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人気者の彼女を私に依存させる話  作者: 琥珀のアリス
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計画を立てたら即実行

本日2話目です。

よろしくお願いします。

 私はさっそく、授業時間や休み時間を使って、雪音を依存させるための計画を立てることにした。

 しかし、実際計画を立てるとなると、まず何からしたらいいのか分からないため、スマホを使って検索をかける。

 そして、調べた内容をもとに、私風にアレンジを加えることにする。


 まず、雪音を私に依存させるために最も重要なのは、雪音に私のことを常に考えさせ、意識させる事だろう。

 雪音と私は確かに付き合っているが、雪音は誰とでも仲が良いため、私が有している彼女の意識は友達より少し上くらいだと思う。


 それを踏まえた上で出来上がった計画が以下である。


1. 私からの接触を控える。

 これは別に、全く接触しないというわけではない。例えば、これまで直ぐに返していた返信を、数時間や半日といった間を設ける。

 そうすれば、心優しい雪音は私のことを心配して、日常でも多少は気にかけてくれるだろう。

 また、メッセージでは時間を空けつつ、学校や放課後では接する時間を多くする。

 そうする事で、雪音は私が変わった原因に興味を持つだろう。


 以上が第1段階だ。



2. キス(ディープ)をして、私がそういったことをしたいと意識させる。

 しかし、それから数日間は、第1段階を継続して距離を置き、何事もなかったように過ごす。さらに、私が友達にベタつく事で、より意識させる。

 私たちは付き合って半年経つが、未だキスをした事がない。精々、たまに抱きしめ合うくらいだ。

 そんな状況で私がディープキスをしようものなら、いやでも意識せざる終えない。

 だが、私が今まで通り一定の距離を置いたまま、私が今までしていなかった友達と手を繋いだりハグをしたりなどのスキンシップをすれば、雪音は混乱するだろう。


 ほんとは、雪音以外と手を繋ぐとか嫌だけど、雪音を依存させるためなら仕方ない。


 ただ、この時に距離を置きすぎて、友達とベタつき過ぎると、自然消滅や別れるきっかけとなるから、タイミングをしっかりと見極めなければならない。


 ここまでが第2段階。



3. 適度な距離を保ちつつ、キス以外にも熱烈に接する。

 雪音がキスと私の変化に混乱している時に、放課後やデートの日を使ってさらに攻める。

 どこまでかといえば、えっちの一歩手前までだ。いわゆる焦らしをする。

 ここで、焦らせば焦らすほど、雪音は私のことを考え、求めてくれるようになるだろう。


 第3段階のここまでくれば、残るは仕上げのみだ。



4. 一日かけて雪音を快楽に落とす。

 ここまでくれば、あとはやる事をやるだけだ。なにも難しいことはない。

 最終段階では、雪音を私がいただく。そうして焦らされた分の快楽を与えれば、雪音は私の事のみを考え、依存してくれるだろう。


 以上が、私が雪音を依存させるための計画だ。

 細かなところは臨機応変に適宜対応していこうと思う。それと、他にもいい方法があればそれも取り入れていきたい。



 さて、雪音を依存させるための計画が大まかに決まった。なら、あとは実行に移すのみだ。


 なので、私はさっそく実行に移す事にした。昨日までは、放課後は一緒に帰って、カフェとか駅前のショッピングモールによって買い物したりすることがあったけど、今日は一人で帰ることにする。


 私はスマホを取り出し、トークアプリを開いてから雪音にメッセージを送る。


『今日、一人で帰るから。また明日』


 なるべく素っ気なくなるよう意識しつつ、要件だけを述べる。

 すると少ししてから、雪音から返信が来たことを通知が教えてくる。


『わかった。でも、珍しいね。なんか急用でもあった?』


 ここで私は、スマホの画面を開かずに通知から内容のみを確認して返信をしない。

 しばらく時間を空けてから返すのだ。





 自宅に帰宅後、少し休んでから、私は雪音から送られてきたメッセージを開き、返事を送る。


『何もないよ。気にしなくて大丈夫』


 こう返すことで、何かあった雰囲気を意図的に作り出す。

 そうすれば、優しい雪音は自分が何かしたのではないかと考えるだろう。


 雪音の優しさを利用するようで心苦しさはあるが、目的のためにはその優しさを利用させてもらう。


(ごめんね、雪音)


 それでも、好きな人に自分勝手な事をしている自覚はあるから、心の中で謝罪する。


 その後も、雪音から連絡があったが、素っ気ない態度を意識しつつ、時間を空けて返信した。

 いつもなら、夜の寝る前は電話をしてから寝るのが日課だったが、それも適当な理由を付けて断った。


 そうして私は、今後のやるべき事を改めて考えながら、その日は眠りについた。





 翌日、いつも通りの時間に起きた私は、いつもなら私から「おはよ」とメッセージを送るが、今日は送らない。

 こうした小さな違いや行動が、相手に自分を意識させるためには重要なのだ。


 その後、朝食を食べ、制服に着替えたあと、スマホを確認する。

 30分ほど前に、雪音から『おはよう』とメッセージが来ていた。

 私はカバンを持って、いつもより遅い時間に家を出たあと、駅まで歩く。駅に到着後、電車が来るまでの間に、朝来ていた雪音からの挨拶に返信をする。


『おはよ』


 すると、いつもは返信が遅めの雪音から、直ぐに既読がついた。

私は慌ててトーク画面を閉じ、スマホの画面も閉じる。

 そうして数秒間スマホの画面を眺めていると、雪音から返信が来た。


『おはよう。今日はメッセージがなかったから私から送ったけど、大丈夫?体調悪いとか寝坊とかしてない?』


 雪音から送られてきたメッセージを見て、私はほくそ笑む。

 雪音は明らかに、前より私を意識してくれている。

 まだ対応を変えたばかりだから、急な私の変化に心配してくれているだけだろうけど、それでも効果は出ている。

 ただ、そのことに喜んでいつも通りの態度に戻ってはいけない。

 ここで彼女に安心感を与えては、昨日の行動が意味を持たず、何もなかったのと同じになってしまう。

 もっと彼女の心と思考を乱し、私の事で一杯にしなければならない。


 私は雪音からきたメッセージに、寝坊でも体調不良でもないとだけ返信をし、昨日寝る前に考えた今日やる事を思い出しながら学校に向かった。





ここまで読んでいただきありがとうございます。


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