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糸の半分  作者: 幻月
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変革の一歩

 「……ごめん、なさい」


 口から紡げたのはたったの一言で


それでも、思いは2人に伝わったようだった。


「いや、俺も言いすぎた……かも知れないし」

「ヴァールハイトはアモルを想う余りに暴走しがちよね」

「リューゲだって似たようなものじゃないか」


2人が場を明るくしようとしてくれているのがとても心地よかった。


明るく饒舌なリューゲに対して寡黙の中に熱さを秘めるヴァールハイト。


対照的な2人はいつもこうやって喧嘩の真似事を始める。


でもそれはいつだって、私が迷ったり落ち込んだり

……こうやって道を間違えた後にしているんだ。


「ありがとう、2人とも。

……うん、行こう。姉様の跡を追わなくちゃ」


私を信じてくれいてる人の為にも

私は生きなくちゃいけない。


その為には、先を行く姉様に少しでも近づいて行く必要がある。


そこへは、私1人では到底辿り着けない。

そんな高みへ上がるには、周囲の協力が必要不可欠なのだ。


こんな私では、王位を継ぐには相応しいとは決して思えないけれど

それでも、私に王位を継いで欲しいと願う人がいる間は

その願いに応えてみたいという思いが芽生えてきた。


「とりあえずはブレイクの言った通り『秘宝』が何かを知る必要があるわね」


 先程までとは打って変わって

声のトーンを落としてリューゲは話し始めた。


「調べると言ってもどうやって調べるんだ?」


そう言いながらヴァールハイトは私に手を差し出してくれた。


「そうね……」


そっとリューゲが私の体から離れ、立ち上がる。

それを確認してヴァールハイトが私の手を引いてくれた。


「ヴァールハイト……ありがとう」


そうお礼を告げるとヴァールハイトの口角が少しだけ上がった。

傍目にはわからないで程度の些細な変化だ。


「王国に関わることを調べるのであれば……図書館の秘書室かしら」


この王宮にある王立図書館には一般の人が入れる『図書館』と

王宮内の限られた人しか立ち入ることの出来ない『秘書室』がある。


秘書室の方であれば、一般には公開されていない

このインズ・アレティの成り立ちの裏に隠された何かが

記されているかも知れない。


元々インズ・アレティは戦闘民族であり、その成り立ちには

血生臭い話が多かった。


それ故に簡素化し、広く国民に受け入れやすいようにと蓋をした。


『秘宝』という存在を女帝は知っているのに騎士は知らない。

それがこの国の表ではなく、深い闇の一面だということは既に分かっている。


であれば、秘書室に何かしらのヒントがあるのかも知れない。


私たちは、東の空に太陽が上がりきったのをみてから

屋上を後にした。

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