も消えていた


「あいつら、俺が再生している途中に逃げやがったな…」


 

すると、魔物の背後からものすごい勢いで火炎弾が迫ってくる

火炎弾が魔物にぶつかり、背中から地面に倒れた


その上に竜輝が被さる様に現れ、魔物の首を掴んだ

「先に真里は遠くに避難させた。お前らの思う通りにはさせない」

 

「お前は…神出鬼没に現れる白犬使い」

「だがな、この世界は邪神によって支配されるんだよ。止めることは出来ない」


「俺が止めてやるよ!はあっ!!」




 





 小苗村――


真里が目を開けると、そこは自分の家の中だった

「あれ…?私の家」


「ようやく起きたか」

竜輝は真里が起きたのを見て安心し、部屋から出ようとする


「竜輝、あの後どうなったの?」


「そうだな…通りすがりの人が助けてくれて…」

「まぁバイクも家の前に停めといたし、安静にしておけ」

さっそうと部屋から出る竜輝


「あっそうなんだ」






 竜輝の家の中――


白犬のマナのところに戻って行った

「はぁ…ここにも魔物が来始めたか」


「なんであの時真里に自分が助けたよって言わなかったの?」

白犬のマナが喋りだした。しかし竜輝は驚く素振りがない。これが彼らの普通のようだ

 

「俺が助けたって言ったら俺が魔法を使っていることがバレるだろ」

「この魔法はマナに教えてもらったもの、あの禍々しい魔物のものとは違う」


「そもそも信じてくれなさそうだしね」

「だけど、いつアジトに乗りこむ?」


「あいつらのアジトは町全体が魔物の物になってしまってるからな…視察の意味でも明日行ってみるか」


「あの邪神は必ず倒さなければならない」

マナがこれほどまで邪神を倒そうとしているのには理由がある 


 

マナが天界にいた頃――

天界を襲いに来た邪神と戦いになり相討ちまでに抑え込むことが出来た。だがそのせいで聖獣の力が失われてしまう

同じく力を無くした邪神はマカルとアグルク、エゴロト、スゥイルの4体の魔物分体を地球に放った

それを追ってマナも地球にやってきた



邪神復活を阻止するために魔物のアジトに潜入することを彼らは考えている

毎週日曜日に投稿します

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