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浄火
糞と脂のつまった革袋
天に逝くには重すぎて
欲望 しがらみ 罪 羨望
がんじがらめで地べたに転ぶ
いやしき精神
あさましき肉体
地獄の業火に焼かれて消えろ
きれいな灰になったなら
風に吹かれて散ればいい
しろい灰になったなら
ふるさとの海に行くのを許してくれるか
粉の灰になったなら
いつか歩いた山に行くのを許してくれるか
そうして残ったひとかけの骨を
あなたが口に含んでくれないか
私はチョークのように砕けて
ガラスのような音を出すだろう
パキリ パキリ
幽かな音をさせ
あなたの舌を吸うのだろう
しろい灰の私は風に散り
白い骨の私はあなたの中を通り過ぎよう
天に逝くには重すぎて