反撃のきざし
投稿間隔があきました。申し訳ないです。
最近今までの話を読みやすいように修正しています。(修正されていない話の方がまだ多いです。)
内容は今のところ大きく変えていないので、読み直す必要はないと思います。
なろう式の書き方に慣れないので、そこは目をつぶっていただき、アドバイス等を頂けると助かります。
怪物に弾かれたアピアリングケーンは、怪物の体に弾かれた後、その速度も保ったまま、明後日の方向へと飛んで行った。
それを受けた、バッタの怪物は速度を落とすことなく、紫砂斗に向かって飛びかかってきた。
一見するとピンチな状況にも思えるが、こうなることは紫砂斗の想定内であった。
これまでアピアリングケーンよりも威力が強い、ボウガンやパチンコなどを用いた攻撃をしてきたが、一度たりとも怪物がダメージを受けた様子はなかった。つまりこの行動は、データ収集のためのものであり、今回も例外なく、紫砂斗は怪物にダメージを与えることはできなかったようだ。
紫砂斗は勢いそのままに飛び掛かってくる怪物に背を向けると、背中を盾にした。その直後背中に感じる強い衝撃。しかし紫砂斗の体に、打撲はできども傷はつかない。
紫砂斗が羽織っているコートには、盾として鉄の板が埋め込まれているのだ。コート前のチャックを常に開けるようにし、簡単に脱げるようにしているので、機動力も落ちない。
背中に攻撃を受けたことにより、弾き飛ばされ、図らずも怪物と距離を取ることが出来た紫砂斗は、怪物に向き直った。紫砂斗は逃げることはしなかった。
紫砂斗今まで見てきた怪物たちは、必ずこの世界に実在する生物を大きくしたような姿をしていた。そして攻撃手段や能力も同じ。つまりその強さも、基になった生物が基準となる。
そのため今回のバッタは、あまり強くない部類と言えた。だから紫砂斗はこの怪物を逃がすわけにはいかない。できれば怪物を倒し、その死体を怪物実在の証拠としたいのだ。だがやはり攻撃が通らないためその望みは出来なそうだ。攻撃は通らずとも、様々出来ることがあるはずだ。
紫砂斗は思考を巡らせ、ポケットに手を入れると、内容を探りだした。ポケットの中身は、先ほど使用したアピアリングケーンがもう一本と、爆竹一セットのみ。これでは実験をしようにもできることが無さすぎる。
何かないかと考えるが、何も思いつかない。その間に怪物は体制を整え、再度攻撃をしようとしている。
紫砂斗は研究の進展を諦めて、再度攻撃の効力実験をした後、逃げることにした。弱いからと高を括っていると、負けて喰わかれない。バッタの姿をしているとはいえ、大きさは段違い。噛んだ時のエネルギーも、脚力も、軽く人を殺せるほどはあるのだ。
紫砂斗は、再度アピアリングケーンを展開すると、今度はしっかりと握った。その際に出た金属音を合図に、怪物が再び空を舞い襲い掛かってきた。一瞬で距離が縮まる。
怪物の姿が目の前に着地した瞬間、紫砂斗は怪物の左目を目掛け、アピアリングケーンを突き刺した。しっかりと両手で握り、力を込めながら。
紫砂斗の手に、鉄塊のような以上に固い物質にぶつかったような衝撃の後、こんにゃくに箸を突き刺すような感触が伝わった。
グチャッッッ!!!
何かがつぶれたような音がし、キリキリキリキリッ!!! っという辺りを切り裂くような悲鳴を発した怪物は、飛んで紫砂斗から距離を取る。
絶対に攻撃が通らないと思っていた怪物の左目には、紫砂斗のアピアリングケーンが深く刺さっていた。
怪物は一瞬動きを停止した後、怪物は地面を強く蹴り、一気に飛び上がった。コンクリートは凹み、衝撃波が紫砂斗を襲い、吹き飛ばされた。
怪物ははるか上空で、闇と同化し怪物はアピアリングケーンと共に、紫砂斗の前から去っていった。
怪物の姿を見失った紫砂斗は、吹き飛ばされ四つん這いだった状態から、体を起こし地面に座る。
ズボンのポケットからメモ帳を取り出すと、今回の成果を書く。
『これまで怪物に対し、パチンコや、ボウガンなど様々な飛び道具を使ってみた。目や胸、関節など柔らかい部位等も対象としたが、いずれも効果がなかった。
しかし今回、そもそも飛び道具が利かない可能性が出てきた。
アピアリングケーンを飛ばした際も、少したりともダメージを負った様子は見られなかった。が、手に持って攻撃した際にはすんなりと攻撃は通り、これまでで最大の効果が見られた。』
紫砂斗はここまで書くとメモ帳を閉じ、ズボンにしまった。そして、一投目に放ったアピアリングケーンを回収した。
怪物に突き刺した方は、一応周囲を見渡したがなく、怪物に刺さったままどこかへ行ってしまったようだった。
紫砂斗は衣服を整えると、家に帰ることにした。バッタ型怪物との戦闘で体力を消費し、主要武器も一本無くしたからだ。もし再度怪物と遭遇した場合、強さに関係なく、負けてしまうと考えられた。
紫砂斗はスマホを取り出すと、電話を開き110番通報する。以前より紫砂斗は、怪物を見かけたら、警察に連絡するようにしていた。パトロールが強化され、住民たちの叫び声を聞いたら、拳銃を持っている警察が助けてくれるかもしれないし、もしかしたら警官に怪物を目撃する者が出るかもしれない。ただ、今回の検証が正しければ、拳銃は無意味なガラクタと化す可能性もあるが……。
「……です。ナイフを振り回す方がいらして、危ないと思ったので、警察の方に来ていただきたくて。」
怪物がいたと報告しては、警察は冗談だと解釈するかもしれない。そのため連絡するときは不審者を目撃したことにしていた。
「……はい。それではよろしくお願いします。」
紫砂斗は、報告を終えると、スマホをスリープさせポケットにしまった。紫砂斗は帰路に就く。
ああ疲れたと、思いつつ家まであと五分といった時、
「紫砂斗君?」
聞き覚えのある声に紫砂斗は振り向いた。目線の先には女子。元クラスメイトの竹内 美奈が立っていた。
「久しぶり……。」
☆★☆
紫砂斗の住む町にある公園。すっかり暗くなり、誰もいなくなった公園。虫の鳴き声しか聞こえないこの空間が突如裂けた。それも地面ではなく空気が。その分かれ目からはまばゆい光が漏れ、公園の街灯より明るく輝いていた。と、その裂けた空間から複数人の話し声が聞こえる。
「なんで俺らが都会のほとんどを守んなきゃいけないんだよ」
「仕方がないでしょ? むしろ、こんなに広い世界の、めちゃ広い宇宙の、広い銀河の星の、たった一つの都市だけ守ればいいと思うべきよ。それに守るのは二の次。主要任務はデスデビルを駆逐することなんだからね?」
「そんなに騒がないでください。このあたりの人間に見つかったら騒がれるかもしれません。」
「そんなわけないでしょ? 空間バリアがあるんだから。私たちの存在を知ってる人間にしか見えないっつの。」
「そのせいで、対策が出来ず、この世界でデスデビルの被害が広がっているんだがな。」
話し声は次第に大きくなっていき、やがて、空間が大きく開いた。光の向こうに数十人規模の人影が見える。
人影たちの中心にいる三人が、この手段のリーダー的存在なのだろう。三人のうち一人がひときわ大きい声を上げた。
「お前ら! そろそろ行くぞ!」
「「「はっ!」」」
掛け声とともに裂け目からその人数が飛び出し、やがて裂け目は閉じ、光は収まった。三人を前にきれいに隊列を組む。
彼ら彼女らの顔などの容姿は暗闇で見えないが、全員が全身黒い服を着ていてフードを深々と被り、全員が黒いマントを身に纏っていた。
リーダー格の一人が再度口を開いた。
「こちらキラー天使、デスデビル撲滅隊、789572892番小隊。現地に到着。これより呼称を東京部隊に改め、任務を開始します。」




