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糸の半分  作者: 幻月
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第二王妃

 後に領民から聞いた話だが


第一王妃は優しく気品のある気高い貴婦人だという評判が立っていた。


それに対し第二王妃は、賢い人だったが

それは人に褒め称えられる部類のものではなく、人に嫌煙される類のものだったという。


 第一王妃が白百合なら、第二王妃は真紅の薔薇


そんな印象を持たれていたのだ。


それ故に、領主は王妃を信頼はしなかったのだという。


他者を蹴落として自身の評価を上げようとするその姿勢を

『向上心がある』と捉える事は、このブレイク領ではない。


他者との繋がりを、その均衡を守る事こそ使命であるのだという。


第二王妃のその狡賢さは、娘のエドナにも引き継がれており

そもそもこの騎士団暗殺計画を企てたのも根源はエドナなのだという。


「エドナがそんな事する理由が無いでしょう」


そう告げるアインの言葉に、領主は鋭い目つきのまま首を横に振った。


「それはお前が何も見ていない証拠だな」と


「エドナはお前に対して酷く嫉妬心を抱いていた。

確かに対人としての能力はエドナの方が秀でていたとは思うが

他者からの信頼、その騎士としての守る力はアイン、お前の方が優れているだろう」


今までに聞いた事のない父親からの言葉に、アインはどう返して良いか分からなかった。


貶されたことはもちろん、褒められたことすら無かった


それどころか、会話すらもあまりした事のない父親が

自分たちのことを知っているのが不思議でしょうがなかった。


「エドナはそんなお前の力を嫉妬し羨望を抱き、それを貶めることを考え始めたんだ」


アインの遠征に伴い、領主は自身の側近を密偵として送り込んでいたのだという。


何かが起こるとすれば、領土外


領主の力が及ばない場所で行動を起こす可能性が高いと、そう踏んでいたのだという。


そして、その思惑通りに事は運んだ。


ヴァールハイト領に、アインが遠征に向かってその先で騎士団の暗殺事件が起こった。


宿屋の婦人を人質に取り、アインの騎士を壊滅させた

その首謀者は第二王妃直属の近衛騎士だったという。


第二王妃の威光を示すペンダントをその人物は持っていたのだという。


この報告を受けた領主はエドナと第二王妃別々に事実を確認したのだという。


第二王妃は認めはしなかったが、エドナは反論もせずにただ静かに頷いたのだという。


「触れを出す前に、エドナに話を聞いたのだ」


そう、領主は言葉を紡いだ。

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