表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミチノミライ  作者: ばくー
いつもの朝
3/59

3

「おーいユナ、さっさと準備して」


遠くから呼びかける声にユナは我に返った。

ちょっと名残惜しいが、マグカップの中身を全部飲み干し、作業に取り掛かる。


「セリ、こっちは起動して大丈夫?」


「もちろん。天気晴朗、雲白し。敵影は見えず!」


瓦礫と廃墟の間に巧妙に隠された野営地は小隊とその荷物を隠すのに最適だった。


ユナは身軽な動きで瓦礫の上を飛び移り、灰色のほろで覆われた「荷物」に向かった。


[A.F.N.O.I.D.02]―戦間期改良型汎用作業機マル二型。通称アフノイド。

立ち上がればビルの三階に相当し、移動速度は時速六十キロほど。

火器は戦車の滑空砲並の威力で、ヘリも切断できるチタンソーを持つ。

ミサイルポッドには一ダースのヘルファイアが詰められている。


今となっては大昔、第七戦間期における主要戦力だ。

もちろんお世辞にも綺麗とは言い難い。


関節部分の奇声は動かせば動かすほどひどくなるし、脚部は鉄板が溶け、汚泥で黒く汚れている。


頭に二つ並んだ大きなサーチライトは今だに過熱するし、火器類もすべて実弾だ。


しかしディーゼルエンジンの腹に響くような駆動音はやはり心が躍る。


ほろを外すと巨大なロボットが姿を現した。


猫背にごつい肩回り。頭には巨大なサーチライトが目玉のごとく二つ並んでいる。


立ち上がったオオカミのようなフォルム。


まさに化け物を具現化したような見た目だ。


しかし、もっとも大きな特徴はこれの操作方法にある。


そしてこれこそが開発者が変態と言われる要因だった。


なんとこれの操縦には人間の恐怖を必要とするのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ