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糸の半分  作者: 幻月
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漁港

「はいはい、そこのお姉さん!今日の朝水揚げされたばかりの魚はどうだい?」

「こっちにも鮮度のいい貝が集まってるよ!」


四方八方から威勢の良い声が飛び交っている。


「ブレイク領の海は魚介類が豊富に捕れると聞きますからね」

「そうだな。ナーダ領の次に礁の多いところだからな」


ボノスとナーダがそう話している声も聞こえる。


並んでいる魚介類は普段から目にしているものもあれば

見かけたことのない大きな魚もあった。


「これは……?」


その中でも、一際目を引いたのは

赤く輝く鱗がまるでドラゴンの鱗のように刺々しく目立っている魚だった。


「おっ!姉ちゃん旅人さんかい?これはブレイク領内でしか流通していない魚でね。

ドラゴン族の鱗を砕いて飼料として養殖した魚なんだ。

脂がしっかりとのっているし、運動量も多いからみも引き締まっていてね」


私の小さな問いかけに、倍以上の声量で返答をくれる店主。


「たっ旅人って!あ」

「ドラゴン族の鱗って食べることが可能なんですか?」


 勢いよく口を開いたリューゲを片手で静止して店主へ問い掛けた。


「うん、そうだよ。

まぁ、ここ以外ではドラゴン族はあまり生活の場を人と共にしないから知られていないだろうけど

……んーそうだなぁ。ご飯にかけて食べるとカリカリして、少し塩気もある味がするんだよ」


満面の笑みを浮かべながら店主は続けた。


きっととても美味なのだろう。

思い出しながら話すその顔はとても幸せそうなものだった。


「……ドラゴン族の鱗を食べるなんて初めて聞いたわね。

それはブレイク領では広く知られていることなの?」


少しだけ口角をあげてリューゲを一瞥すると少し不満そうに眉を下げた彼女がいたが

こちらの意図を汲み取ってくれたのか、静止したリューゲが口を開いた。


「ん?あぁ……これはブレイク領主様から民へ『証』として提供された物だからなぁ……

ブレイク領民であれば知っていて当然の事ではあるな」


「『証』とは一体何のこと?」

「あんたら、ブレイク領で起きた事件について知らないのかい?

結構有名な話だと思っていたんだけど、領外には伝わってないのかねぇ……」


「事件?」

 

リューゲは怪訝そうに眉間に皺を寄せる。

斯く言う私も、ブレイク領の事件と言ったものに思い当たる節が無く小首を傾げていた。


するとそこへ


「騎士ブレイクが選ばれる時の話だろう?」


そう言いながらヴァールハイトが近づいて来た。

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